おさえておきたいメールの基礎用語

おさえておきたいメールの基礎用語

この記事は Industry Standard Email Terminology の抄訳です。

メールの用語は難解なものばかり。略語や意味が似通った用語が多く、正確に意味をとらえるのは難しい…。そんな声にお応えして、メール配信を正しく理解するための主要な用語をまとめました。

メール一般

マーケティングメール(Marketing Email)

ニュースやイベント情報等を定期的に配信するメールの配信形態。メールマガジンなど。

トランザクションメール(Transactional Email)

何らかのアクションをきっかけに、自動的に送信されるメール。ユーザ登録の完了通知、パスワードリマインダ、発送完了のお知らせ、友達リクエスト、など。

オプトイン(Opt-in)

メール受信者の事前承諾のこと。
広告宣伝メールを送信する際は、原則的に、同意を得た受信者のみに配信する「オプトイン方式」を採用しなければならない。

オプトアウト(Opt-out)

受信者による配信停止のこと。
「オプトアウト方式」はメール受信者の事前承諾なしに、送信者から一方的に広告宣伝メールを送る方式を指す。

エンゲージメント(Engagement)

メール送信者/受信者間の関係・信頼の強さを示す指標。
ISPによって、主に受信者の行動をもとに指標化されることが多く、メールの到達率にも影響する。エンゲージメントが上がる行動の例として、メール中のリンクのクリックやメールの転送、逆に下がる行動の例として、迷惑メール報告を出す、開封せずに削除する、といったことが挙げられる。

フィッシング(Phishing)

銀行やクレジットカード会社などを装って、ユーザ名やパスワード、クレジットカード情報、セキュリティ番号といった個人情報を不正に入手する行為。
フィッシングを目的としたメールは、一見すると信用ある送信元から配信されているように見せかけられている。

なりすまし/スプーフィング(Spoofing)

他人になりすまし、受信者を騙してメールを開封させるように仕向ける、偽装メールの技術。
ウイルスなどの悪意のあるプログラムを広めるために利用される。

ヘッダ(Header)

メール本文に付随するドキュメントで、メール自体やその送信経路などの情報を含む。
受信トレイでは、ヘッダの “to”(宛先)や “from”(送信元)が表示される。

バウンス(Bounce)

送信したメールが、何らかのエラーによって送信者に差し戻されること。
バウンスメールには「ハード」と「ソフト」の2種類がある。

■ハードバウンス
永続的なエラーによるバウンス。そのメールアドレスには基本的に届けることができない。エラーの原因としては、メールアドレスが存在しないケースや受信拒否などが挙げられる。

■ソフトバウンス
一時的なエラーによるバウンス。時間をおいて再送信すれば届くことが多い。
エラーの原因としては、メールボックスの容量オーバーやサーバのダウンなどが挙げられる。

配信不能レポート(Non-Delivery Receipt)

配送の過程で何らかのトラブルによりメールが届けられなかった場合に返されるエラーメッセージ。Return-Pathヘッダで指定されたアドレスに通知される。

クリーニング(Clearning)

存在しない宛先や反応のない宛先など、メールを送信すべきでないメールアドレスを宛先リストから削除すること。詳しくはこちら

迷惑メール報告関連

苦情(Complaint)

メールの受信者が、メーラ上で「迷惑メール報告」や「迷惑メールフラグ」をつけること。

フィードバックループ(Feedback Loop)

メール受信者からの苦情(迷惑メール報告など)を、プロバイダが送信元にフィードバックするプロセス。
この仕組みにより、送信元は該当アドレスを宛先リストから速やかに削除することができる。詳しくはこちら

サプレッションリスト(Suppression List)

受信者からの配信停止リクエストや迷惑メール報告などを受けて、メールの配信を停止したメールアドレスのリスト。詳しくはこちら

IPアドレス

IPアドレス(IP Address)

インターネットへの接続デバイスに割り当てられた、固有の番号(例:192.0.2.0 など)。
IPアドレスには、メールが配信される度に割り当てられる動的IPアドレスと、変更されない固定IPアドレスの2種類がある。メール送信者自身が後述の「IPレピュテーション」を管理して到達率を維持するには、固定IPアドレスの利用が推奨される。

IPレピュテーション(IP Reputation)

メール送信者(送信元IPアドレス)の信頼度。
メール送信者のIPレピュテーションが低い場合、送信したメールは迷惑メールである可能性が高いと見なされ、受信拒否されることがある。詳しくはこちら

固定IPアドレス(Dedicated IP Address)

特定のドメインや組織に割り当てられた、IPアドレスやIPアドレス範囲。

共有IPアドレス(Shared IP Address)

メールを配信する際、複数のドメインで1つのIPアドレス(またはIPアドレス範囲)を共有すること。
共有IPアドレスのレピュテーションは、全ての利用者のパフォーマンスの集約に基づいて決まる。

IPウォームアップ(IP Warmup)

メール送信量を段階的に増やし、送信元IPアドレスのレピュテーションを上げ、大量のメールを送信できる環境を整えるプロセスのこと。詳しくはこちら

ドメイン

ドメイン(Domain)

インターネット上の場所を識別するためにつけられる名称(例:example.com)。
コンピュータがアクセスする際には、数字の羅列であるIPアドレスに変換される。

WHOISレコード(WHOIS Record)

ドメインの登録記録。
登録日、登録者、連絡先、有効期限などが分かる。

DNS(Domain Name System)

ドメイン名とIPアドレスを対応させるシステム。
ドメイン名とIPアドレスの紐付け情報のほか、メールサーバのドメイン名や、送信ドメイン認証のための認証情報等を定義することができる。

逆引きDNS(Reverse DNS)

IPアドレスからドメイン名へ変換すること。
DNSを利用してドメイン名からIPアドレスを引くのとは、逆のプロセス。

MXレコード(MX Record)

DNSのMX(Mail Exchanger)レコード。
ドメインごとに、どのメールサーバがメールを受信するかを設定したもの。

ドメインレピュテーション(Domain Reputation)

メール送信者(送信元ドメイン)の信頼度。
IPレピュテーションと同様に、信頼度が低いとメールの到達率が下がる可能性がある。詳しくはこちら

迷惑メール対策

迷惑メールフィルタ(Spam Filter)

受信したメールの内容を機械的に分析し、迷惑メールと判断されるものを、自動的に迷惑メールフォルダへ移動(または削除)すること。スパムフィルタ。
迷惑メールに誤判定されないようにするコツはこちら

迷惑メールフォルダ(Spam Mail Folder)

疑わしい(迷惑メールかもしれない)メールが振り分けられるフォルダ。別名「スパムフォルダ」。

拒否リスト(Deny List)

未承諾メールや迷惑メールを送信するIPアドレスのリスト。
ISPや企業は拒否リストを利用して、違法なメール配信を検出およびフィルタする。代表的な拒否リストは、Spamhaus、Barracuda Reputation Block List など。詳しくはこちら

許可リスト(Allow List)

迷惑メールフィルタを回避してメールを配信できる、信頼できるIPアドレスとドメインのリスト。

スロットリング(Throttling)

特定の送信者から大量にメール送信された場合、一時的に受信制限を行うこと。
プロバイダが行う迷惑メール対策のひとつ。詳しくはこちら

サブミッションポート(Submission Port)

クライアントからメールサーバへのメール送信時に使用される、送信専用の宛先ポート。
迷惑メール対策の一環として使用され、一般的にはSMTP認証と併用される。詳しくはこちら

スパムトラップ(Spam Trap)

迷惑メール業者をあぶり出すためにISPが用意したメールアドレス。別名「ハニーポット」。
スパムトラップとなっているメールアドレスは、(迷惑メール業者がよく使う)メールアドレスの自動収集プログラムでしか取得されないようになっていることが多い。誤ってトラップにはまらないためのコツはこちら

CAN-SPAM法(CAN-SPAM Act)

Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing Act の略。
迷惑メールを規制することを目的として、米国連邦政府が定めた法律。迷惑メールを規制する法律についてはこちら

送信ドメイン認証

送信ドメイン認証(Email Authentication)

メールが正当なサーバから送信されたものかを検証する技術規格。
主な規格としては、SPFやDKIMなどがある。

SPF(Sender Policy Framework)

エンベロープの送信者アドレスを対象とした、送信ドメイン認証方式のひとつ。
送信者アドレスのドメインからDNSを引いて、正規の送信元IPアドレスを取得し、実際の送信元IPアドレスと照合して判定する。詳しくはこちら

DKIM(DomainKeys Identified Mail)

電子署名を利用した、送信ドメイン認証方式のひとつ。
送信側でヘッダに電子署名を施し、受信側で電子署名の照合を行うことで、正当な送信者から送信された改竄されていないメールかどうかを判定する。詳しくはこちら

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)

SPFとDKIMの認証結果からメールの信頼性を判断する仕組み。送信元ドメインの管理者が、認証に失敗したメールの取り扱い方法を決めることができる。詳しくはこちら

インフラ関連

ISP(Internet Service Provider)

インターネットへの接続を提供する組織(インターネット接続事業者)。
多くのISPでは、付加サービスとしてメールサービスを提供する。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)

インターネットを経由して、サーバ間でメールをやり取りするためのプロトコル。
詳しくはこちら

MTA(Mail Transfer Agent)

コンピュータ間でメールを転送するソフトウェア。
MTAはクライアントサーバアプリケーションで、SMTPのクライアント(送信)とサーバ(受信)の両方を実装している。代表的なMTAとして Sendmail、qmail、Postfix などがある。

オープンリレー(Open Relay)

送信元の制限などがなく、誰でも自由にインターネットを通してメールの送信ができるように設定されているSMTPサーバのこと。
オープンリレーサーバは迷惑メールの送信に悪用される可能性があるだけでなく、たいていブロックされるかブラックリストに載ってしまうため、この設定は避けた方が良い。

その他

Webhook

Webサービス上のイベントを、他のWebアプリケーションにHTTPで通知する仕組み。
SendGridでは、バウンスや配信停止リクエストなどが発生した際のイベント情報や、受信したメールの内容を、指定したURLにPOSTすることができる。
詳しくはこちら

これらの用語をふまえた上で、メールの全体像についてはEmail Deliverability Guide をご覧ください。

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