迷惑メール判定を回避するには?

迷惑メール判定を回避するには?

この記事は How to Stop Your Emails From Going to Spam – 10 Tips の抄訳です。

メールが確実に届く方法は科学的に説明できるものではないため、送信者はフラストレーションが溜まりがちになります。正当なメールであっても、宛先リストやドメイン認証の状態などが原因で迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうことがあります。そんな時はSendGridにお任せください!迷惑メール判定を回避するためのお手伝いをさせていただきます。

迷惑メール判定を回避し、受信トレイに届くようにするためには

熟練したメールマーケティング担当者でも、メールが宛先に届かない事態に陥ることはよくあります。
今回は、あなたのメールが迷惑メール判定を回避し、宛先に確実に届くようにするためのベストプラクティスをご紹介します。

  1. 自分の宛先リストを利用する(購入したリストは使わない)
  2. ダブルオプトインを採用する
  3. SPF、DKIM、DMARC、BIMIを利用する
  4. 宛先リストをクリーンに保つ
  5. レピュテーションを監視し、ブラックリストへの掲載を避ける
  6. 法令を遵守する
  7. プリファレンスセンターを設置する
  8. エンゲージメントを監視する
  9. 受信者に関連のあるコンテンツを送る

1. 自分の宛先リストを利用する(購入したリストは使わない)

メールは、ステークホルダーに重要な情報を伝えたり、出荷の確認やセキュリティ警告を行ったりするために欠かせないものですが、受信トレイに届かなかったり、読んでいない相手に送ったりしても意味がありません。以下を避けるようにしましょう。

  • 第三者から購入、レンタル、共同名義で取得した宛先リストの利用
  • パートナーとの宛先リストの共有
  • スクレイピングでのメールアドレス収集 – ボットでメールアドレスを収集する方法はハーベスティングと呼ばれ、このような宛先にメールを送ると迷惑メール扱いされやすくなります。絶対に行わないでください。

メールの受け取りを希望する人で構成された宛先リストを使うことで、エンゲージメントを確保できます。適切な方法で宛先リストを構築することは遠回りに感じるかもしれませんが、長期的には最も効果的なのです。宛先リストを適切な方法で増やし、迷惑メールフォルダに入らないようにする方法については、友人の作り方に学ぶ、宛先リストの増やし方をご覧ください。

2. ダブルオプトインを採用する

健全で持続可能な宛先リストを構築するためには、受信者のオプトインを取ることが重要です。ダブルオプトイン方式では、確認メールウェルカムメールに条件に同意するかのチェックボックスやリンクを配置します。こうすることで、受信者がメールの受信に本当に同意しているかを確認してから宛先リストに登録できます。

以下はSendGrid Blog Digestで採用しているダブルオプトインの実例です。

ダブルオプトインの実例

ダブルオプトインを採用することで、受信者がメールに興味を持っているかが分かり、エンゲージメント率や到達率を高く保つことができます。また、スパムトラップのリスクも軽減されます。送信者と受信者の関係におけるベストプラクティスの詳細については、Email Manners: A Tale of Two Sendersをご覧ください。

3. メールを認証する

メールの認証はややこしいですが、送信者が誰で、正当なメールを配信しているかを示すために重要な鍵となります。認証されたメールはされていないものよりも信頼性が増し、受信トレイに届きやすくなります。

以下4つの認証は、メールが迷惑メールフォルダではなく受信トレイに入る価値のあるものであるとプロバイダーに証明するのに役立ちます。

  • Sender Policy Framework(SPF)は、送信元ドメインのDNSレコードに記載されているIPアドレスと、そのドメインからの送信を許可されたIPアドレスのリストを比較することで、送信者の身元を確認します。SPFについての詳しい説明は、送信ドメインを認証するためのSPFレコードに詳しくなろうをご覧ください。
  • DKIM(Domain Keys Identified Mail)は、メールが送信中に改ざんされないことを保証するためのものです。DKIMの詳細については、DKIMとは?をご覧ください。
  • DMARC(Domain-Based Message Authentication Reporting and Conformance)は、メールを届けるためにDKIMとSPFの両方を使う仕組みです。DMARCの詳細については、DMARCとは?をご覧ください。
  • BIMI(Brand Indicator for Message Identification)は、ビジネスのロゴをメールに付与することで、宛先が視覚的に送信元を確認できるようにするものです。BIMIの詳細については、BIMIとは?をご覧ください。

4. 定期的に宛先リストのクリーニングを実施する

宛先リストとメールの購読者数は、購読解除によって自然に減っていきます。受信を希望しない宛先がリストから削除され、購読者数が減少すること自体に問題はありません。リストの質は、登録数よりもはるかに重要で価値のあるものです。

購読解除は問題ありませんが、一方で届いたメールを無視する人や、迷惑メール報告する人もいます。これらの行為は、送信者のレピュテーションに悪影響を及ぼし、購読希望者にもメールが届きにくくなります。宛先リストは大きさよりも質が大切なので、希望する宛先のみを含むようにしましょう。

リストを定期的にメンテナンスして、エンゲージメントの低下を防ぎ、レピュテーションへの悪影響を防ぎましょう。エンゲージメントの低い宛先、バウンスが発生する宛先、スパムトラップを取り除けば、効果的にリストをクリーニングできます。

宛先リストの中身が入れ替わるのは自然なことです。積極的にリストを整理することで、受信トレイへの到達率が向上します。

5. レピュテーションを監視し、ブラックリストへの掲載を避ける

送信元ドメインのレピュテーションが低下すると、ブラックリストに登録される可能性があります。どんなに慎重で正当なメールを送っている送信者でも、可能性は0ではありません。以下の送信方法を実践すれば、ブラックリストに登録されるリスクを軽減できます。

  • 確実にオプトインを取る、またはダブルオプトインを取るようにしてエンゲージメントを高める
  • サンセットポリシーを導入し、メールを読んでいない宛先を除外する

到達率を監視することで、ブラックリストに登録されていることに気が付きやすくなります。

6. 法令を遵守する

法令を遵守することでメールが確実に届くようになる保証があるわけではないですが、メール到達率向上のために役立つ内容が含まれています。過去20年の間に、インターネットのプライバシーに関する法律は世界中で急増しました。マーケティング担当者やメール送信者にとって最も重要な法律は、CAN-SPAMCASL(Canada Anti-Spam Law)GDPR(General Data Protection Regulation)CCPA(California Consumer Protection Act)です。これらの法律は、すべての商用メールに適用されるため、それぞれが送信者に求めることを確認しておきましょう。

CAN-SPAM法

2003年に制定されたCAN-SPAM法Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing Act)は、悪質な業者を排除することを目的としたものです。送信者に一連の送信要件と基準の遵守を義務付けることにより、受信者のプライバシーを保護するものです。

CAN-SPAM法では、マーケティングメールでは目的を明示し、宛先の意向を尊重して送信プロセス全体を通して透明性を保つことで、虚偽の内容を送らないようにしなければなりません。CAN-SPAM法についての詳細は、迷惑メール防止法に関する5つの誤解とベストプラクティス 〜法的視点から〜をご覧ください。

Canada Anti-Spam Law (CASL)

Anti-Spam Law(CASL)には、CAN-SPAMと同様の役割があり、送信者と受信者の関係をより透明化することを目的としています。CASLは、特にCommercial Electronic Message(CEM)、つまり商用のメールに適用されます。CEMは、「利益の期待の有無にかかわらず、商業活動への参加を促すあらゆるメール」と定義されています。

CASLについての詳細は、【2014年7月1日施行】カナダのスパム対策法をご覧ください。

EU一般データ保護規則(GDPR)

EU一般データ保護規則(GDPR)は、2016年に制定されて以来、多くの人に注目され、近年最も話題になっているプライバシーに関する法律の1つです。その規制はEU諸国全体を対象としており、同地域にメールを送信する人はこの法を遵守しなければなりません。

GDPRは、EU諸国の人々が自身の個人情報をよりよく管理できるようにすることを目的としており、企業に個人情報の使用方法の透明性を求めるものとなっています。EU諸国で活動する企業は、個人情報をどこに、どのように保存し、使用するか、またデータのセキュリティを確保するかなど、この規則の厳格なデータ処理要件を遵守しなければなりません。

GDPRについての詳細はGeneral Data Protection Regulation (GDPR): What Senders Need To Knowをご覧ください。

カリフォルニア州消費者プライバシー法 (CCPA)

カリフォルニア州消費者プライバシー法(California Consumer Protection Act: CCPA)は、上記の個人情報保護法に比べて消費者が自分の個人情報の使用をよりコントロールできるように定められています。しかし、この法律が適用される企業には条件があります。CCPAの対象となる企業は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  1. 事業による年間総収入が2,500万ドルを超える企業である
  2. 年間5万件以上の消費者、世帯またはデバイスの個人情報を購入、受領、または販売する企業である
  3. 年間収入の50%以上が消費者の個人情報の販売による企業である

詳しくはWhat is the California Consumer Privacy Act?をご覧ください。

上記の法令の対象者となる場合、その内容を遵守する必要があり、ある法律の要件を満たしたからといって必ずしも他の法律も遵守できているわけではないことを忘れないでください。

7. プリファレンスセンターを設置する

プリファレンスセンターを使うと、メールの受信者が自分で受信頻度を自由に調整することができます。プリファレンスセンターを提供することで、受信者がいつ、どのようにメールを受け取るかコントロールできるようになり、スパム報告されるリスクを減らすことができます。

プリファレンスセンターの例

プリファレンスセンターを目立つように配置し、簡単にアクセスできるようにしましょう。こうすることでエンゲージメントが向上し、購読を希望する宛先の受信トレイによりメッセージが届くようになります。プリファレンスセンターの使いこなし方については理想的なPreference Center(メールの受信設定)とはをご覧ください。

8. エンゲージメントを監視する

メール送信が順調に行えているかの指標として、エンゲージメントを利用することができます。まずは、基本的な指標を理解することが大切です。
以下の基本的な指標を使うことから始めてみましょう:

  • 迷惑メール報告率
  • 開封率
  • クリック率
  • 到達率

これらの指標のトレースを始めたときに、マイナスの傾向が見つかっても慌てる必要はありません。最も重要なことは、改善のために迅速かつ冷静に対処することです。例えば、開封率が下がっている場合は、件名と送信頻度を見直しましょう。この2つの要素が開封率に最も影響を与えています。

メールをテストする際には、実際のコンテンツと宛先を使用してください。ISPの反応を把握するために少量の宛先への送信でテストしても、完全な分析はできません。ISPごとに評価は異なるので、少ない宛先での結果を鵜呑みにしないようにしてください。大概の場合、こういった方法でのテスト結果は甘いものとなり、送信者に誤った安心感を与えてしまいます。実際の宛先にテスト送信して、宛先がどのように反応するかをより正確に把握するようにしてください。

9. 受信者に関連のあるコンテンツを送る

メール送信の成功の核となるのは、受信者に関連性のある、興味深いコンテンツを送信することです。意味のある送信を行うべきで、メールを送ることが目的になってはいけません。目的のない送信は、エンゲージメントを低下させる原因となり、最も避けるべきことです。送信するメールは受信者の心に響くものでなければならず、そうでなければ無視されたり、最悪の場合は迷惑メール扱いされたりする危険性があります。

メールを送信する前に以下の点を見直してみてください:

  1. 受信者にとって新しい、緊急性のある、関連性のある情報を提供できているか?
  2. 最近、このトピックに関する新情報を提供したばかりではないか?次の情報を送るには早すぎないか?
  3. 宛先リスト全員にこの情報を送信するべきか?特定のセグメントのリストを作成してそちらに送るべきではないか?
  4. 受信者目線でこのメールに価値はあるか?

最適なメールコンテンツを作成するには、試行錯誤が必要です。受信者が望むものを探りながら、自由に新しいスタイルを試してみてください。

受信トレイにメールを届ける準備はできましたか?

メールマーケティングには、メールによって購読層が異なる、購読者ごとに好まれるコンテンツが異なるという特有の課題があります。受信者を深く知るために、上の戦略がヒントになるでしょう。

受信者の立場に立って考えることが、メールマーケティングのスタートラインです。メールのエンゲージメントが高ければ高いほど、迷惑メール判定を回避して受信トレイに届く可能性が高くなりますが、そうなるかどうかはあなた次第です。

メールは常に進化しており、それはベストプラクティスも同様です。Top 10 Tips and Tricks to Stay Out of the Spam Folderをご覧いただき、最新の情報を入手してください。また、メールを届けるためのヒントは、2020 Email Deliverability Guideをご覧ください。

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