サービスを成長させるのに通知メールが最も重要な理由
- 2015年3月20日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は Why the Notification is the Most Important Email You Can Send for Growth の抄訳です。
今やマーケットは無数のサービスで溢れており、カスタマーのエンゲージメントを維持するのは難しくなってきています。カスタマーはサインアップし、しばらくの間そのプロダクトを使い、最後には解約をします。解約は以下のようなケースで起こることがあります。
- カスタマーの心をつかみ損ねた場合ーカスタマーがプロダクトのことを忘れてしまった
- カスタマーがアハ体験を得られなかった場合-プロダクトがカスタマーの心を打つことができなかった
通知メールはこのギャップを埋めてくれます。つまり、カスタマーの心をつかみ、アハ体験に近づけてくれるのです。
通知メールはリテンション(継続率、再訪率)に焦点をあてており、カスタマーライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高める最強のマーケティングツールとなり得ます。一般的には、既存カスタマーを維持すること(リテンション)は、新規カスタマーを獲得するよりも低いコストで実現することができると言われています。ハーバード・ビジネス・スクールでは、5%のリテンションは25~95%の利益と等価だと言われています。
通知メールの特徴
1. 高い開封率
通知メールはウェルカムメールについで高い開封率となります。通知メールの内容がアカウントで発生したことに密接に結びついているため、受信ボックス内で目立つためです。
2. 意味のある情報
プッシュ通知と同様、メール通知は以下のような様々なトリガによりリアルタイムに送信されます。
- 新しい友だちやフォロワーができた
- メッセージが届いた
- 投稿に対してコメントが付いた
- プロダクト上で発生するその他様々なアクティビティ
こういった通知はカスタマーにとって意味のある情報を提供するため、カスタマーをプロダクトに引き戻し、エンゲージメントを維持する役割を果たします。
3. ユーザーの見栄
通知メールがリテンション戦略で成功しているもう一つの理由は「ユーザーの見栄」を利用している点です。人は新しいフォロワーやコメント、自身のプロファイルがチェックされたことを確認するのを好みます。
自己陶酔的と思われるかもしれませんが、新しい友だちができたということは、そのプロダクトに戻ってきてわざわざサインインして確認したくなるくらい興奮する状況なのです。既にお気づきかもしれませんが、ソーシャルネットワークはユーザーをサービスに長期間留めておくためにこういった通知を利用しているのです。
Twitterの「新しくフォローされました」メールの狙い
初期のTwitterにおいて、Josh Elman(前任のグロース担当)は、会社の持続的な成長を実現しました。当時、Twitterは新しいユーザーを獲得し続けることができず、ユーザーが長期間サービスに留まってくれるための手法を必要としていました。
活発なユーザーの行動から、Elmanはあるパターンを見つけました。
“フォローしているユーザーが30人を超えたユーザーは程度の差こそあれアクティブであり続ける”
Elmanはユーザーが「持続している」ことを定量化して、ユーザーがそのように行動するようプロモーションをかけました。
Twitter上で誰かにフォローされた時、ユーザーは通知メールを受け取ります。この通知には次の4つの狙いがあります。
- メールからTwitterを思い出してもらう
- ユーザーに新しい誰かをフォローさせる
- ユーザーをプロダクトに引き戻す
- 良いニュースの運び手となることでメールを前向きな体験にする
このメールはシンプルですが、目的が絞られています。新しいユーザーのフォローやプロダクトの使用を促し、リテンションに照準を当てています。そして、「おめでとうございます!あなたは新たにフォローされました!」といった形で、リテンションメールを良いニュースとして表現しています。これはとても賢い手法です。
LinkedInはプロダクトのリテンションを強化するために同様の手法を用いています。「あなたのプロファイルを閲覧した人」通知はプロダクトにユーザーを引き戻し、新しいコンタクトを追加するよう促します。
通知によってユーザーに働きかける行動を検討する
本記事で紹介した通知メールはユーザーにある特定の行動【友達の追加】を促します。通知メールを送信する場合、このように特定の行動を促す方がよいでしょう。ただし、どの行動に焦点を当てるかは難しい問題です。
通知メールで促す行動を選択する前に、カスタマーが【プロダクトへの理解を高め】【価値を得るためにしなくてはいけない】ことを一つ決定しましょう。これは、どうやったらカスタマーが日常的にそのプロダクトを使い始めるようになるか、というところがポイントになります。また、通知メールで促す行動とカスタマーのリテンションの相関を定量化できるメトリックを選択しましょう。