プレーンテキストメールとは?HTMLとの違いやメリットも解説!
この記事は What is a plain text email (and how to use it)? の抄訳です。
プレーンテキストメールと聞くと、どのようなメールを思い浮かべますか?プロジェクト関連のハイパーリンクを埋め込んだ、上司宛の短いメールでしょうか?それとも、子供の写真を載せた、友人宛のメールでしょうか?これらのメールはシンプルですが、プレーンテキスト形式ではありません。
本記事では、プレーンテキストメールとは何か、マーケティングにおけるメリットは何かについて解説します。
プレーンテキストメールとは?
プレーンテキストメールは、テキストのみで作られた最もシンプルな形式のメールです。ハイパーリンクや画像、ボタン、装飾(太字や下線)付きのテキストなどは利用できません。
プレーンテキスト vs. HTML
以下に、プレーンテキストメールとHTMLメールの特徴と例をそれぞれ示します。
プレーンテキストメール
上述の通り、テキストのみで構成されたメールです。
視覚的に情報を伝えることが難しいため、作成時には工夫が必要です。内容は簡潔で分かりやすく、段落間に空白行を入れるなどして、文章を読みやすくしましょう。
HTMLメール
Gmailのプロモーションタブに振り分けられたメールを見てみてください。多彩な画像が段組みでレイアウトされたメールや、色、フォント、ボタンなど、見た目が工夫されたメールが見つかるでしょう。これらはHTML(Hyper Text Markup Language)というウェブサイトを構築する際に使われる言語で書かれたメールです。
HTMLメールではウェブサイトと同様、以下のような表現やレイアウトが可能です。
- 段組み
- ハイパーリンクやボタンの挿入
- 太字、斜体、下線などの文字装飾
- 箇条書きや番号付きリスト
- 文字色や背景色の変更
- 画像の挿入
以下のTwilioの消費者意向調査レポートのメールでは、様々な色や画像、CTAボタンが使用されており、適切にデザインされた良いHTMLメールの例と言えるでしょう。
プレーンテキストメールのメリット
HTMLメールの方が豊かな表現が可能なのに、プレーンテキストメールを利用する意味はあるのか?と疑問に思う方がいるかもしれません。しかし、プレーンテキストメールには、シンプルだからこその重要なメリットがあります。
- あらゆるデバイスで表示できる
プレーンテキストメールの場合、どのデバイスでも見え方は変わらないため、レスポンシブ対応は不要です。また、Apple WatchやIoTデバイスなど、HTMLに対応していないデバイスでも表示できます。 - 読み込みが速い
高解像度の画像やGIFアニメーションなどを含むHTMLメールとは異なり、プレーンテキストはファイルサイズが小さいため、すばやく読み込むことができます。 - アクセシビリティに優れている
プレーンテキストメールは音声読み上げソフトがテキストを正確に処理しやすいため、目の不自由な方にも重要な情報をわかりやすく伝えることができます。 - 到達性の向上が見込める
ISPはプレーンテキスト形式で送信されたメールを好む傾向があるとされています。そのため、メールが受信トレイに届く可能性が高くなります。
プレーンテキストメールをマーケティングに活用するには
プレーンテキストメールは、以下の画像のように、領収書や注文確認といったトランザクションメールとして利用されることがほとんどです。これらはエンゲージメントの向上を目的としたものではなく、サービスを使用した記録を残すことが目的です。
プレーンテキストメールがマーケティング目的であまり使われない理由は、エンゲージメントの追跡が難しいためです。リンクに追跡用のパラメータを付けるとURLが長くなり、見た目が悪くなるため、クリック率が低下する可能性があります。そうすると、誰がどのコンテンツに関心を持っているかを正確に把握できません。
しかし、ブランドによってはプレーンテキストメールが適していることもあります。例えば、バックパッカー向けのビジネスを行う会社であれば、顧客が山中など電波の届きにくい場所にいる可能性を考慮し、データ容量の少ないプレーンテキストメールを送ったほうが良いでしょう。
プレーンテキストメール風のHTMLメール
マーケターがよく使うテクニックの一つに、HTMLメールをプレーンテキストメールのように見せる方法があります。コンテンツは簡素化して視覚的要素を極力省き、リンクも1~2個しか挿入しません。
このようなメールには実際に人が書いたような温かみがあるため、顧客のエンゲージメントの向上に効果的です。例として、Neil Patelが送信した以下のシンプルなメールをご覧ください。マーケティングメールではなく、友人や同僚から送られてきたメールのように感じられます。しかも、実際はHTMLメールなので、クリック率の測定などは可能です。
プレーンテキストメールを作成する方法
大抵のメールクライアントは、設定で簡単にメール形式を変更可能です。例えばGmailの場合、メッセージの作成時にプレーンテキストとHTMLを切り替えることができます。
メール作成画面のツールバーの右側にある三点リーダーをクリックし、「プレーンテキストモード」でON/OFFを切り替えてください。
メールサービスプロバイダ(ESP)をご利用の場合も、プレーンテキストメールを送信できます。たいていのESPは、プレーンテキストメールとHTMLメールの両方を含む「マルチパートメール」に対応しています。どちらのメールを表示するかは受信者側の設定次第です。
ただし、プレーンテキストメールは多くの場合、受信側で自動的にHTMLに変換されてしまいます。Twilio SendGridから送信するメールが自動変換されるのを回避したい場合は、APIリクエストの「content-type」を「text/plain」に設定してください。これにより、メール本文がプレーンテキストであることを明示でき、受信側で自動変換されなくなります。
プレーンテキストとHTMLのどちらを選ぶべきか
多くの人にとっては、HTMLメールの方が好ましいでしょう。魅力的なメールを作成するための選択肢が豊富なうえ、エンゲージメントの測定もできます。
しかし、プレーンテキストにも、読み込みが速い、受信トレイへの到達性が高まるなどのメリットがあるため、一概にどちらが良いと断言することはできません。
最も良い方法は、実際に顧客にメールを送信して反応を見ることです。どちらの形式のメールが好まれるかを確かめ、顧客に合った形式でメッセージを届けましょう。
SendGridには、トランザクションメールからマーケティングメールまであらゆる種類のメール配信に適した機能が揃っています。プレーンテキストメールとHTMLメールを同時に送るマルチパートメールの送信も可能です。ぜひアカウントを取得してお試しください。