Preference Centerを使って受信者が望むメールを送信する方法

Preference Centerを使って受信者が望むメールを送信する方法

Preference Center、使ってますか?

メールマガジンやニュースレター、各種お知らせなどの購読を受信者自身が管理するための設定画面を、一般に「Preference Center」といいます。SendGridが提供するPreference Centerでも、メールを購読するかどうかを受信者がメールの種類ごとに設定できます。

なぜPreference Centerが必要なのかは、以前のブログ記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。ここでは要点だけ抜粋します。

  • 特電法で義務付けられている配信停止リンクの表示に対応できる
  • 配信停止方法を容易にすることで、迷惑メール報告されてしまうのを避けられる
  • 受信者の興味に合わせた購読管理ができる
  • これらを通してエンゲージメントの向上につながる

法対応をクリアしながら、さらに受信者のエンゲージメントを高められるPreferece Centerをぜひ活用しましょう!

この記事では、SendGridでPreference Centerを利用する方法をご紹介します。

配信停止グループの作成

Preference Centerでは、メールの種類ごとに受信者がオプトイン/オプトアウトを選択します。まずは、このメールの種類を「配信停止グループ」として設定しましょう。

SendGridのメニューから「Marketing > Unsubscribe Groups」をクリックします。Unsubscribe Groupを初めて作る場合は「Add Unsubscribe Groups」ボタンを、既にUnsubscribe Groupが作成されている場合は「Create New Group」ボタンを、それぞれクリックして配信停止グループを追加していきます。

配信停止グループを追加

この記事では、例として家電メーカーがエンドユーザに送るメールを想定し、「暮らしの情報」と「新製品のお知らせ」という2つの配信停止グループを作成します。まずは1つ目をつくりましょう。「Add New Group」の画面で、Group Name と Group Description に以下を入力します。

  • Group Name:暮らしの情報
  • Group Description:毎日の暮らしに役立つ情報をお届けします(毎週金曜日配信)

これらの項目は実際のPreference Centerの画面に表示されます。簡潔で思わず購読したくなる説明の他、配信頻度などの情報を含めておくと、受信者の購読につながりやすくなります。入力したら「Save Unsubscribe Group」ボタンをクリックして、1つ目の配信停止グループを登録します。
なお、「Display this group on your unsubscribe preferences page.」は、配信停止グループをPreference Centerに表示させるための設定です。デフォルトでチェックが入っていますので、チェックを入れたままにしてください。

Group NameとGroup Descriptionを入力

1つ目の配信停止グループが追加できたら、2つ目のグループを追加します。

  • Group Name:新製品のお知らせ
  • Group Description:あなたの暮らしを豊かにする新製品の情報をいち早くお届けします(毎月1回程度配信)

Group NameとGroup Descriptionを入力したら、ここでPreference Centerの表示イメージを確認してみましょう。画面右上のUnsubscribe Preferencesをクリックすると、Preference Centerの画面イメージが表示されます。「Save Unsubscribe Group」ボタンをクリックして、2つ目の配信停止グループも登録しましょう。

Preference Centerの表示イメージを確認

これで、配信停止グループの設定は完了です。
ここからは3通りのメール送信方法ごとに、メール本文にPreference Centerへのリンクを含める方法をご説明します。

マーケティングキャンペーン機能で送る場合

マーケティングキャンペーン機能で利用できるメールテンプレートにはあらかじめPreference Centerへのリンクが含まれていますので、特別な設定をせずにPreference Centerを利用できます。

「Marketing > Campaigns」の画面で「Create Campaing」をクリックし、SendGrid TemplatesからTUTORIAL以外のお好きなテンプレートを選んで新しいキャンペーンを作成します。この記事では MODERN HOLIDAY を選んでみました。編集方法はDesign Editorを選択してください。(キャンペーンを作るための詳しい操作方法はチュートリアルをご確認ください)
表示されたテンプレートを一番下までスクロールしてみましょう。「Unsubscribe Preferences」もしくは「Update Preferences」というテキストがPreference Centerへのリンクです。

新しいキャンペーンを作成

今回はメールのコンテンツには編集を加えません。画面左側のSettingsタブで、入力必須である以下3つの項目を設定してください。

  • CAMPAIGN SETTINGS > From Sender(差出人)
  • CAMPAIGN SETTINGS > Email Subject(メールの件名)
  • RECIPIENTS > Unsubscribe Group(配信停止グループ)

Unsubscribe Groupは、先ほど作成した配信停止グループの中から、このメールの種類に該当するものを選択してください。

ここまでできたら、テスト送信をしてPreference Centerへのリンクがメールに含まれていることを確認しましょう。先ほど選択したUnsubscribe Groupの下にあるTest Email Addressesにテストメールの送信先アドレスを入力し、「Send Test」をクリックしてください。届いたメールの「Unsubscribe Preferences」リンク(一部のTemplateでは「Update Preferences」リンク)をクリックすれば、Preference Centerが表示されます。

Preference Centerへのリンクテキストを別の文字列に変更したい場合は、<%asm_preferences_raw_url%>というタグを指定してください。詳しい設定手順はこちらの記事をご覧ください。

Web API v3で送る場合

Web API v3で送るメールにPreference Centerを含めるには、以下2つの設定が必要です。

  • メールコンテンツ内にPreference Centerへのリンクを含める
    メール本文内に<%asm_preferences_raw_url%>タグを指定します。
  • 送信リクエスト内で配信停止グループIDを指定する
    “asm” > “group_id” パラメータに配信停止グループIDを指定します。IDは、配信停止グループを作成した「Marketing > Unsubscribe Group」の画面で確認できます。

これらの設定を含めた簡単なJSONパラメータの例は以下の通りです。宛先メールアドレス、送信元メールアドレス、配信停止グループIDはお試しの環境に合わせて変更してください。Mail Send API でこのJSONパラメータを指定すれば、Preference Centerへのリンクが挿入されたHTMLメールが送信できます。

{
  "personalizations": [
    {
      "to": [
        {
          "email": "your_email_address@example.com"
        }
      ],
      "subject": "Preference Center テスト"
    }
  ],
  "from": {
    "email": "from_email_address@example.com"
  },
  "content": [
    {
      "type": "text/html",
      "value": "<html><body>購読管理は<a href=\"<%asm_preferences_raw_url%>\">こちら</a></body></html>"
    }
  ],
  "asm": {
    "group_id": 18148
  }
}

SMTPで送る場合

X-SMTPAPIヘッダを使うことで、Web API v3と似た方法でPreference Centerを含めたメールを送信できます。

  • タグを使ってメールコンテンツ内にPreference Centerへのリンクを含める
    Web API v3と同様、本文中に<%asm_preferences_raw_url%>タグを指定します。
  • X-SMTPAPI ヘッダの asm_group_id パラメータで配信停止グループIDを指定する
    メール送信リクエストの中の拡張ヘッダとして、X-SMTPAPI: {“asm_group_id”:18148}のように配信停止グループIDを指定してください。

X-SMTPAPIヘッダの使い方についてはこちらをご覧ください。Preference Centerのリンクが含まれたメールが届きましたでしょうか?

完成です!

届いたメールに含まれるリンクをクリックしてPreference Centerを表示させてみましょう。以下のようなページが開けば成功です!

届いたメールに含まれるリンクをクリックしてPreference Centerを表示

これで、受信者自身が自分の興味に合わせて購読するメールを選択できるようになりました。受信者が「OPT OUT」をYESにして購読停止の意思表示をすると、受信者のメールアドレスがGroup Unsubscribesのリストに自動的に登録され、以降そのグループを指定して送信したメールが当該受信者に送信されなくなる仕組みです。

まとめ

今回は、SendGridが提供しているPreference Centerの設定方法をご紹介しました。
購読管理を独自に行いたい場合は、こちらの記事で紹介している「Custom Unsubscribe Link」の利用もご検討ください。
Preference Centerを活用して受信者が望むメールを送信し、より高いエンゲージメントにつなげていきましょう!

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