これからの「メール」の話をしよう

これからの「メール」の話をしよう

この記事は Coming of Age in the Era of Email の抄訳です。

  • 今の大学生はカセットテープで音楽を聞いたことがないかもしれない
  • 同じくVHSで映画もほとんど見たことないかもしれない
  • 教室ではデジタル化が進み、生徒たちを飽きさせないために新しい技術がどんどん採用されている
  • 最近の高校生や大学生は以前に比べ多くのコミュニケーションツールを使いながら育った(Snapchat、WhatsApp、Viber、Trelloなど)

このように新しいメディアが登場し、新しいコミュニケーションツールを次々に試したり採用したりするというのはすごいと思う反面、もし自分がマーケターという立場にいると恐怖を感じるかもしれません。

メールはコミュニケーションを統一する

コミュニケーションスタイルが変化すると、メールに追悼の意を表したり、45年も続いているデジタルコミュニケーションの価値を否定したりする人がでてきます。彼らは高度なチャットツールであるSlackやHipChatに目を向けており、メールのない世界を探しているのです。

最近FacebookはWorkplaceというサービスを発表しました。これは、これから働く人たちは、Microsoft OfficeやLotus NotesよりもFacebookやGoogle Appsのほうが馴染みがあるという事実に注目した非常に理にかなった動きです。
しかし、一旦立ち止まって考えてみると、そういった媒体を統一する共通の糸があることに気づきます。そう、メールです。

私はメールのプロフェッショナルとして、メールは私達の成長プロセスの一部であるとずっと考えてきました。科学的な理由があるわけではないのですが、グローバルで見たメールの流量が縮小することなく増え続けているという事実に基づき、このように考えています。

デジタルアイデンティティとしてのメール

ここで、私の姪と甥の例を見てみましょう。彼らは驚くほど幼い頃から父親のiPadのロックを解除し大好きなゲームやビデオを立ち上げる方法を知っていました。彼らがスマートフォンやタブレットを持つ頃には、自らの識別子としてメールアドレスを作るでしょう。そしておそらく複数のアカウントを作成することでしょう。平均的には2つのアカウントを作ることが多いようですが、スタートアップの世界ではもっと多いようです。複数アカウントを持つことによって、プライベート用パブリック用を使い分けることができますし、迷惑メールを抑制するのにも便利です。

そうです、私達のデジタルアイデンティティはメールに基づいているのです。Slackチームにログインしたときのことを思い出してみてください。magic linkをメールで送るというオプションがありませんでしたか?ソーシャルメディアにアクセスする時、オンラインで決済する時、音楽をダウンロードするときにメールアドレスが必要という事実を考えるとメールの有用性は否定出来ないと思います。

また姪と甥の話に戻りますが、彼らが高校(あるいは中学校)に入学するとBlackboard, iTALIC, Edmondoといったデジタル教室に没頭することになります。そこで、物理的な世界で起きることをデジタルの世界で同時に実現するスレッドやチャットなどのツールの価値を学びます。急速に進む教室のデジタル化で、多数のツールを使いこなせるようになり、歳を重ねるにつれてその能力がより強力な形になるでしょう。

最初の仕事につく頃には、オンラインフォームを使って大学に申し込んだり、.edu(主にアメリカの教育機関向けのドメイン)のメールアカウントを開設したり、クラウドベースのワープロで論文を執筆し、教授やクラスメートとメールやソーシャルメディアを介してやりとりするでしょう。そうやって職場での付き合い方を覚えていくのです。

今両親の電話を使ってゲームをしたり映画を見ている子どもたちは、いずれ成長して仕事をする頃には熱心なメールユーザになるでしょう。メールは仕事でも必要なので。驚くべきことにビジネス利用でのメールは2019年まで年3%で成長し続け、コンシューマー向けのものは更にその倍だと言われています。

パートナーとしてのメール

メールを生業にしているということは、その他のコミュニケーション方法を全て嫌っているかというとそういうわけではなく、むしろ反対です。コミュニケーションの方法には、言語的、視覚的、聴覚的、空間的など様々なものがあります。それはインターネットやアプリケーションの世界でも同じです。それぞれの相互作用をきちんと理解することが非常に重要です。

例えば、Twitterは不満を吐き出すためのツールでしょうか?Facebookはプライベートであり、友達の輪を作成するためのツールでしょうか?メールボックスは上司からの賞賛や批判、Amazonの領収書全てがごっちゃに入った場所でしょうか?いずれも誤りでも正解でもなく、このような多様な形式が存在することを理解し、自分の用途にあった形式を選んでいくことが今後必要になるでしょう。

アーカイブ

メールを成功の原動力に

開発者にもマーケターにも信頼されているメールサービスを利用して、
時間の節約、スケーラビリティ、メール配信に関する専門知識を手に入れましょう。