SendGrid 5年間の成長を振り返って

SendGrid 5年間の成長を振り返って

この記事は Looking Up: 5 Years of Scaling Our Technology and Our People の抄訳です。

SendGridは今年創設以来5年を迎え、その間に2700億通を超えるメールを送信してきました。本記事では、私(Tim Jenkins、SendGrid社CTO、Co-founder)がその経験を通して学んできたことを共有したいと思います。

Design For Failure – 耐障害性の高い設計 –

開発当初は、ある機能が正しく機能するようになるまで集中して取組み、完成したら次の機能へ、という進め方をしていました。しかしこれは大きな間違いだったと後から気づきました。規模が小さいうちは問題ありませんが、毎分何百万ものメッセージを処理するようになると、それこそ「百万に一つ」といったエラーが常時発生するようになってしまうのです。ただ単にエラーを適切に処理する実装をするのではなく、障害が発生している時にも正しく動作するような設計にする必要があるのです。そうでなければシステムは突然停止し、そのリカバリーは非常に困難なものになってしまうでしょう。現在は「で、サービスに障害が発生していた時はどうなる?」ということを常に考えた設計方針をとっています。そうすればたとえ内部で障害が発生していてもお客様への被害は最小ですむからです。

心配しすぎないこと

SendGridローンチ直後はどれくらいのメールが処理されているのか、その数を気にしてばかりいましたが、すぐにやめました。先程と同様、数が大きくなってくると曖昧で意味のないものになってしまうからです。よくSendGridが配信しているメールのボリュームについてどう思うか訊かれますが、正直なところ考えないようにしています。

山を登っている時に下を見下ろすと、落ちた時のことを考えて怖くなってしまうのと同じで、どれだけの量のメールが処理されているのかを考えだすと、予期しない問題が発生した時のことが心配になってしまいます。登山者がロープを信頼しているのと同じく、私はSendGridの設計、監視システム、スタッフを信用しています。今いる場所で起こるかもしれない問題について心配するよりも、将来のこと、先に進むにはどうすればよいかを考えるほうが有意義だと思いませんか?

結局はヒトの問題

創業してから5年、SendGridの成長をずっと傍で見ることが出来たのも非常に良い経験でした。従業員の数は、3人から今や250人以上にまで大きくなりました。それぞれが新たな価値をSendGridに提供してくれました。

メールに関する問題の多くは技術的なものではなく(30年以上使われていますし)、ヒトによる問題であるというのは大きな気づきでした。迷惑メール業者のせいでメールを正しく送り届けるためには多くのハードルを越えなければならず、それを助けるのがSendGridの役目です。しかし考えてみてください、迷惑メール業者も、ハードルを設置するメールサーバ管理者も、メール送信者もみんな同じ人間です。ハードルを超えるための技術も必要ですが、Eメールエコシステムの中ではヒトというのが非常に大きな要素なのです。
世界中の望まれているメールをお客様のために届けることに注力しているSendGridのチームを私は本当に誇りに思います。

※同じく創業者のIsaac、Joseによる記事もご覧ください。

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