迷惑メールの苦情を褒め称えよ

迷惑メールの苦情を褒め称えよ

この記事は In Praise of Spam Complaints の抄訳です。

クレーマー。そんな奴らは願い下げです。第一、あなたは素晴らしい提案や人々が必要とする貴重な情報をメールで送信しています。メールが本当に要らないのなら、何も言わず退会すればよい。そうでしょう?

メール送信者のあなたが、キャンペーンの後に迷惑メール報告という苦情が増えた経験をお持ちなら、おそらく上記と同じような考えでしょう。「苦情」は世の中に氾濫しています。まるで、騒ぎ立てれば自分の思い通りになるとでも思っているかのようです。「The squeaky wheel gets the grease」(きしむ車輪は油を差してもらえる。自己主張をすれば願いを叶えてもらえる、の意。)ということわざが頭に浮かびます。

「迷惑メール報告」というフレーズを目にすると、顔面を思いっきり平手打ちされたように感じられるかもしれません。だって、あなたが送信しているメールは、迷惑メールフォルダに入るような悪質な詐欺メールとは違うのですから。

しかし、メールマーケティング担当者として、これらの苦情はあなたのブランドに対する侮辱ではありません。むしろそれは、メールプログラムを改善し最良のものにすることを可能にする効果的な手段なのです。迷惑メールの苦情と闘うのではなく、耳を傾けることを身につけるのは、熟達したメールマーケティング担当者の大切なスキルです。

このスキルをメールにおける柔道のように考えてください。相手の力に逆らうのではなく、相手の勢いをいなし、逆にそれを自分の利益のために利用してください。そのためには、まずこれらの苦情が何を伝えているのかを知る必要があります。

迷惑メールの苦情が意味すること

メールマーケティングの成功に効いてくる最も重要な要素は、望まれるメールを送信しているかどうかです。受信者がメッセージを開いたりリンクをクリックしたりするのは、それは大抵あなたが送信しているものが好きであることを示すシグナルです。一方、迷惑メールの苦情は、あなたのメールを望んでいないことをあなたとインボックスプロバイダに伝えることになります。まずはそのシグナルを理解することです。それとは別で、メールが望まれない理由を見つけ出しましょう(そしてかなり難しくなります)。

通常、受信者は次のようないくつかの基準に基づいてメッセージを迷惑メールとして報告します。

  • メッセージを受け取るために自分の意志でサインアップしたブランドだと認識しているかどうか
  • メッセージの登録を解除するのが簡単かどうか
  • コンテンツ、件名、またはその両方が自分にとってどのくらい重要か、または無意味か

受信者がメッセージを迷惑メールとして報告する理由の詳細については、Litmusのメール担当者Chad Whiteが素晴らしいレポート(英語)を投稿しています。

メールアドレスの収集方法

苦情の問題についてお客様をサポートするときはいつも、まずメールアドレスの収集方法を調べます。登録プロセスを何度も調べることで、受信者があなたのメッセージを迷惑メールとして報告する理由が分かってきます。登録プロセスを評価するときは、以下の項目を自問してください。

  • この登録プロセスは、登録者がサインアップして受信したいと思っているコンテンツを明確かつ正確に設定できますか?
  • 登録者からみて、「誰」からのメッセージを受信するためにサインアップしているのかが明らかですか?
  • この登録プロセスは、登録者がメールを受信する頻度を明確に設定できますか?
  • ボットや自動サインアップ攻撃による悪用を防ぐため、登録プロセスは適切に保護されていますか?

より明確になるように調整できる点がある場合、または登録者の期待をより正確に設定するために工夫できる点がある場合、こういった改善が、あなたのメールを迷惑メールであると印象づけるのを柔らげるのに役立ちます。

コンテンツの吟味

登録プロセスの評価と最適化ができたら、次に送信者に検討を促すのは、その内容(英語)です。迷惑メールの苦情とコンテンツの関係を評価する際は、以下の項目を自問してみてください。

  1. オプトアウト機構は登録者にとって見つけやすいですか?もっと目立たせたり、アクセスしやすくしたりできませんか? (送信者にとっては、迷惑メールの苦情に比べればオプトアウトの方がまだましです。)
  2. 送ったコンテンツは、登録者が登録した時に要求していたものと正確に一致していますか?
  3. サインアップしたら登録者にすぐにウェルカムメールを送信していますか?受信者に登録の確認をしていますか?
  4. 登録者が圧倒されるような頻度でメールを送信していませんか?送信頻度は、登録プロセス時に設定されたものと一致していますか?
  5. 件名にパーソナライゼーションを利用していますか?していないなら、それは可能ですか?
  6. 件名に大文字ばかり利用していませんか?または、感嘆符「!」を使い過ぎていませんか?
  7. コンテンツや件名を使い回していませんか?
  8. コンテンツはモバイルに最適化されていますか?

宛先リストを成長させる方法の詳細、アドバイス、具体的な戦略については、先日投稿した「メールマーケティング用の宛先リストを増やす:6つのTips」でご紹介しております。併せてご覧ください。

要点

最終的には、インボックスプロバイダは、望まれるメールのみを受信ボックスに届けるよう努めています。キャンペーンで多くの迷惑メールの苦情が発生しているならば(通常、インボックスプロバイダは迷惑メールの苦情率が0.08%以下になることを期待しています)、インボックスプロバイダはあなたのメッセージを直接迷惑メールフォルダに入れるようになります。

送信者は、受信者がメッセージにどのように反応するかを制御できません。しかし、登録方法と登録者との連絡の取り方はコントロールできます。
メールアドレスを登録するということは、あなたとの関わりを持とうとしているということです。そのアドレスに対してあなたが何をしても良いという意味ではありません。

これらのコントロール可能な部分を精査して、登録者を裏切ることなくちゃんと期待に答えていくことが、登録者と強い関係を構築して、迷惑メールの苦情に関する問題を緩和する(英語)ために重要なのです。

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