グレイメールの罠:どうして迷惑メールになるのか

50 Shades of Graymail: Why Your Email Ends Up in the Spam Folder

この記事は50 Shades of Graymail: Why Your Email Ends Up in the Spam Folderの抄訳です。

御社は、各送信先がオプトインしたことを確認しながら、こつこつとメールアドレスを収集してきました。あなたは首尾一貫したペースを守り、マーケティングメールを送信しています。あなたのメールは迷惑メールを規制する法律に適合しており、オプトアウトされたりバウンスしたりしたメールアドレスを宛先リストからちゃんと削除しています。

それにもかかわらず、メールが迷惑フォルダに振り分けられている、と購読者から報告を受けました。更に悪いことに、メールの開封率が下がり始めています。でもあなたはスパマーではない!一体どうなっているのでしょうか。

このような時、あなたのメールは、ほぼ間違いなく我々の業界でいうところのグレイメール(Graymail)の状態に陥っています。グレイメールは、厳密にいうと迷惑メールではないのですが、しかし同時に受信者に望まれるメールとも違います。とにかく、いつも望まれるとは限らないメールだと言えます。

グレイメールはほとんどの場合、健全な送信者から既にオプトインしている人々に対して送られますが、受信者のエンゲージメントが低い傾向にあります。

望まれるメールを送る

さほど遠くない昔、ほとんどのインボックス・プロバイダは、メールを迷惑メールか否かに二分しているだけでした。もしもメールに悪意がある、もしくは極めて一方的なメールに見える場合は、迷惑メールフォルダに振り分けられました。一方、受信者がオプトインしたメールであれば、受信ボックスに届けられました。

人々が受信するメールの通数が増加していくにつれて、インボックス・プロバイダは迷惑メールの世界を二者択一でとらえるのは止める必要があり、迷惑メールであるか否かの定義は広げるべきだと気付きました。この試みによって、より多くの「ちゃんとした」メールが迷惑メールフォルダに振り分けられるようになってしまいますが、インボックス・プロバイダのゴールはマーケターにペナルティを課すことではありません。むしろ、望まれたメールだけが受信ボックスに届くので、ユーザはこのメールサービスを使い続けることになるのです。これはとても重要なことです。

では、インボックス・プロバイダは、望まれるメールとそうでないメールをどのように判別するのでしょう。簡単に言うと、エンゲージメントが全てなのです。受信者はあなたのメッセージを開封していますか、それともただ削除しているだけですか。迷惑メール報告をしているでしょうか。あなたのメールに返信していますか、それとも友達に転送していますか、迷惑メールフォルダとは別のフォルダにメッセージを移動していますか。GmailやYahoo! Mailなどのインボックス・プロバイダは、受信者によるこれらの行動を見て、エンゲージメントの高さを測っているのです。

エンゲージメントに関して良い兆候が見られれば見られるほど、それだけあなたのメールは望まれている可能性が高く、受信ボックスに届きやすくなります。逆に、迷惑メール報告がなされる、もしくは数多くのメールが未開封状態のままであるといった悪い兆候はすべて、さらに迷惑メールフォルダに振り分けられる要因になります。

上記のことを念頭に置いて、以下ではグレイメールの世界でうまくやっていくための「技術(ART)」のあらましを述べます。

長所を伸ばす ~ Amplify the positive

あなたが実行していることの中でうまくいっていることは何ですか。他と比べて、ある種のメールが高い開封率やクリック率を実現していたりしますか。常時結果をモニタリングすれば、うまく機能する(しない)施策を見極めることができます。いくつか注目すべきものを挙げておきます。

  • 送信頻度 — キャンペーンの頻度を下げたほうが良い結果が得られませんか。または、たくさん送信したほうが開封率やクリック率が高いですか。(SendGridの2017年ベンチマークリポート(英語)をご覧いただき、御社の送信頻度が同業他社と比べてどの程度なのかを見てみてください。)
  • メールの内容 — 件名や内容にパーソナライゼーションを利用した方が良さそうですか。簡潔なメールや、焦点を絞ったメールの方が良いですか。画像を多く使った方が受信者の反応が良いですか。それとも、その逆ですか。
  • 施策 — フィードバックを返信して欲しいと伝える、また友達とシェアするようにお願いするといった、受信者の良い行動を促すのに成功した施策は見つかりましたか。

短所は減らす ~ Reduce the negative

うまく機能している施策を見極めるのと同時に、結果を監視しながら、うまく機能していない施策やレピュテーションを下げる要因を見極めることも、(少なくとも)同じくらい重要です。良い結果を生まないメールを送信し続けていたら、将来受信ボックスに届けるのがさらに難しくなるでしょう。いくつか用心すべき悪い兆候を示します。

  • 迷惑メール報告 — 受信者がインボックス・プロバイダに迷惑メール報告をしたり、頻繁に迷惑メールフォルダに移動したりする時、インボックス・プロバイダは非常に悪い兆候だととらえます。一般的に、1000通の送信メールに対して1件の迷惑メール報告が発生した場合(0.1%)、インボックス・プロバイダは高い確率であなたのメッセージを迷惑メールフォルダに振り分け始めます。迷惑メール報告の割合が高ければ高いほど、あなたのメールはより迷惑メールフォルダに振り分けられやすくなるでしょう。もし迷惑メール報告の割合が0.1%に到達しているならば、受信者は望んだものとは違うメール、もしくは重要でないメールを受け取っていると思っているかもしれません。
  • エンゲージメントの低い購読者 — ここ一か月の間、全くメールを開封していないユーザに対してメールを送信し続けていませんか。3か月、一年、それ以上送り続けていませんか。エンゲージメントが皆無の人に送信を続けると、インボックス・プロバイダは非常に悪い兆候だととらえ、あなたが宛先リストの質に注意を向けていないとみなします。SendGridでは決まって、過去3~6か月の間にメールを開封しなかったアドレスには、メールを送信しない、もしくは最低でも送信頻度を劇的に落とすように、と提案しています。
  • 受信ボックスの容量不足でブロックされる場合 — エンゲージメントの低いユーザへの送信に加えて、インボックス・プロバイダが間違いなく悪い兆候としてとらえるのは、受信ボックスの容量がいっぱいになっているアドレスへ送信し続ける行為です。もし数多くのメールが、受信ボックスの容量不足でブロックされるのであれば、それはあなたがエンゲージメントの低いアドレスに送信していることを示しています。なぜなら、受信ボックスがいっぱいのユーザは、たいていあなたのメールへのエンゲージメントだけでなく、自分の受信ボックスへのエンゲージメントも低いからです。

チューニングする ~ Tune your program for success

グレイメールの領域に陥らないようにしたにもかかわらず、迷惑メールフォルダに振り分けられるならば、メールプログラムの重要なポイントを定期的に見直した方が良いでしょう。

  • 会員登録の方法 — グレイメールの領域に陥らないためには、メールアドレスを収集する際に今後どんなメールを送信するのかを適切に規定することが、なによりも重要です。メールアドレスを収集する時、あなたが今後何を届けるのかを購読者に知らせていますか。どのくらいの頻度で送信するのかを購読者に伝えていますか。購読者がメールの頻度を選択できますか、またはメールの内容を選択できますか。購読者に確認することなく、マーケティングメールの宛先リストにアドレスを掲載していませんか。
  • ウェルカムメール — 新規登録した時こそが、御社のブランドに対するエンゲージメントが一番高いときです。必ずウェルカムメールを送信(英語)し、自社ブランドに対する信頼を構築する長い道に一歩を踏み出しましょう。このウェルカムメールは、なぜ新規登録したのか、何を想定していたのか、そしてなぜメールを心待ちにしているのかを購読者に再確認してもらう良い機会になります。
  • サンセットポリシー — メールを受信ボックスに届け続けるために、エンゲージメントの無いアドレスに対しては徐々に送信頻度を落とし、そして宛先リストからアドレスを削除することが重要です。エンゲージメントの低い人には今後メールを送信しないというポリシーを決めれば、この過程が自動化しやすいですし、宛先リストを健全に保つことができます。上述の通り、SendGridでは3~6か月の間メールを開封しなかった人を宛先リストから削除することをお勧めしています。このガイドラインは主要なインボックス・プロバイダからもたらされた情報に基づいていますが、サンセットポリシーに関しては、各送信者は異なる状況下にあり違ったニーズが発生します。あなたの状況や業績にとって、適切な引き際はいつなのかを検証し続けることが、成功の秘訣です。ただし、去年メールを開封しなかった人に対してメッセージを送信した方が良いケースも稀にあります。
  • 設定ページ — メールの受信者が受信頻度を選択することができますか。購読者にオプトアウトではなく「オプトダウン」する(受信頻度を減らしたいと意思表示する)選択肢を提供するのは、受信頻度が選べなければ失っていたであろう購読者をつなぎとめる上で、素晴らしいやり方です。オプトアウトは迷惑メール報告よりもましであり、「オプトダウン」はオプトアウトよりも遥かに良い、ということを覚えておいてください。日刊のメールの場合、受信を完全にやめる人よりも、週刊のダイジェスト版を選択する人がいかに多いかに驚くことと思います。

望まれるメールを送信する段階になれば、どんな使えるツールよりもあなたの持つデータが一番強力な武器になります。望まれるメールを送信するというゴールを設定し、目標達成度を測る数値を監視し続けることが、できるだけ多くのメールを受信ボックスに届けるための秘訣です。この数値は、何が機能しているかを明らかにしたり、改善点を見つけたり、メールプログラムを微調整したりする際に役立ちます。

ご自身の配信実績やエンゲージメントの状況を分析する際は、ブログ記事”Why Your Email Delivery Metrics Change, and What to Do About It.“(英語)をご参考になさってください。また、メール配信全般に関する詳細は、ブログ記事「Email Deliverability Guide – メールを確実に届けるために」をご覧ください。