【2014年7月1日施行】カナダのスパム対策法

【2014年7月1日施行】カナダのスパム対策法

この記事は Canadian Anti-Spam Law: What You Need to Know の抄訳です。

迷惑メールを規制する法律は各国にありますが、このほど2014年7月1日にカナダで Canadian Anti-Spam Law (カナダスパム対策法。以下、CASLと略記) が施行されました。

CASLではあらゆる commercial electronic messages (商用電子メッセージ。以下、CEMと略記)が満たすべき事項や、メールアドレス取得方法について規定されています。どのようなことが書かれているのでしょうか?

CEMとは?

CASLのウェブサイトでは「利益をあげる意図の有無に関わらず、商用活動への参加を促すあらゆる電子メッセージ」と規定されています。CEMの種類としては「あらゆる通信、SMS、ソーシャルネットワーク、ウェブサイト、URLならびにその他のロケーター、アプリケーション、ブログ、VoIP、さらにはその他の将来的に生じるインターネットおよび無線通信」を含んでいます。

これらはメール送信者にどのように影響するでしょうか?CASLはカナダにいる人を保護することを目的にしているので、もしメール受信者の中にカナダ在住者がいればCASLを遵守する必要が生じます。新規ビジネス(今後取引を開始するビジネス)で送る商用メール、および今後オプトインする受信者について、CASLでは以下を遵守するように規定しています。

1) メッセージの送信者を明確に示すこと。

2) メール受信者が送信者にすぐに連絡を取れるようにすること。

3) 以下を満たす配信停止方法を提供すること。

  • メッセージを送信してから60日間機能すること。
  • 配信停止リクエストから10日以内に処理が完了すること。

4) 各宛先ごとに、以下の情報を記録すること。

  • オプトインの方法(紙、ランディングページ、サインアップ、など)
  • サインアップ用ウェブページの例(該当する場合)
  • オプトインした日付
  • 接続IPアドレス(該当する場合)

既存ビジネスで、すでにオプトインしているメール受信者に対しては今後3年間で(2017年7月1日までに)これらの項目を適用する必要があります。

オプトインを事後確認するには再確認メールを送信します。方法など詳しくは以下の記事をご覧下さい。

受信者からの承諾を得る

CASLではCEMを送信する前に受信者から承諾を得るように求めています。メールアドレス提供の際に受信者から明白な承諾を得るために、どういったことに承諾してほしいのか明確かつシンプルに示さなくてはなりません。ただし、次のような場合には黙示の承諾(異議がない限り承諾と見なす)が適用されます。

  • 受信者が業務上の取引先である場合。
  • アドレスがオンライン上に公開されており、かつCEMを受信したくない旨が記載されていない場合。

さらに、次のような連絡やメッセージも黙示の承諾に含まれます。

  • 業務上のメッセージ
  • 相手への返信として出されたメッセージ
  • 見積もり
  • 領収書
  • 安全上の情報(リコール、品質保証)
  • 業務上、継続して送るメッセージ(進行中の購入手続き)
  • サービスのアップグレードや更新
  • 製品の納品

また、黙示の承諾には状況に応じた有効期間があります。

  • メール受信者が顧客にならなかった場合:有効期間は6ヶ月間
  • 顧客が商品の購入や申込をしなかった場合:有効期間は2年間

CASLでは、メール送信者が第三者を介して承諾を得ることを認めています。例えば、メール送信者とパートナー関係にある関連会社や組織からのメールなど、受信者が第三者からメールを受け取るのを認識している場合が該当します。この場合、配信停止リクエストがあった際は、全ての当事者が配信停止処理をしなくてはなりません。

第三者がからむ承諾に関しては、メール受信者が第三者を事前に知っている必要があります。さらにフォローアップメールを送り、承諾を得なくてはなりません。フォローアップメールの注意点は次の通りです。

  • 承諾を得るためにメールを送れるのは1度限りです。
  • 紹介した人のフルネームをメールに記載する必要があります。

CASLに対応するためにやるべきこと

アドレスを収集する際は、いつでも受信者に示せるように、オプトインの証拠を必ず残さなくてはなりません。

次のようなことを確認・検討しましょう。

  • オプトイン情報をどのように、どこに保存するか?
  • どのようなオプトイン情報を保存するか?
  • マスターレコードを誰に管理してもらうか?バックアップは作成するか?
  • メールに記載された連絡先と配信停止方法が最新のものになっているか?
  • プライバシーポリシーが最新のものになっており、CASLに対応しているか?
  • マーケティングチーム(メールを送る部署)はCASLを理解しているか?

さいごに

CASLはカナダ在住者が受信するCEMを対象にしていますが、メール受信者の立場に立つと日本の受信者に対しても遵守したほうがいい項目が含まれています。以下のようなことを守って、受信者から信頼されるメールを送りましょう。

  • 送信者名を明示する。
  • 問い合わせ先を記載する。
  • 配信停止方法を記載する。
  • 受信者ごとのオプトイン情報を保存する。

参考情報

CASLについて詳しくは下記をご覧下さい。