レピュテーションを確認する8つの方法

レピュテーションを確認する8つの方法

この記事は 8 Ways to Check Your Email Sending Reputation の抄訳です。

メール送信者にとって、レピュテーションを高く保つことはとても重要です。
レピュテーション、つまりインボックス・プロバイダから見た”送信者の評価”によって、メールの届きやすさは大きく変わります。では、高いレピュテーションを維持するにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、レピュテーションの重要性を説明するとともに、レピュテーションの改善に役立つツールやTipsなどについて紹介します。

なぜレピュテーションが重要なのか?

レピュテーションが高いと、メールは受信トレイに届きやすくなります。反対に、受信者のスパム報告などによりレピュテーションが低下すると、その後送ったメールは迷惑メールフォルダに振り分けられやすくなってしまいます。

Data & Marketing Associationの報告によれば、送信者の95%が毎日受信トレイを確認しているのに対し、迷惑メールフォルダを毎日確認する送信者は58%程度にすぎません。メールの到達率を最大化するためには、レピュテーションを高く維持することが非常に重要なのです。

では、レピュテーションはどのように決定されるのでしょうか?

レピュテーションに影響を与える要因とは?

レピュテーションにはIPレピュテーションとドメインレピュテーションがあり、それぞれ様々な要因によって決まります。以下は特に悪影響を与える可能性が高いものです。

  • 突発的な大量送信事前準備なく通常を大きく上回る量のメールを短期間で送信している
  • バウンス率:届かないメール(バウンスメール)の割合が高い
  • スパム報告率:受信者が「迷惑メール報告」をする割合が高い
  • エンゲージメント:メールの開封率やクリック率が低かったり、読まずに削除されているメールの割合が高かったりする
  • ブラックリスト:送信元IPアドレスやドメインがブラックリストに掲載されている

レピュテーションを確認できる8つのツール

レピュテーションはそれぞれのインボックス・プロバイダによって算出されており、統一された基準やスコアは存在しません。しかし、レピュテーションの目安を確認できるサードパーティのツールは存在します。

これらのツールは、送信の仕方や受信者の開封実績だけでなく、様々なデータを活用してレピュテーションをスコアリングします。

スコアを確認すれば配信の健全性をすべて把握できるというわけではありませんが、他のデータと組み合わせることで、レピュテーションの問題点を特定するのに役立ちます。ツールには以下のようなものがあります。

1. Sender Score

Validity社によって提供される無料ツールで、0から100までのスコアでレピュテーションを評価します。スコアが高いほど、メールが受信トレイに届く可能性が高くなります。

2. Barracuda Central

IPレピュテーションとドメインレピュテーションの両方をリアルタイムでチェックできるBarracuda Networks社のサービスです。このサービスを活用することで、送信元IPアドレスやドメインからのメールがスパムとして扱われるか否かをチェックすることができます。

3. Customer URL Ticketing System

McAfee社が提供する、ドメインやウェブサイトのレピュテーションを評価できるツールです。詳細なドメイン情報やDNSサーバの調査も可能であるため、より包括的なセキュリティ評価ができます。

4. Postmaster Tools

Googleが提供する無料ツールで、送信元IPアドレスやドメインのレピュテーション、フィードバックループ、配信エラーなど、Gmailアカウント宛に送られたメールに関する情報を得ることができます。

5. Microsoft SNDS

Microsoft SNDSは、GoogleのPostmaster Toolsに似たサービスです。Microsoftのメールサービス(Outlook, Hotmailなど)に送られたメールに関するデータ(迷惑メール報告率、スパムトラップへの配信数など)を取得可能です。

Google Postmaster ToolsやMicrosoft SNDSを用いると、日々送信しているメールに対する大手プロバイダの評価を簡単に知ることができます。

大手プロバイダの評価が下がっている場合、他のプロバイダの評価も下がっていると考えて間違いないでしょう。

Microsoft SNDS

6. MxToolbox

MXToolboxが提供するサービスでは、送信元IPアドレスやドメインがブラックリストに掲載されていないかをチェックできます。ブラックリストへの掲載は送信者のレピュテーション低下に直結し、メールの到達率に大きな影響を与える可能性があります。

ブラックリストに掲載されたからといって必ずしもすべてのメールに影響があるわけではありませんが、そのブラックリストを参照しているインボックス・プロバイダ宛のメールは届かなくなる恐れがあります。

各ブラックリストにはリストから削除してもらうための手続きがあり、通常は掲載された原因に対処したこと(例:侵害されたサーバのセキュリティを強化した、メールの送信方法を是正したなど)を示さないといけません。

レピュテーションは、メールの送信方法やその他の要因に基づいて刻々と変化します。定期的にレピュテーションを確認し、問題があればすぐに対処しましょう。

7. Spamhaus Project

Spamhaus Projectは、スパムやフィッシング、マルウェアなどのサイバー脅威を追跡している国際的な組織です。ブラックリスト(DNSBL)を複数提供しており、多くのISPやメールサーバに参照されています。

8. Talos Intelligence

IPアドレスやドメインのレピュテーションを確認できるCisco社のツールです。Talosは膨大なセキュリティ脅威(スパム、フィッシング、マルウェアなど)のデータベースを有しているため、当該システムにIPアドレスやドメインが登録されてしまうと、メールの到達率に影響を与える可能性があります。

詳細なレポートやスコアを取得できるため、自身の送信がインボックス・プロバイダやセキュリティシステムからどう見られているのかを明確に把握することができます。

レピュテーションは、メール配信の健全性を表す一つの指標

これまで紹介したツールを利用することで、レピュテーションをある程度把握することはできます。しかし、ツールによって得られたレピュテーションのスコアが高くても、必ずしもメールが宛先に届くとは限りません。スロットリング迷惑メールフォルダへの振り分け受信拒否といったリスクは常にあります。

ツールから得られるスコアと以下に推奨するTipsを組み合わせることで、主要なインボックス・プロバイダにおける自分のレピュテーションをより深く理解できるようになります。

1. 統計情報から送信状況の傾向を把握する

統計情報から送信状況(到達率、バウンス率、開封率など)の傾向を把握することは、レピュテーションの改善施策を検討するうえで非常に重要です。レピュテーションはメールが受信トレイに届くか否かに大きく関係しています。たとえば、開封率の低下や迷惑メール報告率の増加は、レピュテーションが悪化傾向にあることを示しています。

逆に、到達率や開封率の向上が見られる場合、レピュテーションが改善傾向にあるのかもしれません。インボックス・プロバイダはそれぞれ独自の基準で運用しているため、プロバイダごとに傾向を注視すれば、効率よく問題解決できるでしょう。

2. ブラックリストを定期的にチェックする

迷惑メール報告の数やスパムトラップへの送信数が増えると、IPアドレスやドメインがブラックリストに載る可能性が高まります。

すべてのブラックリストがメールの到達率に大きな影響を与えるわけではありませんが、ブラックリストに載る件数が増加している場合は、レピュテーションが低下している可能性があります。上記で紹介したツールで定期的に掲載状況をチェックしましょう。

3. 自分自身にメールを送る

異なるインボックス・プロバイダのメールアドレスを複数持っているならば、それぞれにメールを送ってみてください。メールが受信トレイに届くか迷惑メールフォルダに振り分けられるかを観察することは、各プロバイダからのレピュテーションを把握する有効な指標となります。

もしメールが迷惑メールフォルダに届くようであれば、受信トレイに戻すなどレピュテーションが改善する施策を実施し、変化があるか様子を見てください。この方法だけですべてのメールのレピュテーションを推測するのはリスクがありますが、上述したツールの結果などと組み合わせることで、より正確に把握できます。

Twilio SendGridでレピュテーションを改善しましょう

多くの送信者は通常、問題が発生してからこれらのツールを使い始めます。問題に直面して初めて、レピュテーションの重要性に気づくのです。

スコアにかかわらず、レピュテーションを維持するためには積極的な対策が必要です。主要なインボックス・プロバイダと良好な関係を保つためには、メール送信のベストプラクティスを守ることが重要です。
Twilio SendGridは、レピュテーションを管理し向上させるための優れたツールを提供しています。

1. Email Testing

Email Testingは、送信前にエラーを検出することで、安心してメールを送信できるようにサポートする機能です。本機能では以下3つの観点でメールをチェックします。

  • Spam Test:実際にいくつかの主要なスパムチェックツールを通し、ブロックされる可能性のある要素がコンテンツ内に含まれるかを確認できます。
  • Link Validation Test:メール内のリンクにリンク切れや誤ったリンクが含まれていないか確認できます。URLのドメインレピュテーションや、リダイレクトの有無などもチェックすることが可能です。
  • Inbox Rendering Test:メールが各種クライアント、ブラウザ、デバイスでどのように表示されるかを確認できます。

2.Email Address Validation API

Email Address Validation APIは、メール送信前に宛先メールアドレスの有効性を検証できる機能です。この機能を使えば、問題のあるアドレス(誤入力されたアドレスや無効なアドレス、使い捨てのアドレスなど)を事前に宛先リストから除外可能です。

宛先リストをクリーンに保つことで、バウンス率を減らし、レピュテーションや到達率の向上を見込むことができます。

3. Deliverability Insights

Deliverability Insightsは、プロバイダごとの到達率やバウンス率など、送信メール全体のパフォーマンスを把握できる機能です。配信結果を一目で簡単に把握できるため、必要最低限の労力でメール配信改善のヒントを得ることができます。

さいごに

レピュテーションは、常に送信者自身で管理することが大切です。適切なツールやデータを利用すれば、メールがメールボックスでどのように扱われているかを正確に把握することができます。

レピュテーションや到達率についてお悩みであれば、Twilio SendGridをチェックしてください。各種統計機能やメールのチェック機能など、お客様のニーズに沿った機能を提供しています。レピュテーションを高く維持し、確実にメールを届けましょう!

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