Preference Centerの種類とベストプラクティス
- 2024年2月22日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス メールマーケティング
この記事は Email Preference Center: Types, Best Practices & Examples の抄訳です。
Twilio SendGridブログの読者の皆さんなら、「適切なメールを、適切なタイミングで、適切な宛先に、適切な頻度で送信する」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。これは、受信者に愛されるメールを送信するためのモットーです。
しかし、興味が薄れてしまったとか、メール疲れを起こしたという受信者はどうしても出てきます。コンテンツがどれほど有益であろうと、テンプレートがいかに印象的で創造的であろうと、メールマーケティングの世界では配信停止は避けては通れないことなのです。
マーケターにとって配信停止は残念なことです。しかし、配信停止機能の設置は世界各国で義務付けられており、その機能が使いやすいことが世界規模で配信されているメールの共通点でもあります。そして、最近ではもっと多機能なツールを提供しているマーケターも増えているようです。それが、Preference Center(プリファレンスセンター)です。
Preference Centerでは、購読者は「講読を完全にやめる」以外の選択ができます。市場性のあるリードを完全に失わずに維持できることはビジネスにとって大きなメリットです。また、さらに重要なのは、購読者の体験も優れているということです。詳しく見ていきましょう。
Preference Centerとは?
Preference Centerが無い、つまり単純な配信停止機能だけが提供されている場合、講読者の選択肢は「全てのメールを受信し続ける」か「全てのメールを停止する」しかありません。しかし、読みたいメールもあればそうでないメールもあるのが実際のところです。
Preference Centerでは、購読者がその好みに応じて、受信するメールの頻度(毎日、週に1回、月に1回等)やコンテンツ(新商品の情報は受け取るが、セール情報は受け取らない等)をカスタマイズすることができます。受信者が完全な配信停止を選ぶことをオプトアウト(opt-out)と言うのはよく知られていますが、これに対して、受信する頻度やコンテンツを減らすことはオプトダウン(opt-down)と呼ばれます。受信するメールを自由に選ぶことができれば、希望通りの受信体験が実現するはずです。
また、受信設定を変更する理由を入力・選択して企業にフィードバックできる仕組みを備えたものもあります。得られたフィードバックからは、愛されるメール送信のための貴重な洞察が得られるでしょう。
Preference Centerがもたらすメリットは以下の通りです。
- 法規制対応
GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)等によりユーザの情報をユーザ自身がコントロールできるようにすることが求められています。Preference Centerは、こういった法規制への対応に有用です。もちろん日本の特電法、特商法への対応にも役立ちます。 - 配信停止の削減
購読者の好みに合わせた調整ができれば、完全な配信停止は減らすことができます。米国SendGridでは、Preference Centerを使い始めてから配信停止の件数が20%も減少したそうです! - 到達率の上昇
受信者が希望したメールを送信するので、到達率が上昇し、迷惑メールとして判定される可能性を減らすこともできます。 - エンゲージメントの向上
メールのコンテンツに興味を持ちやすくなるため、到達率だけではなく、開封率やクリック率も上昇します。
頻度を設定するPreference Centerと、コンテンツを設定するPreference Centerの例をご紹介します。
配信頻度ベースのPreference Center
このタイプのPreference Centerでは、「配信頻度を減らす」「任意の配信頻度を指定する」「一定期間のみ配信を停止する」といった選択肢を購読者に提示します。例えば、West Elmというセレクトショップが提供しているPreference Centerがこのタイプです。
「全てのメールを受け取る」「メールの配信頻度を下げる」「90日間は一切のメールを配信しない」といった選択肢が提示されています。そして最後の選択肢が「配信を停止する」です。
コンテンツベースのPreference Center
こちらは、受け取りたいメールまたは受け取りたくないメールの種類を選択することができるPreference Centerです。NextDoorというSNSではコンテンツベースのPreference Centerを提供しており、「すべてのメールを受け取る」「一部のメールのみ受け取る」「受け取るメールのコンテンツをカスタマイズする」といった選択肢から選ぶことができます。
NextDoorではユーザの投稿をカテゴリで分類しており、受け取るメールを「すべて」「一部のみ」「自分にとって重要なカテゴリのみ」といった形で選択できるようにしています。
ベストプラクティス
Preference Centerを導入して、ユーザエクスペリエンスの向上と個人情報保護の遵守に向けて大きな一歩を踏み出しましょう。ここでは、より大きな効果を得るためのコツやベストプラクティスを紹介します。
- 簡単にアクセスできる
全てのメールのフッタにPreference Centerへのリンクを配置しておくとアクセスしやすくなります。 - 直感的なデザイン
操作方法が明確で使いやすく、分かりやすい選択肢を用意しましょう。業界用語や専門用語を使うのは避けましょう。 - モバイルレスポンシブデザイン
多くのユーザがモバイル端末でメールを読んでいます。Preference Centerも、スマートフォンなどのモバイル端末からアクセスされることを想定して作りましょう。 - 分かりやすい表現
コンテンツベースのPreference Centerでは、各コンテンツの説明を分かりやすく書き、どのメールを受け取ろうとしているのかがはっきりと分かるようにしましょう。 - オプトアウトも簡単にできる
講読者の好みに合わせたオプトダウンが選択できるのは素晴らしいことですが、完全にオプトアウトしたいユーザのために、ワンクリックで完全な配信停止ができることも重要です。 - セグメンテーションとターゲティング
Preference Centerでどんな設定をしているかによって顧客リストをセグメンテーションし、ターゲティングメールを送ることもできます。 - 定期的な誘導
特に新しいコンテンツカテゴリを増やすときなどは、講読者にPreference Centerを案内して最新の好みに合った設定をしてもらいましょう。 - 変更の確認
受信者によって購読設定が変更されたときには、確認ページを表示したり受信者に確認メールを送ったりして、変更内容を確認してもらいましょう。 - 変更を素早く反映する
購読を停止したはずのコンテンツを届けてしまうと、受信者からの信頼を損なってしまいます。購読設定が変更されたら素早く反映しましょう。
SendGridでPreference Centerを使ってみよう
SendGridを使ったメール送信で、Preference Centerを早速導入してみたいとお考えの方には、こちらの記事が参考になるはずです。
どういったメールを受け取りたいかを受信者自身に選択してもらうことで、エンゲージメントを高めていきましょう!