Delivered, Bounced, Blocked, Deferredイベントのそれぞれの意味合いとは

Delivered, Bounced, Blocked, Deferredイベントのそれぞれの意味合いとは

この記事は Delivered, Bounced, Blocked & Deferred Emails: What Does It All Mean? の抄訳です。

顧客向けのメールが受信側メールサーバからブロックされることがどれほどストレスか、経験したことがある方ならおわかりでしょう。ブロックされた理由が分からないときはなおさらです。

メールのエンゲージメントが低いとレピュテーション(宛先から見た送信者の評価)に悪影響を及ぼすため、マーケターの方たちは開封率や迷惑メール報告などのデータに注視しているかと思います。きっと、送信したキャンペーンメールに関する次のような質問に答えられることでしょう。

  • ここ最近の開封率はどれくらいですか?
  • 迷惑メール報告は多く寄せられていますか?
  • 配信停止を希望した人はいましたか?また、その理由は?

もちろん、メールの開封イベントや迷惑メール報告は、受信者の反応を知るためには重要な情報です。しかし、メールの送信中に起こりうる以下の4つのイベントも、(見落とされがちではあるものの)注視する必要があります。これらは、Twilio SendGrid経由でメールを送信してから受信側メールサーバに届くまでの間に発生する可能性があります。

  • Delivered – 受信側メールサーバがメールを正常に受け付けた
  • Bounced – 恒久的な理由により、受信側メールサーバがメールの受け付けを拒否した
    SendGridは、その宛先をサプレッションリストに掲載し、以降はその宛先に対してメールを送信しない
  • Blocked – 一時的な理由により、受信側メールサーバがメールの受け付けを拒否した
    SendGridは、送信リクエストがあれば、以降もその宛先に対してメールを送信する
  • Deferred – 受信側メールサーバがメールの受け付けを先送りにした

それでは、メール配信のパフォーマンスについてより理解を深めるために、それぞれのイベントの意味合いを簡単に見ていきましょう。

Delivered(宛先サーバへの到達)

よくある誤解は、「Deliveredされたメールは、必ず受信トレイに届いている」というものです。Deliveredは、単にSendGridから送られたメールを受信側メールサーバが受け付けた、ということを意味します。受信側メールサーバは、そのメールの扱いを決める必要があります。

多くの場合、受信トレイに届けるか、迷惑メールフォルダに振り分けるかの2択になります。しかしまれに、受信側メールサーバがメールを破棄することもあります。こういったケースでは、受信者が迷惑メールフォルダを検索したとしても、メールを探し出すことはできません。

メールの振り分け先は、送信者のレピュテーションやコンテンツによって決まります。多くの迷惑メール報告を受けていたり、インボックス・プロバイダが迷惑メール報告率が高いと認識しているコンテンツを送ったりすると、受信トレイにメールが届けられる可能性は低くなります。

Deliveredの割合が高いのは良いことですが、これはメールを届けるための第一歩に過ぎず、受信者の目にとまるためには受信トレイに振り分けられることが重要なのです。

Bounced(恒久的なエラー)

受信側メールサーバにメールの受け付けが拒否されることを、一般的にはハードバウンスやソフトバウンスと言いますが、SendGridではBouncedとBlockedの2つに分類しています。

Bouncedは、受信側メールサーバが「当該サーバや宛先アドレスに関する恒久的な理由で、メールの受け取りを拒否したこと」を示す結果コードを返したときに発生します。
Bouncedが発生する理由として最も多いのは、宛先アドレスが無効であることです。

SendGridのEvent Webhook機能では、event:”bounce”、type:”bounce”というイベントタイプでPOSTされます。

以下はBouncedイベントのPOSTデータの例です。
bounce_classificationで、バウンスしたおおよその理由が判別できます。

BouncedイベントのPOSTデータの例

Blocked(一時的なエラー)

受信側メールサーバが、一時的な理由でメールの受け付けを拒否した状態をBlockedと言います。これはソフトバウンスとも呼ばれます。そのメールだけを一時的に拒否するものであり、送信元のアドレス自体を評価するものではありません。

SendGridのEvent Webhook機能では、event:”bounce”、type:”blocked”というイベントタイプでPOSTされます。

以下はBlockedイベントのPOSTデータの例です。

BlockedイベントのPOSTデータの例

Blockedが発生する主な原因として、次のようなものが挙げられます。

  • 送信元IPアドレスまたは送信元ドメインがブラックリストに掲載されている
  • 送信したコンテンツに迷惑メールと疑われる内容が含まれる
  • メール送信時にサーバ間の通信で技術的な問題が発生した

多くの迷惑メール報告を受けると、この送信者からのメールがより迷惑メールフォルダに振り分けられるようになり、その結果としてメールがブロックされることがあります。Blockedイベントが増加した場合は、レピュテーションが低下している可能性も疑いましょう。

Deferred(遅延)

Deferredイベントは、SendGridが受信側メールサーバから「一時的にアクセスを制限している」という応答を受け取った場合に発生します。電話に例えると、「通話中」の状態と同じです。

Deferredはメールが「届かない」わけではなく、すぐには届かないという状態です。
このイベントの発生原因はさまざまですが、よくある原因としては次のようなものがあります。

  • 過去に配信したメールに対して、多くの迷惑メール報告がなされている
  • 受信側メールサーバに障害が発生している

以下はDeferredイベントのPOSTデータの例です。

DeferredイベントのPOSTデータの例

SendGridは、メールがインボックス・プロバイダでDeferredしていることを検出すると、その後、最長72時間再送を試みます。再送によって受信側メールサーバがメールを正常に受け付けた場合は、Deliveredイベントが発生しますが(再送処理終了)、再送を繰り返しても受信側メールサーバがメールを受け付けなかった場合は、Block状態に移行します。

配信完了までに時間を要したり、頻繁にDeferredが起きたりするようであれば、トラブルシューティングを確認してみてください。

Twilio SendGridで受信トレイにメールを届けよう

ここまでで、4つのイベントの意味合いについて概説してきました。
これらのイベントを注視することで、メールがSendGridから受信トレイに届くまでの道筋で起きていることの手がかりを得られます。

受信トレイにメールを届けるためのより詳しい情報については、「Email Deliverability Guide」をご覧ください。

また、Event Webhook機能でイベントを解析するための有用な情報をブログで公開していますので、ぜひ参考にしてください。

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