ダブルオプトインとは?
- 2025年5月15日
- by SendGrid
- Category: メールマーケティング
この記事は What Is Double Opt-in in Email for List Building? の抄訳です。
メールマーケティングは、顧客との関係構築や売上増加に寄与する非常に有用なチャネルですが、その効果を最終的に決定づけるのは「宛先リストの質」です。いくら面白くて魅力的なコンテンツを送っても、受信者があなたのブランドに関心を持っていなければ読まれることはありません。
では、質の高い宛先リストを作成するにはどうしたらいいでしょうか?
そこで登場するのが「ダブルオプトイン」です。
ダブルオプトインとは、宛先を正式にリストに追加する前に、その人が本当にメールの受信を希望しているかを確認するプロセスです。これにより、メールを楽しみにしているエンゲージメントの高い宛先だけがリストに登録されるようになります。短期的には登録者が減るかもしれませんが、リストの質や到達性、レピュテーションの向上といった長期的なメリットは、その代償をはるかに上回ります。
今回は、ダブルオプトインの基本とその重要性について学んでいきましょう。
ダブルオプトインの仕組み
ダブルオプトインは次のような流れで進められます。
- メールの購読希望者がサインアップフォームに自分のメールアドレスを入力・送信する
- 確認リンクが含まれたメールが1.のメールアドレスに届く
- 購読希望者が確認リンクをクリックし、購読の意思を示す
- 確認リンクがクリックされて初めて、1.のメールアドレスが宛先リストに追加される
シングルオプトインとダブルオプトイン
上述のとおり、ダブルオプトインではメールアドレス入力後にあらためて購読の意思確認を行いますが、シングルオプトインでは、購読希望者がメールアドレスを入力・送信した時点で宛先リストに追加されます。
シングルオプトインの課題
「なぜダブルオプトインが必要なの?せっかく登録してくれたのだから、すぐにリストに追加して良いんじゃない?」と思うかもしれません。しかし、シングルオプトインの場合、本来追加すべきではない宛先がリストに追加されてしまうことがあります。
どのようなケースで追加されてしまうのか、代表的な例をご紹介します。
シナリオ1:入力ミス
登録フォームから購読申し込みをする際、間違ったメールアドレスを入力してしまうことがあります。シングルオプトインだと、メールアドレスにタイプミスがあることに気づけず、何週間もメールを送り続けることになるかもしれません。ダブルオプトインを採用すれば、無効なメールアドレスを早い段階で見つけ出し、宛先リストをクリーンな状態に保つことができます。
シナリオ2:うっかり登録
誤って購読申し込みをしてしまった場合、シングルオプトインでは申し込みを取り消すことはできません。一方、ダブルオプトインであれば、確認リンクをクリックしなければ申し込みは完了しないため、そのまま購読を取り消すことができます。このシナリオでは、メールを望んでいない受信者からの迷惑メール報告を防ぐことができます。
ダブルオプトインの利点
ダブルオプトインの利点は、入力ミスや意図せず登録されたメールアドレスを取り除くことだけにとどまりません。ダブルオプトインを導入することで、企業はメールのエンゲージメントを向上させ、プライバシー保護の法令を遵守し、迷惑メール報告やスパムトラップからメールプログラムを守ることができます。
リストの質の向上
ダブルオプトインを導入すると、質の高いリストを作成することができます。
まず、ダブルオプトインの仕組み上、実際に使用されている正しいメールアドレスだけがリストに追加されます。そして、リストへの追加時に確認メールの開封およびクリックが確実に発生することから、作成されるリストそのもののエンゲージメントが高くなります。その結果、非常に健全な質の高いリストが完成します。
法令遵守
プライバシーへの意識が高まる現代において、ダブルオプトインは主要な規制への備えとしても有効です。例えば、EU圏の受信者に対して明確な同意を求めることを義務付けた「一般データ保護規則(GDPR)」への対応が可能になります。さらに、「CAN-SPAM法」など、同意の証明が必要なコンプライアンス要件にも対応しやすくなります。
不正利用からの保護
ダブルオプトインは、宛先リストの悪用防止にも有効です。
すでに述べたとおり、ダブルオプトインでは登録者自身が確認メールを開封して購読意思を示す必要があることから、スパムトラップのようなメールアドレスの登録や、ボットによる大量登録を阻止できます。
本来送るべきではない宛先への送信を未然に防げるため、ブラックリストへの登録やレピュテーションの低下を回避することができます。
ダブルオプトインメール導入のベストプラクティス
1. デザインはシンプルに
確認メールはシンプルであるほど良いです。件名は「ニュースレターの購読を確認してください」のように行動を促す文言にし、購読申し込みを完了するための明確なCTAを設けましょう。
誰からのメールなのかを認識しやすくするために、ロゴや色などのブランド要素を取り入れることは大切ですが、基本的にはシンプルな内容にした方が効果的です。
2. スピードを重視する
できるだけ多くの人に購読を完了してもらえるよう、ダブルオプトインメールはサインアップ直後に自動送信しましょう。登録フォームに「確認メールをお確かめください」といった一文を添えることをお勧めします。
3. 直感的な完了画面
メール内のCTAボタンがクリックされたら、わかりやすい完了画面に誘導しオプトインが成功したことを伝えましょう。興味を引きそうなリソースを画面に掲載し、購読者にもっと関心を持ってもらえるよう促すのも効果的です。
4. モバイルフレンドリーに
確認メールと完了画面はモバイル向けに最適化しましょう。さまざまなデバイスや画面サイズで表示を確認し、たとえ外出先からでも簡単に購読開始できるようにしておくことが大切です。
5. 購読完了率を注視する
購読完了率の推移を常に確認しましょう。シングルオプトインからダブルオプトインへの移行で購読完了率が大きく減少している場合は、ダブルオプトインのプロセスに問題がないか見直してください。例えば、メールが届いていない、リンクが間違っているなどの原因で、ユーザが登録できていないケースも考えられます。
ダブルオプトインメールの良例と悪例
ここからは、ダブルオプトインメールの例をいくつかご紹介します。
シンプルかつ効果的なダブルオプトインの例
美容グッズを取り扱うMount Laiのオプトインメールは、ブランドカラーとロゴを使用した簡素なデザインが特徴で、大きなCTAボタンが目を引きます。ボタンの下には、ボタンをクリックした場合にのみ購読が完了する旨の説明が記載されています。シンプルでわかりやすく、かつブランドを明確に認識できる、非常に優れたダブルオプトインメールの例といえます。
テキスト形式で無駄のないダブルオプトインの例
建設業を営む303 Construction Services社は、プレーンテキスト形式と明確な件名により、無駄のないアプローチを取っています。ブランド認知の観点ではロゴがあると理想的ですが、メールの目的は一目で伝わる構成になっています。
わかりづらいダブルオプトインの例
これは、差出人名以外に送信者を示す情報が含まれておらず、目的がわかりづらいメールの例です。ダブルオプトインメールはシンプルであるべきですが、クリックすると何を購読することになるのかを明確に伝える必要があります。このメールにはブランド名や会社名がはっきり記載されていないため、その点が不十分です。
正しい方法で宛先リストを育てよう
ダブルオプトインは、到達性向上やエンゲージメント率の増加、法的遵守の強化のために欠かせません。ただし、質の高い宛先リストを構築するには時間がかかることを忘れないでください。ダブルオプトインを採用すると、シングルオプトインよりも登録の手間が増え、リストの成長スピードも緩やかになりますが、長期的にはメリットのほうが上回ります。
リストを「正しい方法で」構築する準備はできましたか?もっと詳しく知りたい方は「How to Build an Email List From Scratch (the Right Way)」もチェックしてください。