Gmailのタブと戦うのはもうやめましょう

この記事は I Fought Gmail’s Tabs, and The Tabs Won の抄訳です。

Gmail

©Ingvar Bjork/123RF.COM

送信者、受信者、スパムフィルタやブラックリストのベンダ、メールサービスプロバイダ(ESP)など、メール業界の方々とお話しするといつも話題になるのがGmailです。
比較的新しくはありますが、Gmailはこの地球上で最も大きなメールボックスプロバイダの一つであることを疑う人はいないでしょう。実際、月350億通というボリュームでメールを送信しているSendGridですが、その55%以上がGmailの受信者宛です。(G-suiteでホストされているドメインは除きます)

会話の内容はベストプラクティスや、受信トレイ/迷惑メールフォルダ/受信拒否の判断基準になることが多いですが、タブ配置に関してもいつも話題になります。
よく聞かれるのが、

・どうすればメインタブに届くのか
・なぜプロモーションタブに届いてしまうのか
・どうすればプロモーションタブではなくメインタブに届けることができるのか

といったものです。本記事では、そもそもタブとは何で、なぜ重要なのか、そして送信者はどこのタブに配置されるかを気にするべきではないといったことを解説していきます。

Gmailタブの歴史

Gmailタブは2013年にリリースされ、プロモーション、ソーシャル、新着、フォーラム、メインといったタブにメールを振り分け、高度なアルゴリズム、機械学習を用いて受信トレイをソートし始めました。
これは平均で1日あたり121通ものメールを受信している受信者にとって必要な機能だと考えられていましたが、読んで欲しいメールがメイン以外のタブに振り分けられてしまい受信者のエンゲージメントが下がってしまうことがあり、メールマーケターにとっては死を意味する機能であると思われるようになりました。

しかしながら次第にタブ機能は利用されなくなり、1,600人のGmailユーザに対して実施したReturn Pathの調査レポートによると、ソートのためにタブを利用しているのは3分の1程度にとどまることがわかりました。利用しているユーザは減少しましたが、利用者のうち90%以上はその振り分け機能に満足しているようでした。

プロモーションタブは別に煉獄なんかではない

エンゲージメントは、受信トレイに入るか迷惑メールフォルダに入るかを決める重要な要因ですが、そのエンゲージメントという観点から見ると、プロモーションタブのメールの開封率はおよそ19%です。タブの利用頻度という観点では、調査対象のGmailユーザのうち45%以上がプロモーションタブを1日少なくとも1回、19%は複数回チェックしていることがわかりました。少なくとも1週間に1回はチェックする、というユーザは70%以上という結果でした。

プロモーションタブはメールが読まれることなく浮遊し続ける煉獄のような場所ではなく、そこにあるメールはチェックされることもありますし、受信者とのインタラクションもあります。もともとプロモーションタブに届いていたメールがメインタブに届くようになる、ということもあります。これはデザインや内容ではなく、受信者の反応によって影響を受けます。

例えば、とある種類のメールを受信者が必ずあるタブから別のタブへ移動する、ということを繰り返していると、Gmailは自動的にそのタブに届けてくれるようになります。と、いうことはプロモーションタブからメインタブに移されることが多くなると、自動的にメインタブに届けてくれるようになるのです。

タブとは戦っても仕方がない

メインタブに届けるための欺瞞的な方法をよく見かけますが、究極的には”プロモーション”の要素を削り取ってしまえばいいのです。ブランディングやWebサイトへのリンクなどキャンペーンの目的を達成するためのコンテンツは全てどのタブに配置するかを判断するのにGmailに利用されるからです。

しかしそんなことをしようとするとデザイナーの方はゾッとするでしょう。なんの飾り気もないテキストメールで受信者に長いURLをクリックさせるようなメールを送らなければならなくなってしまうからです。
自分が送信するときのことを考えてみてください。届く先を受信トレイの中のとあるタブから別のタブに移したいというだけで、迷惑メール扱いをされてしまうリスクをとれるでしょうか?特に迷惑メール報告(苦情)を受けてしまうとレピュテーションに深刻なダメージを与えてしまいます。

要はメインタブに届けるために試行錯誤したところで仕方がないということです。もしタブが使われていたとしてもメッセージは読まれ受信者の反応を得ることが可能です。どのタブに届くかを考えるよりも、もっと他にやらなければならないことがあります。読者に好まれるコンテンツを考える、適切なセグメントをターゲティングする、宛先リストを大きくする、などです。
送信者側の都合を押し付けるのではなく、受信者が好む方法でコミュニケーションをとるようにしましょう。受信者がハッピーであることは価値のあることなのです。