Gmailの新しい画像表示方法についてのTips

この記事は Google’s New Image Caching: 5 Things You Need to Know の抄訳です。

はじめに

最近、Gmailの画像表示方法が変更になったことをご存知でしょうか?これまでGmailは、メールに埋め込まれた画像を外部のサイトから読み込んでいましたが、セキュリティ上の理由からGoogleのプロキシサーバ上にキャッシュされるようになりました。

SendGridから送信されるメールにはトラッキングのためにユニークなリンクが埋め込まれています。メールが開封されると、メールクライアントはこのリンクが指す小さな画像を読み込みます。SendGridの統計エンジンは、この画像が読み込まれると、開封イベントとその関連情報(IPアドレスやブラウザのユーザエージェントなど)を記録します。今回、Google側で画像をキャッシュする動作になったことにより、このトラッキングの仕組みが影響を受けることになりました。

Gmailの新しい受信トレイ

今回の変更は、メールの受信者にとってシームレスな体験を与える一方、開封をトラッキングするメール送信者にはどのような意味をもたらすのでしょうか?メールの受信者の行動にどのような影響を与えるのでしょうか?
これには良い面と悪い面があります。

良い面:
何も設定しなくても画像が表示されるようになるため、開封イベントが発生する可能性が高くなり、よりトラッキングしやすくなります。

悪い面:
統計情報(ブラウザ、デバイスタイプ、IPアドレス、位置情報)が誤った情報となる場合があります。また、ある受信者については再開封数は常に誤った値になります。

今回の変更による影響のうち、5つのポイントについて詳しく見ていきたいと思います。
ただし、今回の変更はGmailをIMAPやPOP(Apple Mail、Outlook、Thunderbirdなど)で利用するユーザの開封トラッキングには影響を与えないことに注意してください。GmailをWebクライアントまたはモバイルアプリ(iOSとAndroid)で利用するユーザにのみ影響があります。

5つのポイント

  • 基本的に開封トラッキングは動作します
    SendGridはユニーク開封(初めてのメール開封)をトラッキングしています。このトラッキング情報には影響がありません。一方、メールを再度開封した場合は、画像が既にキャッシュされているため正しくトラッキングされません。尚、iOSのメールアプリでは再開封は正しくトラッキングされますが、iOSとAndroidのGmailアプリでは、ユニーク開封のみトラッキングされます。

  • 再開封数は減少します
    GmailのWebクライアントではユニーク開封のみトラッキングされるため、再開封を含む開封数の合計値は減少します。GoogleはSendGridがメールを送信する最大のプロバイダなので、SendGridのシステム全体の開封率も下がります。(尚、現在SendGrid側だけで再開封も含めてトラッキングすることができないかGmailのキャッシュ周りの動作を確認中です。)

  • Gmailのユニーク開封率は劇的に向上します
    今回の変更によりWebクライアント、iOS、Android上で画像が自動的に表示されるようになったため、ユニーク開封率が増加すると考えられます。

  • ユニーク開封数と合計開封数の差が小さくなります
    現在、ユニーク開封数と合計開封数は大きく異なっていますが、今後、合計開封数が減少し、ユニーク開封数が増加することで、この差は小さくなります。

  • 統計情報(位置情報、IPアドレス、ブラウザ、デバイスタイプ)は不正確になる場合があります
    Googleが画像をキャッシュすることで、受信者のIPアドレスではなく、プロキシサーバのIPアドレスが統計情報として記録されます。他の統計情報についても同様のことが言えます。

エンゲージメント注1のトラッキング

こういった変化がある中でも、クリックトラッキングはこれまでと同様利用可能であり、受信者とのエンゲージメントにおいて重要な情報を提供してくれます。Googleが画像をキャッシュすることにより失われる情報を再取得するためには、受信者が必要とする価値のあるコンテンツを提供することです。エンゲージメントはメール配信において重要な要素です。クリックを誘うためには、メール受信者の気を引く品質の高いコンテンツが鍵となります。

まとめ

Gmailの新しい画像表示方法が、SendGridがこれまで提供してきた統計情報のいくつか(再開封、位置情報、IPアドレス、ブラウザ、デバイスタイプ)に影響を与える一方、ユニーク開封とクリックトラッキングを通じたユーザのエンゲージメントの評価には影響を与えないことを見てきました。
しかし、SendGrid側も変化する必要があります。これは正常かつ避けることのできない変化です。このため、私たちはこの変化に適応できるよう最善を尽くします。現在も、Gmailの画像キャッシュのTTL(注2)設定がMAPIクライアント(注3)やユーザに対して与える影響について検証を続けています。

注1)メール送信者に対する受信者からの信用度を表す概念。
注2)有効生存期間のこと。
注3)Messaging Application Programming Interface。Microsoftが策定したメッセージングサーバとのプログラムインターフェイス。