メールとSMSによるマーケティング戦略の最適化

メールとSMSによるマーケティング戦略の最適化

この記事は Email to SMS: Strategies and Tactics for Optimal Performance の抄訳です。

SMSマーケティングは、得意客や見込み客と繋がるための方法として、ビジネス規模によらず重要なコミュニケーション手法になってきています。SMSは開封率が非常に高く、受信者がテキストメッセージをすぐに読める即時性が特徴です。

多くのマーケターが、特別な割引情報やイベント告知、予定のリマインダなど、それまでメールで送っていたものをSMSから送るよう切り替えるのは、SMSのこういった特徴を利用して反応の良い顧客の中に入り込むのが狙いです。はじめはこのアイデアが良い方法に思えるかもしれませんが、マーケティング関連の行動すべてをSMSと連携させるのは、必ずしも良い結果になるとは限りません。

よくある間違いとして、省力化を図るためにメール用のメッセージを、SMSとメール両方で使い回すことが挙げられます。コピーライターの作業負荷を軽減する効率的な方法だと思われるかもしれませんが、問題になることの方が多いのです。

テキストメッセージは短くて便利なものです。みなさんは長くて複雑な内容のメールを送ってはいないとは思いますが、それでもメールマーケティングにおいては、SMSの制限(160文字※)を超えるような内容を送っているのではないでしょうか?これをSMSに変換すると、多くのメールは160文字の塊に分割され、テキストメッセージの即時性とシンプルさを阻害することになります。

メールとSMSは全く異なるコミュニケーションツールであり、片方のメリットを他方で得ることはできません。しかし、併用すると両方の特徴を活かすことができます。

メールからSMSに変換する際のベストアプローチとは?

簡単なAPIを利用して、メールをSMSのテキストメッセージに変換して個別もしくは複数の宛先に対して一斉送信することは技術的には可能です。

しかし、元々メール用に整形されたコンテンツやオンライン前提のフォームはスマートフォン向けにうまく変換されないため、SMSに単純変換する方式は注意しなければなりません。

代わりに、オムニチャネル戦略の一環としてテキストメッセージをマーケティング施策と連携させることを検討してみましょう。顧客の好みに応じて、適切なタイミングとチャネルを利用することで、顧客体験を向上させるのです。

マーケティング施策におけるメールとSMSのバランス

デジタルおよびモバイルマーケティングコミュニケーションの設計をする際、テキストメッセージとメールを併用するとマーケティングがさらに効果的になる可能性があります。例えば、キャンペーンメールにショートコード(※)を追加すると、顧客と連絡を取りやすくなることは既に実証されています。

同様に、特定の興味に関連するニュースレターの購読登録を促す短いテキストメッセージを送信するのも良い方法です。このような創造的な戦術は、マーケティング担当者が顧客と会話するきっかけ作りと得意客をフォローするのに役立ちます。

ここでメールとテキストメッセージを併用してマーケティング施策を強化する方法をいくつかご紹介します:

登録したらもらえる!

  • メール:実際に何か賞品をもらえるコンテストほど顧客を惹きつけるものはありません。メールを利用してコンテストの詳細と参加手順を伝えます。モバイルユーザのフォロワーを増やすために、特典を用意した登録用ショートコードを含めておきます。
  • SMS:締め切り前にコンテストへの参加を促すメッセージを送信したり、コンテスト終了時に勝者を発表したりします。ニュースレターや今後開催されるコンテスト、プレゼントキャンペーンの登録用リンクを送ったり、顧客が電話番号を登録できるようにしたりします。

アンケートは語る

  • メール:ユーザにアンケートを取ることはプロダクトやサービスを改善するための情報収集手段として良い方法です。受信者がメールに返信したり、埋め込みフォームに入力したりして質問に回答できるようにします。他には、特典を付与したアンケートページに受信者を誘導する方法も考えられます。
  • SMS:顧客が最近行った注文やお問い合わせ対応に関してリアルタイムなフィードバックを促します。「最近行ったご注文はいかがでしたか?0~10点で評価してください!」のような簡単なメッセージは、顧客体験の向上に大きく貢献しています。

セールやります!

  • メール:顧客にセールの詳細情報を伝えます。具体的には、開催期間、対象商品、今後開催するセールイベントの優先招待や早期割引への登録用ショートコードなどです。
  • SMS:セール開催直前の最終リマインダに15%割引クーポンなどを添えて送ります。今日のお買い得商品を閲覧するための登録用ページやセール専用のランディングページへのリンクを含めます。

イベントで会いましょう!

  • メール:大規模なイベントの案内を行う場合、おそらく見込み客向けのお知らせメールを作成しているでしょう。このメールには、登壇者情報、開催概要、宿泊関連情報、その週に開催される特別なレセプションへの招待情報などが含まれているかと思います。これに加えて、参加者向けFAQページの登録用ショートコードや、参加者以外がセッションや基調講演のストリーミングにアクセスするためのショートコードを含めることを検討してください。
  • SMS:早期割引や特別価格の宣伝、レセプション参加者へのリマインダ、イベント専用のFAQページへのリンクを含めたウェルカムメッセージを送信します。

ウォルマートが採用した得意客向けマルチチャネルマーケティング戦略

世界最大の小売企業であるウォルマートは、コンパニオンマーケティング戦略の一環でメールとSMSをうまく併用しています。ウォルマートが購読登録者にメールでクーポンを送信していることは特に目新しい話ではありませんが、このメールには、今日のお買い得商品や、特別価格情報、新着商品、ギフトのアイデア等様々な情報を掲載しています。

また、「今日のお買い得情報」のSMS通知の受信登録をするよう促し、モバイルユーザ向けに来店特典を毎日配信しています。

これは、メールとSMSを併用して得意客をフォローすると同時に売上を増やすシンプルな手法です。

ウォルマートの「今日のお買い得情報」は元々メール、Twitter、その他のソーシャルメディアで宣伝されていましたが、これらのチャネルではユーザと場所や時間を問わずコミュニケーションするのには限界がありました。SMSはウォルマートが求めるシンプルさと即時性を備えたチャネルだったのです。

SMS機能を強化するために、ウォルマートはTwilioに注目しました。クラウドコミュニケーションのリーダーとして、Twilioは小売業向けに世界規模で信頼性の高いインフラを提供しており、彼らの得意客すべてに必要な情報を届けられるようになりました。

特筆すべきは、「今日のお買い得情報」はTwilioのメッセージングAPIを利用しており、実装にわずか数時間程度しかかからなかったことです。

統合されたオムニチャネル顧客体験

SMSはマーケティング戦略においてメールと並んでユニークな立ち位置にあります。今日のデジタル駆動型の消費者にとって、もはやメールのコンテンツをテキストメッセージに変換するかどうかは問題ではなく、顧客体験にとって最適なチャネルはどれか、ということが重要です。

そのためには、オムニチャネルに対応していく必要があります。SMSとメールは併用しやすいチャネルですが、大切なのはこれらがオムニチャネルプログラム全体の一部であることです。中には既存のCRMやデータベースに簡単に追加できるようなケースもあります。だからこそ、メッセージを送信するサービスの選択は、顧客全体のマーケティングコミュニケーション戦略を構築する際に直面する最も重要な決定事項の一つになるのです。

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