迷惑メール防止法に関する5つの誤解とベストプラクティス 〜法的視点から〜

迷惑メール防止法に関する5つの誤解とベストプラクティス 〜法的視点から〜

この記事は 5 CAN-SPAM Myths & Best Practices: From a Lawyer’s POV の抄訳です。

『法律に関する誤解を正す。』
これは、法律家としての私(SendGrid社相談役兼シニアVP、Michael Tognetti氏)の特技の1つです。この特技は、例えばSendGridオフィスでの何気ない会話の中で、CAN-SPAM法(※)に関する誤った解釈を耳にした場合にも活躍します。

こういった誤解が生じてしまうのは、この法律が甘すぎる(ときには “YOU CAN-SPAM法 = スパム可能法” と揶揄されることも)のが原因ではないかと思うのですが、SendGridやそのユーザが成功するためにはこれに甘んじていてはいけません。

今回はCAN-SPAM法に関する5つの誤解について詳しく取り上げていきますが、重要なのは、ここで紹介するベストプラクティスを通して、この法の精神を理解していただくことです。

誤解1:CAN-SPAM法は、送信するすべてのメールに適用される。

真相
いいえ、実際はそうではありません。法律で定められているのは「広告宣伝を主な目的とするメール」だけであり、適用対象外となるメールもあります。その例としては、パスワードリセットや注文確認メールなど(いわゆるトランザクションメール)が挙げられます。
Gmailでは、メールを「プロモーション」タブに振り分けるかどうかの判定に、配信停止リンクの有無を利用しています。これは時に、トランザクションメールがプロモーションメールとして誤判定されてしまう事態を招き、エンゲージメントやメールの効果を下げてしまいます。

ベストプラクティス
受信者にとってトランザクションメールは「受け取りたい」ものです。トランザクションメールとマーケティングメールは、分けて考えましょう。マーケティングメールを送る場合は、少なくともCAN-SPAM法をよく理解し、オプトインの許可を確実に得るようにしましょう。

誤解2:迷惑メールを送ると、1メールあたり16,000ドルの罰金が課せられる

真相
概ね正しいのですが、正確には「最大16,000ドル」です。
悪質な送信者に対して大きな損害賠償が発生した事例としては、合計で数百万ドルというものがありました。1メールあたり16,000ドルで単純計算すると、損害賠償額290万ドル(連邦取引委員会のValueClickの事例)で、送信した迷惑メールはたった175通ということになってしまいますが、そんなはずはありませんよね。

ベストプラクティス
とはいえ最大で1メールあたり16,000ドルの可能性がある訳で、本当にそうまでして大量の迷惑メールを送りたいと思いますか?また、「連邦取引委員会は本気だ。初犯でも最大のペナルティが課せられる。」ということを世界に示すための広告塔として利用されてしまう可能性もあります。そんな事態にはならないようにしましょう。

誤解3:望んでもいないメールが送りつけられたということで、受信者から「迷惑メールで起訴する」と言われてしまった。

真相
少なくとも現在のところ、CAN-SPAM法には私的訴権がありません。つまり、CAN-SPAM法を盾に、受信者が送信者を起訴することはできない、ということです。CAN-SPAM法第七条を理由に訴訟を起こすことができるのは、連邦取引委員会、一部の連邦政府関連機関、および州検事総長だけです。(合衆国法典 第15編 第7706条 参照)

ベストプラクティス
メールの受信者が起訴できないとすると、誰が起訴するのか?その受信者よりもずっと力のある組織です。彼らは悪質な送信者には容赦しません。
受信を望んでいない人にメールを送信するのは危険です。本当にそんなリスクを冒したいと思いますか?

誤解4:配信停止リンクは、送信するすべてのメールに入れなくてはならない。

真相
そんなことはありません。必要なのは、広告宣伝メールの配信停止方法を明示し、配信停止処理を滞りなく確実に実施することです。

ベストプラクティス
即座にメール配信をストップできる、ちゃんとした配信停止リンクを入れましょう。そんなに難しいことではありません。広告宣伝メールを受け取りたくない人には、それ以上送らなければ良いのです。

誤解5:購入した宛先リストに対しては、メールを送信できない。

真相
もちろんメールを送信することはできます。ただし、やり直しが利かないので慎重に行いましょう。(その時は、以前にオプトアウト(配信停止)していた人がリストに含まれていないか、よく確認してください)

ベストプラクティス
購入リストには2つの問題点があります。

  • 購入リストの中には、すでにオプトアウトしていた人が含まれているかもしれない。
  • これらのメールアドレスがどのようにして集められ、彼らが何を期待しているのか、ということが全く分からない。

また、SendGridでは購入リストを使ったメール送信を禁止しています。

購入リストを使用するというのは最悪の発想です。メールのレピュテーションが即座に低下する可能性があります。

法律上の話はさて置き、上記の「真相」は無視し、「ベストプラクティス」の実施を検討してください。SendGridが成長し続けられているのは、単に法律に従うことだけを考えているのではなく、これらの実施をユーザにも強制しているからです。これと同じことを実施すれば、あなたのメールレピュテーションもどんどん上がっていくでしょう。

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