Webサイトのコピーを考える時の11のルール
- 2020年3月31日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は 11 Rules for Writing Website Copy の抄訳です。
Webサイトのコピーを書いた経験がある人は、それがどれだけ楽しく、また神経をすり減らす作業なのか理解されているのではないでしょうか。
コピーライターは、自分のすばらしいアイデアを全面に押し出したいと願うものですが、ホームページや製品ページ、CTAのコピーを考えるには大きなプレッシャーがかかります。
時には、店頭や会社のパンフレット・料金表・看板など広い範囲に影響が及ぶのですから、重荷に感じるのも当然です。また、コピーは多くの役割を持ち長く使われるので、完成までには多くの質問や批判にぶつかります。
売上にフォーカスすべきでしょうか?主要顧客のペルソナに特化したメッセージですか?もしくは顧客全員をターゲットにしますか?エッジの効いた表現とソフトな表現のどちらが良いですか?SEOに適したキーワードを十分に使っていますか?
最終的には、あなたのブランドやビジネスの考え方に合う答えを出すべきで、絶対に正しいアプローチはありません。ただし、今回紹介するような一般的なルールを知っておけば、顧客体験を高める手助けになるでしょう。
1. 全文は読まれないことを念頭に置く
残念ながら、訪問者はWebサイトを全文読んでくれるわけではないので、読み飛ばされることを前提にコンテンツを作成するのがお勧めです。
重要なポイントを確実に伝えるには「逆ピラミッド方式」を使いましょう。
この方式では、重要度が高い順に文章を構成します。一番大切な情報は最も読まれる冒頭に載せ、補足を後に続けます。
この構成で書いておけば、全文を読まなくても十分に理解できます。
2. 明確で簡潔な表現を心掛ける
Webサイトのコピーの最も重要な役割は、情報をすばやく届けることです。十分なスペースのあるブログ記事やレポートに比べて、限られた文字数でブランドからのメッセージや情報を届け、コンバージョンを促さなければなりません。
強い印象を残すには、明確で簡潔な言葉遣いをしましょう。
明確なメッセージが訪問者の興味を最も引き付けます
それだけでは訪問者の興味を引かないのでは?と心配する必要はありません。コピーに続くストーリーや結論へスムーズに誘導すればいいのです。
以下の例のように、短くシンプルな文章の方が理解が簡単です。
良い例:一般的に、トランザクションメールの開封率は高い。
悪い例:トランザクションメールは、受信者の資料請求や、アカウント作成・パスワードリセットなど特定の操作を契機として送信されるため、開封率は高く、配信停止されることも少ない。
明確な文章が書けたら、個性やニュアンスを加えてみましょう。
最初に複雑な文章を書いた後に無駄を削っていくのではなく、最初からシンプルさを心掛けるのが大切です。
3. 冷静さを失わない
最終版のコピーを冷静に見直しましょう。
最初に、すべてのアイデアをメモしたドラフトを作っておくのがお勧めです。ドラフトに立ち戻って、そのセクションや言葉が本当に必要なのかを考えてください。残す理由がなければ、思い切って削ってしまいましょう。戻そうと思えばいつでも戻せるのですから。
自分が好むフレーズを無意識に多用していませんか?あなたにとっては面白い表現でも、訪問者が興味を失う原因になってしまうかもしれません。
経験則ですが、単にセンスだけで付け加えた表現はおそらくカットすべきです。
残念なアドバイスかもしれませんが、訪問者には感謝されるはずです。
4. フォーマットに一貫性を持たせる
説得力のあるメッセージを作るという目標は、Webサイトだけにとどまりません。メールやブログ記事、ソーシャルメディアといった、顧客とのあらゆるチャネルで一貫したメッセージを伝えることが大切です。
すべてのコンテンツを1人の担当者が担当していれば問題ありませんが、そうでない場合が多いでしょう。
社内で共通認識を持つには、ガイドラインを作成して、好ましい表現、避けるべき表現、句読点の打ち方など、あらゆるルールを定めておきます。Shopifyからアイデアを得るのもお勧めです。
ガイドラインがあれば、どのコンテンツの担当者も同じルールに従うことができます。うまく運用できれば一貫したメッセージを伝えることができるでしょう。
5. コンテンツはいつでも更新できる
Webサイトの長所は、いつでも編集できるところです。
昔のマーケティングを想像してみてください。予算をつぎ込んで印刷してしまうと、後は誤字がないことを祈るしかありませんでした。
今では、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を使って容易に変更ができます。
つまり、安心して実験や改良ができるということです。うまくいかなければ、コストも手間もかけずにいつでも元に戻せます。
6. 他者にチェックしてもらう
他者の手を借りることも大切です。
ミスを恥ずかしがることはありません。レビューのプロセスを設け、主要なメンバーにミスの指摘やフィードバックをお願いしましょう。
長期間同じ作業に携わっていると、どうしてもミスに気づきにくくなります。事前に理論的な誤りや単純なミスを修正しておけば、Webサイト公開後のストレスが軽減されます。
7. 仮説を検証する
Webサイトを公開して満足するのではなく、新しいアイデアの仮説を立てて検証を続けるのが大切です。
間違いを犯すこと自体にはなんら問題はないので、アイデアの確度を上げるために以下に取り組んでみましょう。
- A/Bテストを実施する
- 顧客のフィードバックを得る
- 営業やカスタマーサービスなどの担当者に、顧客から何をよく聞かれるかを尋ねる
メール内のボタンのコピーや色でA/Bテストし、顧客の好みを探ることもできます。アイデアを実証できたら、Webサイトにも同じデザインのボタンを設置し、同じ結果が得られるかを確認しましょう。
8. 競合他社を調査する
コピーのドラフトを考える前に、競合他社のWebサイトを調査しましょう。他社をまねても差別化はできないので、アイデアを拝借してはいけません。しかし、インスピレーションを得ることはできるはずです。
まずは閲覧したWebサイトのトーンや語り口の特徴を押さえます。次に製品をどのように説明しているかをメモし、あなたのブランドとの類似点・相違点をリストにまとめます。
おそらく、自社サイトの表現の面白さにあらためて気づいたり、ブランドイメージに合っていると自信を持ったりすることもあるでしょう。繰り返し登場する用語や、自社サイトで避けたい用語の一覧を作ってみるのもよいかもしれません。
調査を進めていくと、うまくいきそうなアイデアとそうでないアイデアを区別できるようになります。このように調査と検討に時間をかけることで、将来新しい検討を始めるときにも大いに役立ちます。
9. 誇張しない
インターネットには、本来の姿が見えづらい側面があります。
Webサイトの紹介文では、「最高クラスの」「業界をリードする」「革新的な」「革命的な」といった用語を使いがちです。
確かに、自社のすばらしさをアピールすることも大事ですが、強すぎる表現は逆効果です。
あらゆるWebサイトに「最高」と書かれていると、それに慣れてしまった訪問者の心には残りません。大げさな、誇張した表現は避けるべきです。
以下の例のように、専門用語やバズワードを多用せず、プロダクトの具体的な特徴を伝えるのがよいでしょう。
悪い例:最高クラスの給与計算プラットフォーム
良い例:給与計算を数分で終わらせます
その市場で最もすばらしいプロダクトである必要はありません。顧客が抱える問題の解決方法を示すことで、顧客の信頼を獲得し、会社の価値をアピールしましょう。
10. コピーとビジュアルのバランスを取る
コピーとビジュアルのどちらが先に作られたとしても、お互いのバランスを取る必要があります。
残念ながら、アンバランスなWebサイトも少なくありません。中には、画像だけで十分に表現できるコンセプトをコピーでなぞっただけのページや、逆に、コピーだけで十分に理解できるのに画像が詰め込まれているページもあります。これではあまり意味がありません。
訪問者が一目で理解できるよう自然に組み合わせて配置すれば、相乗効果が見込めます。
11. テーマから乖離しない
例えを使った表現を考えるのは楽しいものですが、コピーでは慎重に使ってください。
面白い表現と陳腐な表現は紙一重なので、軽いユーモアにとどめておくのがよいでしょう。
また、訪問者は、あなたが期待するほど例えやテーマを理解してくれない可能性もあります。海外の利用者を想定する場合はなおさらです。HRテックのWebサイトに、飛行機の画像と「飛び立とう」といったコピーがあると混乱してしまうかもしれません。
最も重要なルール:モチベーションを保つ
Webサイトのコピーは、訪問者をワクワクさせるものであるべきです。
コピーを読めば、ライターの熱意のほどが簡単に分かってしまいます。ライターのやる気次第で、単調だったり技術的で難しいトピックを魅力的にアピールすることができるのです。
反対に、目的を見失って退屈なコンテンツを作り、せっかくのアイデアを台無しにしてしまうかもしれません。
もう飽きてしまった、膨大な指摘を受けてうんざりした、燃え尽きてしまったと感じたら、休憩を取りましょう。そして、今回紹介したルールに立ち戻り、なぜ変更したかったのか、何を得たかったのか、どのように伝えたかったのかをもう一度考えます。そうすることで、すばらしいコピーが浮かんでくるはずです。
以下の記事も参考にしてください。