世界のメールエンゲージメントレポート【2024年版】

この記事はGlobal Messaging Engagement Reportの抄訳です。

Twilio SendGridは毎年、世界中の消費者を対象にメールやSMSなどのコミュニケーションチャネルに対する趣向の変化を調査しています。今年は、ブラジル、フランス、ドイツ、日本、イギリス、アメリカの6か国で4,800人以上の消費者を対象に調査を実施し、メールなどの従来のチャネルが好まれ続けているのか、それともSNSやチャットなどの新しいチャネルが人気を集めているのかなど、国ごとの傾向を探りました。

各国に共通するトレンドに加え、日本とアメリカの傾向もご紹介します。新たなトレンドや消費者行動を把握して、今後の戦略を見直すのにお役立てください。

まずは調査方法について簡単にご紹介します。

調査方法

世界の消費者4,800人を対象に、定量・定性両方の観点で調査を実施しました。回答者の内訳は以下の通りです。

  • ブラジル、フランス、ドイツ、日本、イギリス、アメリカの6か国から800名ずつ
  • 各国の回答者は、18〜24歳、25〜35歳、36〜50歳、51〜65歳の世代から200名ずつ

この調査では、メールとSMSの利用状況、およびブランドとのコミュニケーション方法に関する好みについて、26の質問をしました。希望する受信頻度やよくある不満、購買行動への影響などをまとめています。

世界のメールエンゲージメント調査

6か国の傾向

6か国に共通して見られた傾向をいくつかご紹介します。

1. メールは依然として最も好まれるコミュニケーションチャネルだが、SNS広告の人気も上昇

調査を実施した直近4年間、メールは世界中の消費者の間で最も好まれるコミュニケーションチャネルであり続けています。今年は回答者の68%が最も好むチャネルトップ3にメールを挙げており、昨年の54%から増加しました。

一方で、注目すべき変化として、SNS広告の人気上昇が挙げられます。これにより、SMSは調査開始以来初めて3位に落ちました。両チャネルの人気は依然として拮抗していますが、SNS広告は43%、SMSは41%と、SNS広告がわずかに上回る結果となりました。

世界で好まれるコミュニケーションチャネル

世代別に見ると、メールとSMSは高い年齢層に人気がある一方、SNS広告は若い世代に高く評価されています。つまり、マーケターは、各世代の嗜好に合わせて複数のコミュニケーションチャネルを組み合わせた「マルチチャネル戦略」を練る必要があります。高年齢層を惹きつけるメールやSMSキャンペーンと、若年層を惹きつけるSNS広告を効果的に組み合わせ、マーケティング活動を最適化しましょう。


世界で好まれるコミュニケーションチャネル~世代ごとの比較~

2. 世界最大のインボックス・プロバイダはGoogle

Yahoo!とGmailの新要件を踏まえ、到達性を最大化するには、受信者が利用しているプロバイダを把握することが重要です。
今回の調査では、消費者が利用するサービスや利用方法をより深く理解するため、使用しているインボックス・プロバイダについて質問しました。

その結果、回答者の71%がプライベートなメールアドレスを複数所有していることがわかりました。
また、どの国においても、最も多く使われているインボックス・プロバイダはGoogleでした。2位以降は国によって差があり、日本ではYahoo!、イギリス・フランス・ブラジルではOutlookが人気です。

多く利用されているインボックス・プロバイダを把握し、それぞれに最適な配信対策を行って確実にメールを届けましょう。


利用されているインボックス・プロバイダの種類

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3. メールはコンバージョンを促進する

回答者の78%は「メールをきっかけに商品を購入したことがある」と答えました。この割合は昨年の77%から大きな変化はなく、メールが依然として収益に貢献するマーケティングチャネルであることが分かります。


メールをきっかけに商品を購入したことがある人の割合~国別~

興味深いことに、25~35歳および36~50歳の回答者は、他の年齢層よりもメールをきっかけに商品を購入する割合がやや高いことが分かりました。一方、最も若い18~24歳では「メールは購買意欲に影響しない」と感じている人の割合が比較的高い傾向にあります。それでも、約4人に3人は「メール経由で商品を購入したことがある」と回答しており、この年代においても、メールマーケティングは有効だといえます。


メールをきっかけに商品を購入したことがある人の割合~世代別~

SMSによる購買行動についても尋ねたところ、「SMS経由で商品を購入したことがある」と回答した人はわずか51%でした。このような傾向が見られるのは、メールが視覚的な表現や長文で情報を伝えられる点で、SMSよりも優れているためだと考えられます。


SMSをきっかけに商品を購入したことがある人の割合~国別~

4. 消費者は毎日メールが届くことに魅力を感じなくなっている

昨年は回答者の31%が「お気に入りのブランドから毎日メールを受け取ることを希望する」と回答していましたが、今年はわずか20%にとどまりました。ほとんどの回答者は週1回程度の受信を希望しています。


世界で好まれるメールの頻度


世界で好まれるSMSの頻度

回答者の58%は「毎日メールが届くと購読解除したくなる」と回答しているため、むやみに送信しないことが重要です。毎日のように送信している場合は頻度を抑え、少なくとも受信者にとって価値のある内容を送りましょう。そうしないと、購読者が離れてしまう可能性があります。


購読解除につながるメールの配信頻度

5. 配信頻度の高さとコンテンツの関連性の低さは不満の元

当然のことながら、すべてのメッセージが好意的に受け入れられるわけではありません。頻度が高すぎたり、自分と関連性が低かったりするメッセージは、消費者に疎まれます。


消費者がメッセージを好ましく思わない要因

受信トレイで不快に感じることとして多く挙げられたのは、メッセージの送信元が不明であること(53%)と、関連性の低い/興味を引かないコンテンツが送られてくること(44%)でした。
また、チャネル特有の意見として、購読した覚えのないメッセージが届くこと/購読解除後も届き続けること(メール)、送信元がすぐに判別できないこと(SMS)にストレスを感じる人が多いようです。

こうした不満の声が上がるのを防ぐためには、過剰な送信を避けること、Preference Center(プリファレンスセンター)を導入して受信者自身で購読するコンテンツを管理できるようにすること、そして送信元が誰であるかを明示することが重要です。これにより、購読解除を防ぎ、受信者との信頼関係を築くことができます。


消費者が受信トレイで不快に感じていること~メール・SMS~


消費者が受信トレイで不快に感じていること~メールのみ~

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6. 消費者にとって最も重要なのは、メッセージの送信者

多くのブランドが情報発信している中で消費者の関心を引きつけ続けるには、明確で透明性のあるメッセージを発信する必要があります。
その第一歩として、メッセージごとにわかりやすいメールアドレスと送信者名を使用しましょう。ブランド名を明記してロゴを載せることで、信頼感も高まります。こうすることで、消費者は安心してメッセージを受け取ることができ、コミュニケーションにも前向きになりやすくなります。


メールを開くどうかの判断に送信者は影響するか?

実際、回答者の77%はメールを開くかどうかの判断に「送信者が強く影響を与える」、もしくは「送信者がある程度強く影響を与える」と回答しています。高年齢層ではこの傾向がさらに顕著になり、51~65歳では82%、36~50歳では80%がメールを開くかどうか判断する際に送信者を考慮しています。一方、25~35歳では75%、18~24歳では69%にとどまりました。
明確な送信者名は、ブランドへの信頼を築く上で重要な要素の一つとされています。回答者の20%は「明確なメールアドレスと送信者名の使用」がブランドへの信頼につながると回答しました。誰から届いたメールなのかが明確であれば、受信トレイに並ぶ多くのメールの中から、読む価値のあるものを瞬時に見極められます。


信頼されるメールに必要な要素

7. 消費者はパーソナライゼーションを重視しているが、そのために個人情報を提供することには消極的である

回答者の64%は「パーソナライズされたメールは非常に印象に残る」または「ある程度印象に残る」と考えており、28%は「コンテンツがパーソナライズされていること」はメールを購読する動機になると回答しています。
しかし、多くの人はブランドに個人情報を提供することにためらいを感じています。「パーソナライズされたコンテンツを受け取るためなら個人情報を提供しても良い」という人の割合は、昨年と変わらず55%でした。

国別にみると、ブラジルでは71%の回答者がブランドに個人情報を提供してもよいと答えたのに対し、日本は47%にとどまり、最も消極的な結果となりました。


パーソナライズされたコンテンツを受けるための個人情報提供に対する意見~国別~

この結果には昨年から大きな変化はみられず、「反対」から「わからない」に考えを変えた回答者は全体でわずか2%でした。


パーソナライズされたコンテンツを受けるための個人情報提供に対する意見~年代別~

SMSにおいては、個人情報の提供に対する意見が大きく分かれました。回答者の49%は「パーソナライズされたメッセージを受け取るためなら個人情報を提供しても良い」と回答しましたが、32%は否定的であり、メールにおける「反対」の割合(23%)を上回っています。
 
 

日本の傾向

日本の傾向

日本では、世界の傾向と異なり、好みのコミュニケーションチャネルのトップ3にSMSはランクインしませんでした。動画広告(39%)やSNS広告(37%)、プッシュ通知(37%)の方がより好まれています。

なお、LINEのようにアジア圏のみで普及しているメッセージングプラットフォームが与える影響については、本調査で正確に反映されていない可能性があります。


日本の消費者が好むコミュニケーションチャネルランキング

1. メールは購買意欲に影響を与える

前年の調査では、メール経由で商品を購入したことが「ある」と回答した人は64%で、調査対象国の中で最も低い割合でした。実際、「メールは購買意欲に影響しない」と答えた人は30%にも上りました。

しかし、今回は大きく結果が異なり、メール経由で商品を購入したことがある人の割合は77%に増加しました。


メールをきっかけに商品を購入したことがある人の割合~年度別~(日本)

SMSを通じた購買行動についても調査しました。世界の傾向と同様、日本でもSMSよりメールの方が、商品購入につながる可能性が高いことが分かりました。それでも「SMS経由で商品を購入したことがある」と回答した人の割合は59%と高く、1位のアメリカ(61%)との差はごくわずかです。この結果から、日本ではメールとSMSのどちらにも高いコンバージョン効果があることが分かります。


SMSをきっかけに商品を購入したことがある人の割合(日本)

2. 配送状況の通知は重要

日本の消費者がブランドメッセージを受け取る主な理由は、他の調査国と同様、「セールや割引情報を入手するため」でした。しかし、どのようなコンテンツを受け取りたいかという質問では、特筆すべき結果が得られました。最も人気のあるコンテンツは「配送状況の通知」で、メール(65%)とSMS(51%)の両方で1位となりました。他の国でも配送通知は重要視されていますが、メールとSMSの両方で1位となったのは日本のみです。

その他の上位項目もメールとSMSで共通しており、2位は「重要なお知らせ」、3位は「セールや割引」でした。


消費者に好まれるコンテンツ

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3. 受け取るコンテンツを自分で選びたいと考える消費者が多い

日本を除く調査対象国では、ブランドが信頼を得るのに効果的な方法として「明確なメールアドレスや送信者名を表示すること」が最も多く挙げられたのに対し、日本では「受信するメールの内容を選択できること」が最も重視されていました。この項目は、他の国々ではそれほど重視されていませんでした。

日本の購読者を獲得したい場合は、プリファレンスセンターを設置しましょう。これにより、受け取る情報や配信頻度を受信者自身が選べるようになります。


信頼されるメールに必要な要素


 
 
アメリカの傾向

アメリカの傾向

メールは依然として最も好まれるチャネルでしたが、SMSがSNS広告を上回り、アメリカで2番目に好まれるコミュニケーション手段となりました。また、上位ではないもののプッシュ通知への関心が高まっており、今年は20%から28%に増加しました。


アメリカの消費者が好むコミュニケーションチャネルランキング

1. 好まれるメールの頻度は週1回

メールの頻度が高すぎることはアメリカの消費者にとって最大の不満です。週2回以上メールを受け取りたいと答えた回答者は46%で、前年の65%から29%も減少しました。


アメリカの消費者に好まれるメールの頻度

では最適な送信頻度はどのくらいなのでしょうか?最も好まれる頻度は、メールでは「週1回」(27%)、SMSでは「週2回」(31%)でした。もちろん、パーソナライズされた質の高いコンテンツを提供し、それが受信者にとって価値あるものだと認識されれば、送信頻度が多少高くても好意的に受け止められるでしょう。
ただし、頻度が高すぎると煩わしく感じられることもあります。実際、調査では回答者の58%が「毎日メールが届くと購読解除したくなる」と答えており、この割合は前年の55%からわずかに増加しています。

送信者は、購読者にメールを送ることを「当然の権利」ではなく「特別な機会」と捉えるべきです。魅力的なメッセージは、ブランドとの長期的な関係構築にもつながります。


消費者に好まれるSMSの頻度


購読解除につながるメールの配信頻度

2. パーソナライズを重視する傾向が強まっている

「パーソナライズされたメールはとても記憶に残る」と回答した人の割合は41%で、前年の31%から大きく増加しました。これは、自分と関連性の高い情報を求める傾向が強くなっていることを示しており、エンゲージメントとロイヤルティの向上を目指すブランドにとって、パーソナライズの重要性はますます無視できないものとなっています。

具体的にどのようなパーソナライズを望むかを尋ねた結果は以下のとおりです。

  1. 自分の興味に関連したコンテンツ(70%)
  2. おすすめ商品(52%)
  3. 居住エリアに関連するコンテンツ(37%)


消費者に好まれるパーソナライズコンテンツ

世界中の消費者にとってデータプライバシーは最大の懸念事項ですが、より良い体験のためなら個人情報を提供しても構わないと考える人がいるのもまた事実です。実際、アメリカでは、回答者の約半数(メールでは53%、SMSでは49%)が情報提供に前向きでした。


パーソナライズされたコンテンツを受け取るための個人情報提供に対する意見

単に名前を入れるだけでなく、受信者の興味や過去の行動、居住エリアに合わせたカスタマイズが求められています。ブランドを差別化するには、すべてのメッセージが受信者にとって価値のあるものとなるよう、効果的にパーソナライズを取り入れましょう。

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3. SMS経由で商品を購入する傾向が強い

配信頻度とパーソナライズを適切に行えば、メールとSMSは強力な収益源となり得ます。実際、これらのチャネル経由で商品を購入したことがあるアメリカの消費者は、メールでは78%、SMSでは61%にも上り、SMSについては調査対象国の中で最も多い割合となりました。

メール経由の購入は依然として主流ではあるものの、モバイルで手軽にメッセージを受け取りたい受信者に対しては、SMSも十分に投資する価値のあるチャネルです。両チャネルの強みを活かし、受信者の好みに合わせたアプローチを取ることで、エンゲージメントを高め、売上を最大化しましょう。


メール、SMSをきっかけに商品を購入したことがある人の割合

メールとSMSの送り方を見直そう

メールとSMSは、依然として世界中で非常に効果のあるマーケティングチャネルです。以上のアンケート結果を参考に、その可能性を最大限に引き出しましょう。
特にメールでは、以下の点に注意が必要です。

  1. 宛先リストを適切に管理する
    受信者の迷惑にならないよう、購読解除したメールアドレスは速やかに削除するなど、リストを適切な状態に保ちましょう。また、宛先リストには購読したい人のみを追加し、購入は絶対に避けてください
  2. 送りすぎない
    消費者は毎日大量のメッセージを受け取っています。本当に価値のあるメッセージのみを送りましょう。プリファレンスセンターを設置して、消費者がブランドからのメールを受け取る頻度や種類を選択できるようにすると、なお良いでしょう。
  3. パーソナライズする
    世界中の消費者はパーソナライズされたコンテンツを求めています。メールやSMSでパーソナライズされたコンテンツを送り、エンゲージメントを高めましょう。
  4. 自分の顧客のことをよく理解する
    顧客層はそれぞれ異なります。この調査では国別の傾向や行動パターンを示しましたが、各ブランドには独自の特徴があるはずです。効果を最大化するため、自社でデータを収集・分析し、それに基づいて施策を行いましょう。

これらのヒントが、皆さんのメッセージ配信をより効果的にし、より良い結果につながれば幸いです。

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