迷惑メール度判定サービス 「MailGenius」のご紹介
- 2022年2月17日
- by 青木大将
- Category: ベストプラクティス 技術ネタ
迷惑メール度を判定してくれるサービスとして、これまでに「mail-tester」と「GlockApps」を取り上げてきましたが、今回は「MailGenius」をご紹介します。ユーザ登録不要で気軽に利用できるので、ぜひ皆さんも本記事を参考にお試しください。
概要
MailGeniusが指定するアドレス宛にメールを送信すると、様々な観点でチェックを行い、このメールが迷惑メールとして扱われてしまう危険度を100点満点で評価してくれます。
チェック項目ごとの詳細な採点理由を確認できるので、改善点を明確に洗い出すことができます。MailGeniusのチェック内容は以下の通りです。
- SpamAssassinによる評価結果
- 認証設定の適用状況
- メールのフォーマット(件名、コンテンツなど)
- 主なブラックリストへの登録状況(送信元IPアドレス、送信元ドメイン)
- メール本文内のリンクの有効性
使い方
使い方をご紹介します。利用にあたってユーザ登録の必要はなく、無料で利用できます。
まずは「https://www.mailgenius.com/」にアクセスして、チェック用の宛先アドレスをクリップボードにコピーします。
コピーした宛先アドレスに、評価対象となるメールを送信します。今回は、Domain Authentication設定を行っていないドメイン(※)から、Web APIでメールを送ってみました。
※ この場合、ヘッダFromとエンベロープFromのドメインが一致しない状態でメールが送られます(詳細はこちら)。
メールを送信したら「SEE YOUR SCORE」をクリックします。
しばらくすると判定結果が表示されます。画面左上に100点満点のスコア(今回は90点)、画面下部にチェック項目ごとの採点理由が表示され、エリアを展開すると詳細情報を確認できます。
それでは、採点理由で示された指摘に従ってスコアを改善していきます。
今回は、DMARCおよびDKIMの設定とメールのフォーマット(コンテンツ)に問題があると判断されたようです。
「DMARC」項目の判定結果の詳細を確認します。
DMARCレコードだけでなくSPFやDKIMの設定にも問題があることがわかりました。
そこで、「Domain Authentication」設定を行い、SPFおよびDKIMの認証に利用されるドメインとヘッダFromのドメインを一致させ、DMARCレコードも追加しました。DMARCレコードの登録を支援する機能はSendGridにはありませんが、設定を行う際にはぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
SPF、DKIM、DMARCの設定が完了したので、もう一度同じ手順でメールを送信し結果を確認してみます。
90点から98点までスコアが改善しました!(残り2点については、SendGridのトラッキング用URLの長さが120文字を超えていたため「HTML Body Best Practices」項目で減点されたようです。)
さいごに
今回は、mail-testerやGlockAppsに並ぶ迷惑メール度判定サービスとして、MailGeniusをご紹介しました。
これら3つのサービスを比較してみます。
- 判定結果の内容
MailGeniusおよびGlockAppsではmail-testerよりも詳細な判定結果を確認できるため、これら2つのサービスはより深く改善点を洗い出したいユーザに向いている印象でした。メールボックスプロバイダごとの到達率を確認したい場合は、GlockAppsの利用をお勧めします。 - 無料枠での利用回数上限
mail-testerでは1日3回、GlockAppsでは計3回までといった利用制限があるのに対し、MailGeniusには制限がなく、より気軽に利用することができます。 - ドキュメントの充実
MailGeniusは各チェック項目に関するドキュメントが充実しているため、スコア改善のヒントになるのではないかと思います。
ご自身のメールの問題点を改善するための検証ツールとしてとても便利なサービスなので、ぜひMailGeniusをお試しください!