なぜ迷惑メール扱いされてしまうのか?

なぜ迷惑メール扱いされてしまうのか?

この記事は Why Are My Emails Going To Spam? の抄訳です。

メールを受信トレイに届けることは、送信者にとって最優先事項です。受信者の目にとまらなければメールの効果は発揮できません。しかし、どんなに経験豊富な送信者でも「受信トレイに届かない」問題に直面することがあります。「送信したメールがなぜ迷惑メール扱いされてしまうのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

メールはコミュニケーションチャネルとして変化・進化し続けています。つまり、送信者は常にそれに対応していかなければならないのです。

迷惑メール扱いされる理由は様々ありますが、同時に解決策も多く存在します。本記事では、迷惑メール扱いされないためのベストプラクティスをまとめました。

なぜ迷惑メール扱いされるのか?

まずは、迷惑メール扱いされる代表的な理由を5つ紹介します。

1. CAN-SPAM法

CAN-SPAM法は、メール送信者が遵守すべき米国の迷惑メール規制法です。商用メールの標準規約を定めたもので、どのフォルダにメールを振り分けるかの判断に大きな影響を与えます。

具体的な内容は以下のとおりです。

  1. 偽りのある、あるいは誤解を招くヘッダ情報を使用しない
  2. 虚偽の件名を使用しない
  3. 商用メールであることを明示する
  4. 差出人の所在地を明示する
  5. メールの配信停止方法を明示する
  6. 配信停止の依頼を受けたら、直ちに対応する
  7. 第三者にメールの作成や配信を委託する場合もCAN-SPAM法を遵守する

これらは米国の法律で定められたものですが、送信者の信頼性を高めるベストプラクティスでもあります。分かりやすく、正確な内容のメールを送信するように心がけましょう。

2. レピュテーション

受信トレイへメールが届くかの重要な要素となるのが、送信者のレピュテーションです。レピュテーションは、メッセージを削除する頻度や迷惑メール報告する頻度など、受信者がどのようにメールに反応しているかを表すものです。レピュテーションは、迷惑メール報告、エンゲージメント、開封率、ブロック率などのいくつかの指標によって決まります。送信レピュテーションについての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

意外かも知れませんが、配信停止リンクやプリファレンスセンターを分かりにくくすると、レピュテーションの低下を招きます。受信者がメールを削除したり、迷惑メール報告したりする可能性が高くなってしまうためです。

配信停止リンクプリファレンスセンターに簡単にアクセスできるリンクを用意することは、顧客体験の向上に繋がります。時には、受信者がメールをもう受け取りたくないと思うこともあるでしょう。でも、それで問題ありません。宛先リストには、あなたのメールに興味がある人だけが登録されていれば良いのです。

3. 宛先リストクリーニングとスパムトラップ

最初は抵抗を感じるかもしれませんが、宛先リストクリーニングは確実にメールの到達率を向上させます。スパムトラップを防ぎ、高いエンゲージメントを確保するために、手動で宛先リストをクリーニングして継続的にエンゲージメントを確認しましょう。

スパムトラップとは、ISPなどがスパマーを特定するために使用するメールアドレスのことです。スパムトラップにメールを送信すると、配信の失敗やエンゲージメントの低下が発生します。これをISPが検知することで、メールアドレス収集のベストプラクティスに従っていないと判断するのです。宛先リストを定期的にメンテナンスし、重複したアドレスの削除や手動で入力されたアドレスの間違いを修正しましょう。

また、予想以上にたくさんのメールが届くと、受信者は迷惑メール報告をするかもしれません。オプトイン時にメールのジャンルや頻度を受信者自身が選択できるようにしましょう。Twilio SendGridの 2019 Email Benchmark and Engagement Studyでも、受信者の多くは購読メールの種類をオプトイン時に選択したいと回答しています。受信者の意思を尊重することで、エンゲージメント率が上昇し、受信トレイに届きやすくなります。

4. 件名

件名は、受信者に良い印象を与える唯一の手段です。つまり、メールを送るたびに開封率やエンゲージメントを高めるチャンスが訪れているのです。

魅力的な件名とは、受信者の興味や関心を惹きつけメールの内容を正確に伝えるものです。

具体的には以下のような件名が良いとされています。

  • 要点が絞られている:短いほど簡潔で良いです。受信トレイで見切れず、受信者の興味を惹きつけられます。
  • クリックベイトが使われていない:本文と関連性が低いセンセーショナルな件名はブロック率の増加につながります。CAN-SPAM法に則って、明解な言葉を使うようにしましょう。
  • 絵文字が少なめ:宛先によっては迷惑メール判定の原因となることがあります。絵文字は控えめに、目的を持って使用しましょう。
  • 創造性がある:メールを送る度に新しいことを試すチャンスがあります。A/Bテストをして受信者の心に響くかを探りましょう。

ベストプラクティスを紹介しましたが、必ずしもすべてのメールであてはまるとは限りません。様々なアイデアを試しながら、受信者が何に反応するかを見極めましょう。

5. 添付ファイル

メールにファイルを添付するのは極力避けましょう。スパムフィルタにブロックされる可能性があります。無害なファイルを装ってマルウェアやウイルスを拡散するのは、ハッカーや詐欺師の常套手段だからです。

どうしても添付ファイルを送りたい場合でも、複数のファイルを添付するのはやめましょう。ファイルを添付するのではなく、Google Driveなどのクラウドストレージサービスにファイルをアップロードし、メールにそのリンクを記載することを検討しましょう。

迷惑メール扱いされないために

ここからは、迷惑メールフォルダに振り分けられないためのおすすめツールとベストプラクティスをご紹介します。宛先リストのエンゲージメントを最大化し、レピュテーションを維持しましょう。

1. 迷惑メール度判定サービスで問題を発見する

迷惑メール度判定サービスを利用して、自分が送信するメールが迷惑メール判定の基準に当てはまっていないかチェックしましょう。サービスによっては詳細な採点理由も確認できます。

また、テストメールを送信し、意図した通りにコンテンツが表示されるかも確認しましょう。もし自分だったらこのメールを受信トレイに残すか、それとも迷惑メールに振り分けるか、のように受信者の視点で考えてください。

2. 送信者認証を設定する

送信者認証は、送信者の身元を保証し、受信トレイにメールが届くようにするための技術です。正当な送信者であることをアピールするために、設定をお勧めします。

送信者認証のひとつにSPFがあります。これは、メールが正規サーバ(=そのドメインからの送信が許可されているサーバ)から送られたものかを確認し、本物のメールかどうかを見極めるものです(SPFの詳細はこちら)。

SPFが未設定だと迷惑メールだと疑われ、メールがブロックされたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりします。Twilio SendGridで独自ドメインからメールを送信する際は、Domain Authenticationの設定を推奨しています。詳しくはこちらをご覧ください。

その他にもDKIMDMARCBIMIといった認証技術があります。これらはそれぞれ異なる強みを持ち、お互いに補完し合う関係です。例えば、DKIMはメールの改ざんの有無を確認できる技術で、BIMIは送信元ブランドのロゴを表示させることで視認性を高める技術です。

3. メール配信サービスを利用する

メール配信専用のサービスを利用することで、送信したメールが迷惑メール扱いされるリスクを軽減でき、レピュテーションの細かい制御もしやすくなります。

メール配信サービスの最大のメリットは、大量のメールを一斉送信できることです。数百人、数千人に一度にメールを送信したい場面にも対応できます。

4. 基本ルールに従う

基本ルールに従いましょう。例えば、宛先リストは購入せず、本当にメールを受け取りたいと考えている宛先のみに送信すべきです。

コンテンツも重要です。本文に誤字脱字や文法ミスがあると、ISPが迷惑メール判定する可能性が高まります。さらに、宛先をセグメント化し、受信者の興味に合わせてメッセージを変更しましょう。

テストメールを送信し、リンクが有効か、画像が正しく表示されているかも忘れずに確認しましょう。併せて最終的な校正も行ってください。チェックリストを活用し、過剰なリンクや添付ファイルなどの不安要素はできるだけ削除しましょう。

Twilio SendGridでメールを送信しましょう

迷惑メール扱いされても、落ち着いて着実に対応するのが大切です。Twilio SendGridを利用することで問題を解決できるかもしれません。

受信トレイにメールを届けるためのベストプラクティスは、2023 Email Deliverability Guideをご覧ください。

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