IPレピュテーション vs. ドメインレピュテーション【入門】

IPレピュテーション vs. ドメインレピュテーション【入門】

この記事は Email Sending Reputation 101: IP Reputation vs. Domain Reputation の抄訳です。

メールの到達率は、以下のような多くの要因によって決まります。

  • 送信者認証がされているか
  • 宛先リストがクリーンに保たれているか
  • 受信者に望まれるコンテンツを送っているか
  • 送信者のレピュテーションが高いか

レピュテーションとは、ISP(Inbox Service Providers)が送信者の健全性を評価するための指標です。適切でないメール送信を繰り返すとレピュテーションは下がり、迷惑メールと判断される可能性が高くなります。

レピュテーションには、IPレピュテーションとドメインレピュテーションの2種類があります。この2つの違いと、なぜ両方に注意を払わなくてはいけないのかについて見ていきましょう。

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IPレピュテーション

メールの送信元を一意に識別するものとして『IPアドレス』があります。IPレピュテーションとは、このIPアドレスベースで送信元を評価する指標です。IPアドレスは、自分が占有する固定IPアドレスと、複数の利用者で共同利用する共有IPアドレスの2種類存在します。大量のメールを送信する場合は、固定IPアドレスを使うのが一般的です。共有IPアドレスを使うと、他の送信者の不適切な振る舞いに影響されることがあり、IPレピュテーションを自社でコントロールできないためです。共有IPアドレスと固定IPアドレスの違いについては、こちらの記事もご覧ください。

ドメインレピュテーション

ドメインレピュテーションは、IPアドレスではなく、送信元ドメインベースの指標です。この指標に則った場合、ISPのフィルタリングでブランド(ドメイン)が優先されるということです。

IPv4からIPv6への移行に伴い、ドメインレピュテーションへの関心が高まりました。ドメインレピュテーションはまだ一般的な仕組みではありませんが、(Gmailが強く支持する)IPv6で必須とされていることもあり、完全にIPv6に移行されるまでIPレピュテーションとドメインレピュテーションを併用するISPが出てきました。

ドメインレピュテーションの意義と注意点

IPレピュテーションは送信者のIPアドレスに紐付く指標であるため、使用するIPアドレスの変更や新規追加、ISPの乗り換えが生じた場合に、都度IPウォームアップが必要になります。そこで、ドメイン全体のレピュテーションを「引き継ぐ、持ち運ぶ」ことができるドメインレピュテーションという指標が登場しました。ドメイン全体のレピュテーションがフィルタリングメトリクスとして用いられるため、これまで築いたレピュテーションが維持でき、新しいIPアドレスのウォームアップは不要になります。

ただし、ドメインレピュテーションでは、レピュテーションが下がったからといってIPアドレスを変更するという方法は使えません。不適切なメール送信をしてしまうと、これまで以上に自身のドメインレピュテーションやブランドに影響します。だからこそ、適切なメール送信の作法に則ることが重要です。

レピュテーションを高く維持し、確実にメールを届けましょう。Email Deliverability Guide も是非ご覧ください。

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