どんな時にAMPメールを送るべきか

どんな時にAMPメールを送るべきか

この記事は When You Should (and Should NOT) Use AMP for Email の抄訳です。

頼りにはなるし必要だけれど、ちょっと陳腐で目新しさがないというのがメールに対する正直な印象かもしれません。こちらの記事でも、「メールの利用が拡大してきたにも関わらず、受信者側の体験はほとんど変化することはなく」と述べています。

AMP for emailは、そんなイメージをちょっとだけ変えることになるでしょう。

AMP (Accelerated Mobile Pages) はモバイルページの表示を高速化するための技術で、これを使えば動きのあるメールを届けることができます。この技術はHTML、CSS、JavaScriptを組み合わせて動的なコンテンツを提供するものです。2016年にGoogleによってWebページのためのAMPが最初にリリースされ、その後2019年にEmailのためのAMPが登場しました。これにより、メールを扱うエンジニアやマーケターがWebページのAMPと同様の機能をメールにも適用できるようになりました。目的は同じで、メール内の動的なコンテンツを素早く表示させること(そしてあわよくば、受信者のエンゲージメントを高めること)です。

もしキャンペーンメールやトランザクションメールでAMPを試してみたいと思っているなら、この記事で活用例やAMPを使う前に考えるべきこと、その他ベストプラクティスについて学んでください。

AMPで実現できること

AMPを用いれば、受信者に以下のような洗練されたメール体験を提供できます。

  • 画像のカルーセル表示:アパレルブランドやB2CのEC事業者にとっては、複数の商品を表示するのにスクロールが必要な長いメールを作らなくて済みます
  • 動的なフォーム:AMPフォームとも呼ばれますが、これにより受信者は別のWebページへ遷移することなくメール内に置かれたフォームに回答できます。簡易的なアンケートや状況の把握、イベントへの参加確認などをするのにぴったりです。
  • 予約の確認、キャンセル、変更:レストラン、美容室、エステなどの業種なら、予約の確認・キャンセル・修正を本文の中でできるAMPメールを送るのが良いでしょう。

その他サポートされている機能の一覧は、AMPのGitHubリポジトリを参照してください。

AMPを使うべきか?

AMPを用いたメールキャンペーンを構築する(あるいは構築を開発者に依頼する)なら、まず下の質問を自分自身に問いかけてみてください。

AMPメールで動的なコンテンツを提供することで、より良い価値を受信者に提供できるのか、それとも単に受信者を戸惑わせるだけなのか ― 受信者を戸惑わせるリスクが少しでもあるなら、AMPを使うのはやめておきましょう。例えば、ブログ記事をいくつか紹介するだけの週次のニュースレターに、AMPの機能を積極的に組み込む理由は見当たりません。

送信するメールのコンテンツに期限はあるか ― もし期限日が設けられたプロモーションのメールを送るなら、送信後も最新の内容だけ表示できるAMPの利用価値はあるかもしれません。

目新しい技術が使えることを同僚や上司にアピールしたいだけではないか ― ちょっと誇張しましたが、でもあらゆる場面で新しい技術を使う必要はないことに留意してください。既にメールの受信者が十分良い反応をしてくれているのなら、骨折り損のくたびれ儲けに終わるだけかもしれません。もちろんAMPを使わないことを勧めているのではなく、現状のメール配信に確かな価値を付加できるかきちんと見極めてほしいということです。

AMPの始めかた

皆さんの送るメールがAMPの恩恵を受けられそうで、しかもESPもAMPメールをサポートしているなら、以下の定型コードを理解することから始めましょう。

定型コード

AMPメールのドキュメントを読めば、利用したい機能ごとに手順を一つずつ学ぶことができます。例えば、画像を挿入するには<img>タグの代わりに<amp-img>を使うことになります。

機能検証のプロセスでは、GoogleのAMP playgroundを利用して書いたコードをテストしてみてください。

おわりに

AMPは従来のメール体験を拡張し、顧客とインタラクティブにやりとりできる画期的な技術です。ただし、新しい技術や活用法を試す時には、常にテストを怠らないことが重要です。A/Bテストを行って、受信者がインタラクティブなメールにどれぐらい興味を示してくれるか調べましょう。

AMPメールは多くの送信者にとって魅力的な選択肢となり得ますが、必ずしも皆さんの配信するメールに最適だとは限りません。最新の技術とはいえ不必要に着飾るよりは、シンプルでも良い反応が得られるメールを送るべきです。

AMPメールを試す際は、短期的に達成可能なゴールを設定することを心がけ、メール到達率をつぶさに見守りましょう。到達率を最大限高めるために、Email Deliverability Guideもご覧ください。

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