Microsoftのメールサービスで迷惑メール報告が増加している理由

Microsoftのメールサービスで迷惑メール報告が増加している理由

この記事は Why Microsoft Email Spam Reports are Increasing の抄訳です。

Microsoft社は今年、メールサービスやインフラにいくつかの重要な変更を加えました。これらの変更点のうち多くは、バックエンドシステムを改善するもので、送信者にとっては影響のないものです。しかしながら、そのうちいくつかは送信者と受信者に影響を与えるものがあります。

誰が影響を受けるか?

迷惑メール報告(Spam report)のStatsを注意深く観察している送信者(確認することを推奨します)であれば、hotmail.com、outlook.com、msn.comなどMicrosoft社が提供しているドメインからの迷惑メール報告の発生数が急激に上昇していることにお気付きかもしれません。
このような傾向を目にして、あなたのメッセージを好まない受信者が増えているのではないかと心配されている方はご安心ください。多くの送信者が同じ経験をしています。では、なぜこういったことが起こるのでしょうか?理由は、Microsoftのメールクライアントの多くがUIをアップデートしたことにあります。

Microsoft社は「迷惑メール報告(Report Junk)」ボタンをすべてのモバイルクライアントに追加しました。

また、受信者がメッセージを受信トレイから迷惑メールフォルダに移すと、送信元サーバに迷惑メール報告を返す機能をバックエンドに追加しました。これは「暗黙の迷惑メール報告」と呼ばれることがあるようです。
この変更は非常に大きな影響を与える可能性があります。なぜなら、Litmusによると全メールのうち54%がモバイルデバイスで閲覧されているからです。このことは、これまで迷惑メール報告のうち54%が潜在的に報告されていなかった可能性があることを意味します。

対処法は?

送信者はこの変更の結果に対してすぐにアクションを取る必要はありません。恐らく、Microsoftの迷惑メールフィルタは以前から迷惑メールフォルダへの移動に関するフィードバックを検知していたと考えられます。今回唯一の変更点は、このフィードバックを送信元サーバに通知するようになったということです。
これに対して送信者が行うべきことは、データを収集することです(Forward Spam機能を利用したり、Event Webhookで迷惑メール報告イベントを収集したりするなど)。
既にこういったことを実施しているということであれば、迷惑メール報告イベントに含まれるデータの内容を確認して、メールプログラムを改善できないか検討してみましょう。
迷惑メール報告が多いキャンペーンやメール送信処理を探して、その理由について検討してみましょう。以下のような状況に陥っているかもしれません。

  • 受信者にとって無関係なコンテンツを送信している
  • 受信者の期待に沿えていない
  • 送信頻度が高すぎる

どんなケースであれ、迷惑メール報告の傾向をトラッキングすることは健全なメールプログラムの構築と維持にとって重要です。賢い送信者は、受信者体験の改善や、メールマーケティングをより効果的にするために、迷惑メール報告データを活用しています。
最新の情報についてはEmail Delivery Best Practice Guideをご覧ください。メールが迷惑メールフォルダではなく、受信トレイに入るための一助になるでしょう。

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