SendGridを立ち上げて5年

SendGridを立ち上げて5年

この記事は 5-Year Startup Student の抄訳です。

2009年のはじめ、私、Isaac Saldana(※SendGrid社 Product vision担当 President。SendGrid社のCo-founderでもある。)はメールの到達率を上げるためのプロトタイプを作成しました。しかし、これは1人で成し遂げられるものではありませんでした。そこで、私が知る限り最も優秀な人物の1人である Tim Jenkins に、ビジネスとしてメール到達率を上げるミッションに参加してくれないかと話を持ちかけました。Timはバックエンドシステム全般を担当してくれました。しかし、使いやすいバックエンドシステムにはWebアプリケーションが必要です。そこで、これについて最適な人物 Jose Lopez に声をかけました。Joseが参加したことで、我々3人のスタートアップの準備が整いました

2年後の2011年、私はSendGridのCEOというポジションから、学ぶポジション(私はこれをStartup Studentと呼んでいます)に変わることにしました。2014年にSendGridは5周年を迎え、私は自分の考えを示したり、これまでに学んできたことを共有するのはやめようと思います。

幸運と不運

3人だった従業員が200人を超え、0通だったメールが2500億通を超えるほど会社が大きくなるには、困難に立ち向かうための熱心さ、幸運、文化が必要です。しかし、もっとも重要なのは人です。

まず最初に、幸運についてお話しましょう。多くのことがSendGridにとって良い方向に作用し、我々は成長することができました。我々がスタートした時に、マーケットがそこにあったのです。大きな要因としては、クラウドアプリケーションを使用するケースが増えてきたことが考えられます。信頼でき、ミッションを遂行してくれる、素晴らしい経営幹部、投資家、従業員達と出会いました。

2011年のはじめにはCEOに Jim Franklin を迎え、私は自分のソフトウェアやプロダクトに集中することができました。JimはSendGridに 4H (Humble, Honest, Hungry, Happy) という素晴らしい文化を定着させました。お客様からは「他でもないSendGridならメールを確実に届けてくれる」と頼りにしていただき、(4Hや文化を大事にすることによって得られた)この信頼がなければビジネスが拡大することはありませんでした。

また、不運も経験しました。雇用でミスをし、採用がスムーズに行なえず、見当違いをし、攻撃を受け、買収のオファーがあり、SendGridは終わるところでした。そこで私が学んだことは、これらの幸運や不運があったときの自身の行動が、会社の未来を決め、そしてひいては会社を拡大(もしくは停滞)させてくれるということでした。

調和を作り出す

5年間、SendGridの素晴らしい文化を維持してきましたが、これは簡単なことではありませんでした。そこには目に見えない多くの苦労がありました。SendGridのリクルートチームは、交響曲の途中で奏者を追加するようなことをしなければなりませんでした。彼らは、我々が全力で走っているところに、リズムを損ねることなくキープレイヤーを投入してくれました。プロセスではなく人で、ビジネスを拡大させている点を素晴らしいと思います。

SendGridは、世界でも最大クラスのメール送信サービスになることができました。これはつまり、分散システム、規模面でのソフトウェア工学、即座に対応するためのモニタリングといった、普通ではあまり直面しない問題にさらされるということです。我々の運用チームと開発チームはうまく連携し、月間130億通のメールをスムーズに配信し続けています。

沢山のお客様に代わって大量のメールを送信するには、ISPからの信頼をキープするために正しい行いをしなくてはいけません。他に選択肢はありません。SendGridの場合、メールの到達率を担当するチームには頼りになるリーダーがいますし、サポートチームはお客様に喜んでいただくことで良い評判を得ています。投資家、お客様、および財務チームも、お互いにうまく調和しています。

しかし、会社が成長するということはコミュニケーションが難しくなるということです。各チームが優先したいことが増えてくるので、それがノイズになってしまうのです。ある問題に関して考え続けるのではなく、素早い意思決定をすることが重要なのです。そういった意思決定の連続で今日のSendGridは成り立っています。

どのような困難に直面しても、全従業員220名は、メールを届け、到達率を上げ、メールをより良くするために毎日頑張っています。私はこういうところに魅力を感じるのです。しかも彼らは、ついこちらが微笑んでしまうような笑顔でそれをするのです。彼らと共に学び、仕事をする機会に恵まれ、私は幸運です。彼らこそが、SendGridを大きくしてくれたのです。

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