優れたパーソナライズドメールを実現するための方法を探る(その1)

優れたパーソナライズドメールを実現するための方法を探る

この記事は To Achieve Great Email Personalization, Seek the Best of Both Worlds: Part 1 の抄訳です。

自分の好きなブランドについて考えてみてください。あなたはそのブランドの製品に価値を見いだしやすいはずです。しかし、その深い親近感は恐らく製品の魅力だけによるものではないでしょう。これまでのそのブランドとの体験から来る、もっと漠然としたものから親近感は生まれます。それは、ブランドからのアプローチ方法があなたの望む(あるいは必要とする)ことに適していたかや、日常生活の中でのブランドとの接点など様々です。

世界有数のブランドのマーケティング担当者がこぞって、お客様に親近感を持ってもらえるような方法でアプローチしようとしていますが、そのほとんどが目標を達成できません。

それはなぜか?マーケティング担当者の皆さんならお分かりでしょう。

すべての接点に渡ってシームレスな顧客体験を提供するには、大きな壁があるのです。

仮に、ある時点での顧客のウォンツやニーズについてのデータを得られたとして、はたしてその規模が大きくなっても適切に反応していけるでしょうか?そして、お客様一人一人に最も適した方法でリーチできるでしょうか?これを実践できるのはほんの一握りの企業だけです。実際、非常によく知られたブランドのメールキャンペーン100件を調べたForrester Research(技術系の市場調査会社)の最新レポートによると、90件は落第点だったということです。

それではこれから、高度にパーソナライズ化された顧客体験を実現し、その結果として人々に愛されている企業をいくつか見ていきましょう。顧客との接点の中でも最も重要なものの1つがメールなので、特にパーソナライズドメールについて見ていきます。メールをパーソナライズ化するためには、個々人のウォンツやニーズに合わせて内容を動的に変える必要があります。メールの本文に相手の名字を入れるだけではなく、メッセージの全体的なエクスペリエンスが相手にとって高度に関連性のあるものとなるように組み立てられている必要があるのです。

成功しているパーソナライズドメールの例

Spotifyの事例

Spotifyが送るレコメンドメールは高度にパーソナライズ化されており、リスナーを楽しませています。ユーザのリスニング習慣についての深い理解や、同一ネットワーク内の他のユーザの音楽の好みを活用することによって、これから人気が出そうな歌手の情報や、朝のトレーニングを始める前には元気が出る曲を提案するといった、動的なメール送信を実現しています。

eBayの事例

eBayでは、機械学習モデルによって厳選された、リアルタイムかつパーソナライズ化されたメールを配信しています。eBayでは今やメールの開封時刻に応じて本文内の画像を動的に生成するといったことも実現しており、そのレコメンドメールは直近のユーザ行動と製品情報に基づいた個々人に関連性の高いものとなっています。

例えば、eBay.comでNikonのカメラを閲覧して、eBayからのメールを開くと、そのカメラの情報がメールに含まれているかもしれないということです。たとえ、カメラのページを閲覧したのがメールが送信された後だったとしてもです。

eBayのメールサンプル

Airbnbの事例

Airbnbに関して印象的だったのは、ユーザが滞在したいと思っている場所や、やってみたいと思っていることについて把握しているという点です。
例えば、デンバーで宿泊したときは、最終日の夜に宿泊延長のオファーメールが来ましたし(実際、延長しました)、サンフランシスコに戻って週末の予定について考えていると、「あなたの週末」と題された私にぴったりのアクティビティが掲載されたメールが来ました(この時はThe Perennialという店のワイン試飲会に行きました)。

このように、オファーの内容をユーザのいる場所や行動に適合させることで、ユーザの日常生活に自然にAirbnbを組み入れているのです。

Airbnbのメールサンプル

次回はいよいよ、洗練されたパーソナライゼーションを実施しているブランドに共通するアプローチと戦略について探っていきます。お楽しみに!

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