メールアドレスをリアルタイムに検証してハードバウンスをなくす方法
この記事はStop Hard Email Bounces with Real-Time Email Data Verificationの抄訳です。
はじめに:今回のブログはSendGridのソリューションパートナーである Xverifyから、メール検証に関するスペシャリストのKrista Barrick氏より寄稿いただきました。
多くのマーケターは、メールのバウンスに潜む本質的な問題について理解していません。ハードバウンスが起きてしまうと、長期間に渡ってメールが到達しづらくなったり、送信側のレピュテーションに対してもダメージを与えてしまいます。
ハードバウンスを減らそうとする前に「ハードバウンスとソフトバウンスは何が違うのか?」そして「そもそもなぜメールがバウンスするのか?」について、明確にしていきましょう。
ハードバウンスとは何か?
ハードバウンスが起きるのは、決して届くことがないメールアドレス宛てに送信した場合です。一番よくあるのはメールアドレスが存在しないケースです。存在しないメールアドレス宛てにメールを送信すると、「メールが届きませんでした」というメッセージが返ってきます。これは現実世界に例えると、郵便受けが破壊されたとき、誰も手紙を配達できなくなってしまう状況と似ています。
ハードバウンスが起きる原因には次のようなものがあります。
- 実在しないメールアドレス(入力ミスしたメールアドレスも含む)
- 実在するが利用停止または破棄されたメールアドレス
- 退職した社員のメールアドレス
ソフトバウンスとは何か?
ソフトバウンスは、実在する有効なメールアドレスに送信したにもかかわらず、受信側の都合で一時的にメールが届かないときに発生します。SendGridのユーザであれば、ダッシュボード上に「Blocks」と表示されているのを見たことがあるかもしれませんが、これはソフトバウンスを意味してます。なお、ネットワークの不具合が解決したなど、ソフトバウンス発生の要因となった問題が解消すると、遅延した形ですが、通常通りメールが受信トレイへ届きます。
ソフトバウンスが起きる原因には次のようなものがあります。
- 受信側のメールボックスがいっぱいになっている
- メールサーバがダウンしている
なぜハードバウンスはメールの到達性にダメージを与えるのか?
ハードバウンスが発生すればするほど、レピュテーションへ悪影響を及ぼします。身近な例で例えると、クレジットカードで問題を起こすたびに、クレジットの信用枠が減るようなものです。メールサービスプロバイダ(Email Service Provider、以降、ESPと表現)は、ハードバウンスの割合を2%未満に抑えることを勧めています。もしハードバウンスの割合が5%を超えてしまったら、レピュテーションへかなり大きなインパクトを与え、これはESPの信頼性にもダメージを与えます。そのため、既に存在しなくなった宛先メールアドレスを含むような質の悪いデータの利用は、ESPにとっても避けて欲しい行為なのです。
もちろん、ESPはバウンスに対処するテクニックを知っています。でもそれは万能ではありません。たとえば、Webサイトの登録フォームがボットに攻撃されて、勝手に大量のメール送信されてしまった場合、ESPでは対処できません。「バウンスが起きてしまった後の対処法」を考えるよりも「バウンスを起こさない防止策」を考えるほうが有用です。
受信トレイへ確実にメールが届くようにするためには、送信者としての高いレピュテーションが必要です。レピュテーションはスコア(score)という定量的な値で表現され、インターネットサービスプロバイダ(ISPs)は、このスコアを利用して「メールを宛先に届けてよいか?」「信頼できる送信者か?」判断しています。レピュテーションをチェックする方法などについて興味がある方は是非 「レピュテーションを確認する8つの方法」を読んでみてください。
宛先メールアドレスの品質問題を解決する
宛先メールアドレスのデータ品質や収集方法が良くない場合、高い確率でハードバウンスを起こします。誤ったメールアドレスや存在しなくなったメールアドレスがデータに紛れ込んでしまうことはよくありますが、マーケターはハードバウンスが起きるまでデータの誤りに気付くことができません。しかし、こうした問題を解決するツールがあります。そのツールを使えば、メールアドレスをリストに追加する前に、そのアドレスが正しいものかどうかチェックできます。
Xverifyが提供するリアルタイムのメール検証サービスは、サインアップのフォームに直接適用できます。ユーザがWebサイトでメールアドレスの入力ミスをしても、検証によってユーザへ通知することができます。そして、ユーザは自分の入力ミスに気がついてデータを修正します。この方法を使うと、マーケターのリストには最初から有効なメールアドレスしか登録されないため、データの品質が非常に高くなります。
また、既に収集されたメールアドレスに対して検証を適用すると、多くの不要なデータを削除できるため、最終的には時間やコストの節約につながります。古いデータが入ったままのデータベースでは、こうしたクリーニング作業を必ず実施してください。そして、すべてのデータベースを3カ月おきにぐらいクリーニングするようにしましょう。こうすることで、前回までは有効だったけど、現在では無効となったメールアドレスを特定することができます。
まとめ
ハードバウンスはメールの到達率を下げるなど、様々な悪影響をもたらします。もちろん、ハードバウンスはすべてのマーケターが起こす可能性のある身近なものですが、その割合が急に高くなるとメールの到達率は一気に下がります。今回紹介した宛先メールアドレスのデータ品質に関するベストプラクティスは、送信者としてのスコアを維持して、レピュテーションを高めることにつながります。
今からはじめても非常に有用な取組みなので、もしクリーニングをしたことがないデータベースがあれば、今すぐ実施しましょう。ゴミとなったメールアドレスを宛先リストから除外することで、到達率など含め、メールの全体的なパフォーマンス向上を実感できるでしょう。さらに、ランディングページにリアルタイムのメール検証サービスの仕組みを入れて、無効な宛先メールアドレスをマーケターが利用しないような仕組み作りをしましょう。
メール到達率の向上についてもっと詳しい情報を知りたい方は是非SendGrid’s 2017 Deliverability Guideをチェックしてください。