ブラックフライデーとサイバーマンデーのデータ (2017年版)

ブラックフライデーとサイバーマンデーのデータ

この記事は 2017 Black Friday and Cyber Monday Data! It’s Straight fire! Winky Face. の抄訳です。

昨年末もまた、ブラックフライデーとサイバーマンデーの熱狂が過ぎ去って行きました。事前に適切な準備を行い、着実にマーケティング戦略を実行した皆さんが、売り上げ記録という名の戦利品を勝ち取ったのです。(白髪の一本や二本は増えたことでしょうけど)

どういったマーケティングイベントであれ、次回のホリデーシーズンに向けて、データから可能な限り多くを学ぶことが重要です。ではSendGrid 側の視点からは何が見えてきたのでしょうか。何らかの確たる証拠は得られたでしょうか。何より、既存の仮説やセオリーにおける課題のようなものはあったのでしょうか。さあ、昨年末のブラックフライデーとサイバーマンデーにSendGrid を経由して送られたメールのデータを調べてみましょう。

件名の長さ

キャンペーンメールを受け取ったお客様が最初に目にするものはなんでしょうか。良好な配信到達性を備えているとしたら、それは件名でしょう。

私は、読者の目を引くためにとても長い件名のメールを送る人を多く見てきました。事実、件名の長さの平均値は2016年の7.4単語から8.1単語へと増加しています。

件名の長さの平均値は2016年の7.4単語から8.1単語へと増加

長い件名の具体例を紹介します。 「こんにちは太郎さん、先月ご覧になったデンバー・ブロンコス(デンバーが本拠地のNFLチーム)の新作Tシャツがお買い得です。チェックしてみてください!」(ちなみに今年のデンバー・ブロンコスの成績は散々たるものだったので、戦慄が走りました。)

ここSendGridでは、最もよく使われていた英語の件名は7単語でした。これは日本語で言えば「花子さん、ブロンコスの新作Tシャツがお買い得です」のような感じです。

実際のところ、短い件名のほうが受け手と良好なエンゲージメントを築きやすいのです。

最も高いエンゲージメントにつながっていたのはたったの4単語の件名であり、件名が長くなるにつれて開封率が下がっていました。

ここで覚えておくべきことは、短いほうが良い、ということです。そう、できればパーソナライズして、でも核心を突いた件名にしましょう。

受信ボックスがあふれそうで、どのメールを読もうか決めかねている時、読者は速読のプロになります。7単語だって?! そんなの読む暇ないよ。

年間を通じて完璧な件名をつけるために、メールマーケティングの件名で考慮すべきこと、やってはいけないこと を研究してみてください。

件名にブラックフライデーと書くこと

スペースは貴重ですから、大切なセールを受け手に知らせたいときは「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」といった言葉を使う、そうでしょう?「サイバーマンデー開始!」のように。でも、これは間違っています。

事実、件名にブラックフライデーやサイバーマンデーといった言葉を含めると、軒並みエンゲージメントが低いことが判明しました。

これらの言葉を含む件名は約18%で、去年の11%を上回っています。件名にこのような言葉を使った場合、使っていないものと比べて開封率が5ポイント以上下がっていました。なので、この事実を口実にしてクリエイティブになりましょう。

ユーザーと最良のエンゲージメントを築ける件名を調査して、今度はそれを使いましょう。

件名で割引きに言及すること

元来ブラックフライデーとサイバーマンデーはどのように認知されているのでしょうか。大幅な割引き、バーゲンセール、値引き競争などでしょう。でも、私たちが提示したデータで最も興味深いところは、具体的な割引き率に触れたキャンペーンよりも、触れていないものの方が開封率にして最大6パーセントも良かったという点です。この差は小さくありません。

「何パーセント引き」と書くと受け手に迷惑メールだと思われてしまうからでしょうか。本当のところは分かりません。たぶん受信者は、送信者が自分の好き嫌いや興味の対象を知っていると過剰に期待しているのでしょう。あるいは、この時期にとてもたくさんのメッセージを受け取って、それらがごちゃまぜになっているのでしょうか。

さらに、件名に「何パーセント引き」といった文言を入れた送信者の割合は15%で、2016年の8%と比べておよそ2倍です。そして、20%はごくありふれた値引きを提示しているだけでした。ですから、もし仕方なく「何パーセント引き」とはっきり言うことになったら、際立って異常な値引き率にすれば目立つかもしれません。

ここでの興味深い教訓は、強気の値引きを提示しても、メールを開封してもらうためには今ひとつ説得力に欠けるということです。

「ディスカウント」とすることによるエンゲージメントの低下

その他、データから判明した面白い事実としては、

  • 件名に「間もなく」「間近」などを含んだメールの開封率は19%で、「今」「現在」などを含んだ場合は15%だった
  • 「あした」では開封率が18%だった
  • 「今日」だと開封率が15%だった

などがありました。

こういった言い回しの微妙な違いは、受信ボックスのあふれ具合や受信者がプロモーションの特典を狙う時間をはかる指標になるかもしれません。 今回あったような1時間毎に行われるセールを思い出せば理解できますね。(あなたのことを言っているんですよ、アマゾン・プライムさん。)

受け取った後すぐにメールを読むことができなかったら、メッセージを読まずに右から左へ受け流す、というのは十分あり得る話です。 急ぎのメールでないならば、受信者はまだ特典が得られるかもしれないと思うでしょう。ですから、極めて時間にセンシティブなプロモーションでない限りは、受信者を急かさないようにしましょう。

件名に絵文字

ハート、ファイヤー、ウィンク、星。3.6%とごく少数派ですが、まだ件名に絵文字を入れる人がいます。そしてそんなことをすると、言葉で書いた件名と比較して、開封率が約2%、極めて顕著に落ちます。

私は上から目線で説教したくはありません。もしあなたが過去に絵文字の利用を調査していて、ポジティブな反応を得たのであれば怒ってもらって構いません。でも私個人としては、お客様の面前でメッセージを伝えられるのであれば、その機会を利用してキャンペーンの価値を伝えるべきであって、決してキャンペーンが「ファイヤー」だと思っているなんて伝えるべきではないと思います。

絵文字の利用調査

ビックリマークを取り除け!!!!!

最後に、件名の句読点はとても重要です。「きょう、ふのみそしる(今日、麩の味噌汁)」と「きょうふの、みそしる(恐怖の、味噌汁)」の違いのように。では、エキサイティングな緊急バーゲンセールの情報を送るとき、ビックリマークよりも優れた句読点なんてあるのでしょうか。実は句読点は入れない方が良いのです。しかし2017年、マーケッターはもっと沢山の句読点を使っていました。

2017年のブラックフライデーの一ヶ月前、2016年よりも件名にビックリマークを使う可能性が高いと答えた送信者は50%にものぼりました。

皮肉なものですが、これは激増です。昨年9月の時点では、およそ21%の件名にビックリマークが含まれており、ブラックフライデーの週になるとその率は31%まで上昇しました。

結果はどうだったでしょう。ビックリマークなしの件名に対して開封率に2%以上の差が見られました。(ビックリマークありの開封率は14.0%で、ビックリマークなしの開封率は 16.2% でした。)

まとめ

上で示したことは何を意味しているのでしょうか。要するに、お客様を知りましょうということです。マーケッターはお客様に対して、何を、どのように、いつ、どのくらいの頻度で送るかを知る必要があります。お客様を知るただ一つの絶対に確かな道は、結果に基づき繰り返し施策を立て、それをテストすることです。

もし、上記のようなテスト戦略に興味をお持ちでしたら、Your Top Email A/B Testing Questions, Answered (英語) をチェックしてみてください。

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