ドメインレピュテーションとその重要性

この記事は What is Domain Reputation and Why is It Important? の抄訳です。

IPアドレスと同様に、送信元ドメインにもレピュテーションがあるのをご存知でしょうか?ドメインレピュテーションは、迷惑メールフォルダに入れるかInboxに届けるかという判断に利用され、近年その重要性が高まってきています。

ドメインレピュテーションによる影響

SendGridでは、トランザクションメールとマーケティングメールを別々のIPアドレスから送信することをおすすめしています。トランザクションメールは、業務上クリティカルなことが多く、届かないと大問題となることが多いのに対し、通常一斉に大量に送信するマーケティングメールは多くのリスクを伴うためです。この方法はメール送信におけるベストプラクティスです。

しかし、もし受信側でIPレピュテーションに加え、ドメインレピュテーションも判断材料にしていたらどうなるでしょうか?送信したマーケティングメールに対し、ネガティブなフィードバックが多く寄せられると、IPアドレスを分けていたとしてもトランザクションメールの到達性に影響が出てしまうでしょう。

対策

具体的な対策の説明の前に送信元ドメインが受信側にどのように見えるか簡単に説明します。

送信元ドメインは受信者に見える差出人のドメイン(ヘッダFrom)だけでなく、メッセージヘッダ内のReturnPathやDKIMのdタグで記載されるドメインもあります。つまり、送信元ドメインを分ける必要がある時には、差出人のドメインを分けるだけではなく、メッセージヘッダ内に表示されるその他のドメインも分ける必要があるということです。

そのため、2種類のメールを送信する場合は、2つの差出人ドメインとそれに合わせてReturnPathとDKIMのdタグを用意する必要があります。難しそうに聞こえますがこれは簡単で、SendGridのWhitelabel設定を使えばすぐに設定することが可能です。

例えば、transactional.mybusiness.comとmarketing.mybusiness.comという2つのドメインからメールを送信したい場合は、それぞれ以下のように設定する必要があります。

送信元ドメイン ReturnPath DKIM dタグ
transactional.mybusiness.com em.transactional.
mybusiness.com
transactional.mybusiness.com
marketing.mybusiness.com em.marketing.
mybusiness.com
marketing.mybusiness.com

何故こういうことが必要なのか?

各ESPは、トランザクションメールを正しく届けたいと考えています。
例えば、レシートや注文確認のためのメールが届かないとなると大問題なので、すぐに対応されるでしょう。しかしそれがメルマガなどのマーケティングメールだとどうでしょうか?もしそれがInboxに届いていないとしても、同様の緊急度で対応されることはまずないでしょう。

トランザクションメールとマーケティングメールで、IPアドレスとドメインを分けることにより、レピュテーションに関するトラブルを未然に回避することができ、また、いざ問題が発生した時にも解決が容易になります。

トランザクションメール、マーケティングメール両方を送っている場合は、本記事を参考に、是非取り組んでみてください。

参考:
トランザクションメールとマーケティングメールの違いとは?
IPレピュテーション vs. ドメインレピュテーション【入門】

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