迷惑メール判定を回避するには?(後編)
- 2024年10月24日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は 12+ Tips to Stop Your Emails from Going to Spam in 2024 の抄訳です。
前編では、迷惑メール判定を回避する方法についてご説明しました。後編では、さらにメールの到達率を上げる施策や、迷惑メールに関するよくある質問をご紹介します。
なぜメールが迷惑メール扱いされるのか?
「オプトイン・オプトアウトの徹底」「法令の遵守」などを徹底していても、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられたり、開封率が低下したりした経験はありませんか?
その場合、宛先サーバから「グレイメール」だと判断されている可能性があります。グレイメールとは「明らかな迷惑メールではないけれど、受信者は望んでいない」メールを指します。健全な送信者がオプトインを取った宛先に送っているにも関わらず、エンゲージメントが低い傾向にあるのです。
メールがグレイメールだと判断されずに、高い到達率を維持するにはどうすれば良いのでしょうか?
望まれるメールを送る
比較的最近まで、ほとんどのインボックス・プロバイダは、メールを「迷惑メール」と「正当なメール」のどちらかに区別しているだけでした。悪意があるメールや、極めて一方的に見えるメールは迷惑メールフォルダに振り分けられますが、オプトインした宛先であれば受信トレイに届けることができたのです。
しかし、人々が受け取るメールの通数が増加していくにつれて、インボックス・プロバイダは、「オプトインを取っていても受信者に望まれていないメール」は迷惑メールの一部として扱うよう方針を変更しました。これにより、多くの正当なメールが迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうようになりましたが、インボックス・プロバイダは受信者にとって快適なメールボックスを提供することを最優先に考えています。
では、インボックス・プロバイダは、受信者が望むメールとそうでないメールをどのように判別するのでしょう。簡単に言うと、エンゲージメントが全てなのです。
- メールは開封されているか?読まずに削除されていないか?
- 迷惑メールとしてマークされていないか?
- 受信者がメールに返信したり、友人に転送したり、迷惑メールフォルダ以外のフォルダに移動させたりしているか?
GmailやYahoo!などのインボックス・プロバイダは、これらの受信者の行動からエンゲージメントの高さを測っているのです。
送ったメールに対するポジティブな反応が多ければ多いほど、インボックス・プロバイダはそのメールが受信者に望まれていると判断するため、受信トレイに届きやすくなります。
逆に、迷惑メール報告する、未開封のまま大量に放置するといったネガティブな反応が多ければ、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性は高まります。
スパムトラップを避ける
スパムトラップとは不正な送信者をあぶり出すことを目的にインボックス・プロバイダやブラックリスト管理事業者が仕込んだメールアドレスです。誰にも使用されていない無効なメールアドレスなので、送信者がオプトインを取ることは不可能です。
そのため、これらのアドレスにメールを送ると、不正な送信者と見なされることがあります。
不正な送信者の以下のような行為でスパムトラップがリストに混入します。
- 他の不正な送信者からリストを購入または交換する
- 特殊なソフトウェア(スパムボット)を使用してウェブサイトをクロールし、メールアドレスを収集する
- ターゲットとするドメインに対して、info@、support@など一般的なユーザ名(ローカルパート)をあてはめてメールアドレスを推測する
- 無料の製品やサービスを提供して、メールアドレスを取得する
正当な送信者であっても、宛先リストにスパムトラップが含まれてしまうことがあります。意図に関係なく、オプトインを取っていない宛先にメールを送ることは法令に違反します。スパムトラップにメールを送らないためには、以下が重要です。
- メール配信状況を常に監視し、定期的に宛先リストクリーニングを行う
- サンセットポリシーを導入し、メールを読んでいない宛先をリストから除外する
- ダブルオプトインを採用する
これらを怠ると、送信元IPアドレスがブロックされたり、ブラックリストに掲載されたりする可能性があり、メールの到達率やエンゲージメント率に悪影響を与えます。
スパム判定に関するよくある質問
なぜ正当なメールが迷惑メール判定されるのですか?
メールが迷惑メールフォルダに振り分けられる理由は、「低エンゲージメント」「宛先リストのクリーニング不足」「メール認証の設定不足」など様々あります。詳細は「迷惑メール判定を回避するには?(前編)」をご覧ください。
メール認証はなぜ重要なのですか?
メール認証(SPF、DKIM、DMARC)を設定すると、身元の明らかな送信元が正当なメールを送っていることをインボックス・プロバイダに示すことができます。また、BIMIを設定することで、ブランドロゴをメールに付与し、受信者が視覚的に送信元を確認できるようになります。
宛先リストはどのくらいの頻度でクリーニングすべきですか?
頻度は決められていませんが、エンゲージメントのないアドレスやバウンスしたアドレス、スパムトラップは定期的に削除するべきです。関心のない受信者が多数登録された大きなリストよりも、エンゲージメントの高いリストの方が価値があります。サンセットポリシーの徹底を検討してください。
メールが迷惑メールフォルダに振り分けられていることに気づくにはどうしたら良いですか?
以下の兆候がないか注意してください。
- 開封率の低下
- 迷惑メール報告の増加
- クリック率の低下
- 全体的なエンゲージメントの低下
- 受信者からの「メールを受け取っていない」という連絡
メールをより魅力的にして迷惑メールフォルダ入りを防ぐにはどうすれば良いですか?
以下を実施して、メールのエンゲージメントを高めましょう。
- 宛先リストのセグメンテーションとメールのパーソナライズを行う
- 受信者に関連のある、興味深いコンテンツを送る
- 魅力的な件名を検討する
- レスポンシブ対応する
- 明確なCTA(行動喚起)を配置する
送信元のIPアドレスやドメインがブラックリストに掲載された場合、どうすればよいですか?
その場合、以下の対策を講じてください。
- 対象のブラックリストを特定する
- メールの送信方法を見直し、改善する
- 宛先リストをクリーニングする
- ブラックリストからの掲載解除申請を行う
- メール配信の専門家に相談する
Twilio SendGridで迷惑メール判定を回避しましょう
メールマーケティングを成功させるためには、受信者それぞれの好みを理解し、それに沿ったメールを送ることが重要です。
今回紹介した方法は、受信者のニーズに合わせたアプローチをするのに役立つはずです。エンゲージメントが高ければ高いほど、迷惑メールフォルダ入りを避けて受信トレイに届く可能性を高められますが、その状態を維持できるかどうかは送信者の努力にかかっています。
メールの世界は常に進化しており、それに伴ってベストプラクティスも変化しています。毎年更新される「Email Deliverability Best Practices Guide」をチェックして、最新の情報を入手しましょう。