効果的なウェルカムメールの実例
- 2025年8月1日
- by SendGrid
- Category: メールマーケティング
この記事は 11 Best Welcome Email Examplesの抄訳です。
ウェルカムメールは、企業が顧客に送るメールの中で特に重要です。多くの場合、受信者が最初に目にするメールであり、ブランドの第一印象を決めるものだからです。
理想的なウェルカムメールとは、次の3つを満たしているものです。
- 登録した理由を思い出させる
- 特典やCTAで関心を引き、行動を促す
- 今後送るメールの雰囲気を伝える
ウェルカムメールは、購読者のロイヤルティを獲得する絶好の機会でもあります。初回購入だけで終わらせず、長期的な顧客になってもらうためには、最初の一通で失敗しないことが何より重要です。
この記事では、ウェルカムメールの役割から、良いメールの実例11選、具体的な書き方や配信タイミングのヒントまで、幅広くご紹介します。
ウェルカムメールとは何か?
ウェルカムメールとは、サービスやメルマガに登録した顧客に対して、最初に送られるメールのことです。会員登録フォームや製品ページ、リード獲得用の資料を通じて登録したタイミングで自動的に送信するのが一般的です。
ウェルカムメールは、新しい顧客に製品やノウハウを紹介するだけでなく、今後の関係を築く第一歩にもなります。スムーズにサービスを使い始められるよう、使い方のヒントやガイドを提供しましょう。
なお、ウェルカムメールと混同されやすいのが「確認メール」です。確認メールは購読の意思があることを確かめるためのものです。メールの目的が異なることに注意してください。
論理・信頼・感情を意識する
アリストテレスが提唱した「ロゴス(論理)」「エトス(信頼)」「パトス(感情)」は説得の三要素として知られています。ウェルカムメールでも、この3つを意識するとより効果的です。
- ロゴス(論理)
初めての利用で不安やつまづきがないように、必要十分な情報を案内しましょう。FAQやチュートリアル動画を添えると親切です。 - エトス(信頼)
ブランドや製品の紹介、実績の提示によって、信頼感や安心感を伝えましょう。実際の顧客の声や有名企業のロゴ、ブランドらしい適切なトーンを使うのもよいでしょう。 - パトス(感情)
登録してくれたことへの感謝を言葉にし、あたたかい印象を残しましょう。SNSやコミュニティへの案内を含めるのも効果的です。
ウェルカムメールの実例11選
それでは、実際に企業から送られた良いウェルカムメールの例を見ていきましょう。
1. 瞑想アプリ「Headspace」
Headspaceのメールは、冒頭で紹介した理想的なウェルカムメールに必要なポイント3つを全て満たしています。
メールのトーンは親しみやすく、公式サイトの雰囲気を踏襲した温かみのあるデザインが使われています。コンテンツも簡潔で、的確です。また、新規ユーザが抱きがちなよくある質問にも答えていて、サービスを使い始める際の不安を軽減してくれています。
さらに、サービス登録後にアプリを利用したことをきっかけに、翌日フォローメールも送られてきました。こうしたオンボーディングにより、ユーザはサポートが行き届いていると感じ、継続的なサービス利用につながります。
2. SNSプラットフォーム「Nextdoor」
Nextdoorも、シンプルながら効果的なアプローチをとっています。アプリを使うための3ステップをウェルカムメールに示すことで、受信者を円滑に誘導しています。
CTAは3つと多めですが、スクロール量や画像の装飾を最小限に抑えることで、読者が迷わないよう配慮されています。
画像は入れれば良いというわけではありません。不必要な画像で読者の注意を逸らさないようにしましょう。
3. プロジェクト管理ツール「Asana」
Asanaでは、2つの工夫が取り入れられています。
まずは、目を引くGIF画像です。Asanaを使ってタスクを完了する様子を視覚的に示しています。これにより、受信者は製品の使い方をより具体的にイメージできます。
もう1つは、メール全体がツールの一部のように感じられるようになっている点です。Asanaの使い方を簡潔に示す3つの説明と、大きなCTA(Get Startedボタン)が配置されています。このようにメールを通じて製品の使いやすさをアピールをしています。
ブランドの世界観やトーンを統一したメールで、ユーザのロイヤルティをより高めましょう。
4. アパレルブランド「Antholopologie」
Antholopologieのウェルカムメールでは、独自のポイントプログラム「Anthro Perks」が紹介されています。送料無料、先行アクセス、誕生日割引など、魅力的な特典が明確に紹介されています。
メインのCTAはメール下部に配置されていますが、メール全体もクリック可能になっています。例えば「new arrivals(新作を見る)」セクションのどこかをクリックすると、Webサイトの「Just in(新着)」に遷移します。これは、メール全文を読まずに離脱するユーザを取りこぼさないための工夫です。
画像にもリンクを設定することで、Webサイトに少しでも簡単に遷移できるようにしましょう。
5. 家庭用品ECサイト「Wayfair」
Wayfairのウェルカムメールは、テキストと画像が左右交互に配置されています。自然と視線が行き来するよう設計されていて、視覚的に興味を引きやすいデザインになっています。
また、さまざまな商品の画像を挿入することで、Wayfairでの買い物を通してどんな顧客体験が得られるかをイメージしやすくなっています。
6. コスメ専門店「Sephora」
Sephoraは、理想的なウェルカムメールに必要な3つの要素が全て含まれています。
冒頭の「It’s nice to meet you(はじめまして)」という挨拶から始まり、お得なオファーや新商品の情報を受け取るために登録したことを受信者に思い出させてくれます。
さらに、誕生日プレゼントが無料でもらえるという魅力的なCTAが、メールへの関心をさらに高めます。
最後のセクションでは、豪華な特典の内容や、それらを受け取れるタイミングが具体的に紹介されています。
7. アウトドア用品店「REI」
REIのウェルカムメールでは、受信者がメールの設定をカスタマイズできるようになっています。
配信頻度やコンテンツの種類を選べる購読管理ページ(プリファレンスセンター)を用意し、受信者が自分の希望に応じてメールを受け取れるようにしましょう。
8. 出版社「Penguin Random House」
Penguin Random Houseのウェルカムメールは、速やかな価値提供で引き込むような構成になっています。
メールを開くと、冒頭からおすすめ書籍が紹介されています。件名の「You’re gonna need a bigger bookshelf(もっと大きな本棚が必要かも)」もユーモアとワクワク感を兼ね備えています。
また、どの本をクリックしたかという履歴をもとに、受信者ごとの興味関心を把握することもできます。
9. 記事投稿プラットフォーム「Medium」
Mediumは「サービスを使うメリットの紹介」と「おすすめ記事の紹介」という2つの要素を組み合わせています。設定方法がそれほど複雑でないサービスであれば、ウェルカムメールで早速具体的な記事を紹介するのは効果的です。
読者はMediumでどんな記事を読めるか分かりますし、運営側も新規ユーザの反応をみて興味関心を把握することができます。
ウェルカムメールでは、すぐに本題に入って興味を引くことが大事です。冒頭で前置きが長くなりすぎないよう注意しましょう。
10. インテリアブランド「Havenly」
Havenlyのウェルカムメールは、CEOからのメッセージをメインコンテンツにしている点が特徴的です。ブランドについて知ってもらう最善の方法は、創業者本人の言葉で語ってもらうことに他なりません。
歴史やストーリーを共有することで、読者はサービスへの興味だけでなく、ブランドそのものへ共感や関心を得やすくなります。
11. サングラスブランド「Knockaround」
Knockaroundは、まず登録特典として15%の割引を提供しています。
そしてこのメールでは、ブランドの背景や、Knockaroundという名前の由来についても紹介されています。さらに、明るくカラフルな画像で、読者を晴れやかな気分へ誘います。
ユーザが最初に目にするウェルカムメールで、ブランドのデザインやトーン、世界観をしっかり伝えましょう。
ウェルカムメールのポイントまとめ
- ブランドイメージを統一する
- Webサイトともトーンやデザインを整えましょう。
- 歓迎の気持ちをはっきりと伝える
- 登録してくれたことへの感謝を受信者に伝えてください。いくらか絵文字を使ってもよいでしょう。
- 短く簡潔にまとめる
- 読者が価値を素早く理解できるように、CTAの数やスクロール量は少なく抑えましょう。
- ブランドの背景を伝える
- ブランドのストーリーを交えることで、顧客のファン化を促進させましょう。
- 画像は必要最低限に
- テキストの内容がしっかりしていれば、画像は控えめの方が効果的です。
- 本題は早めに
- 冒頭で価値を提供し、引き込む構成にしましょう。
- ソーシャルプルーフを使う
- 実績もさりげなく盛り込みましょう。
- CTAは明確に
- 読者が「次に何をすべきか」が明確になるようにしましょう。
ウェルカムメールを送る適切なタイミングは?
メールの購読直後は、ブランドへの関心が最も高まっているタイミングのひとつです。この時期のことを「ハネムーン期」と呼びます。このハネムーン期に良い第一印象を与えることが重要です。
ウェルカムメールは登録直後に送信するのが基本ですが、何通か送る場合は、数日〜数週間にわたって段階的に送るのが効果的です。適切なスケジュールを検討するためには、開封やクリックの状況から、ユーザの離脱や反応が鈍くなるタイミングを把握する必要があります。
以下のような要素についてA/Bテストを実施すると良いでしょう。
- メールの配信間隔(日数)
- 配信する時間帯
- プロモーションの内容や特典
- シリーズ全体のメール通数
エンゲージメントを維持するための送り方
ウェルカムメールは、1通だけでなく2〜3通送ることで、よりエンゲージメントを高めることができます。例えば、2通目で初回限定クーポンを提示し、3通目でその割引率を少し上げるといった段階的なインセンティブ設計をすることで、高いコンバージョン率につなげることができます。
ただし、メールが多すぎると逆効果になることもあります。ユーザによっては煩わしさを感じ、配信停止や迷惑メール報告される恐れがあるため、多くても3通までにとどめるのが良いでしょう。
また、ウェルカムメールを2通以上送る場合、メールがバウンスした宛先を放置せず、配信リストから削除してそれ以降のメールを送らないように注意しましょう。バウンスに対処せずそのまま配信を続けると、送信者の評価(レピュテーション)が低下し、メールの到達率に悪影響を及ぼします。
価値を明確に伝えよう
小売業やEC事業以外の送信者にとっては、お得な特典の提供よりも、コンテンツの価値をいかに伝えるかが重要です。製品の機能や関連情報を盛り込み、ユーザにどんなメリットがあるかを明確に伝えましょう。
段階的に価値を伝える「ウォーターフォール型」のアプローチを使うと、顧客の行動パターンや興味関心を把握することができます。
新規顧客に良い印象を与えるチャンスは1回きりではありません。
- 最初のメールで好印象を与えたいなら、「ご登録ありがとうございます」という感謝の気持ちと、「今後どんな価値が届くか」を伝えましょう。
- 初回のメールで反応がなかった場合は、「なぜ今後のメールを受け取る価値があるのか」という別のメリットを提示しましょう。例えば、導入向けのオファーなどが有効です。
- それでもまだ反応がない場合は、もう一度だけメールを送るのも手です。オファーの内容を強化したり、ラストチャンスであることをアピールしてみましょう。
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ウェルカムメールのベストプラクティスについては、「Email Marketing Best Practices Guide(英語)」もぜひご覧ください。
何よりも、ウェルカムメールは楽しみながら作ることが成功の鍵です!ユニークなアイデアを大切にし、積極的に購読者の関心を引きつけましょう。