携帯キャリアにメールを届けるための設定 ~なりすまし規制編~

携帯キャリアにメールを届けるための設定

はじめに

以前の記事「携帯キャリアの迷惑メール対策について」では、各キャリアメールでさまざまな迷惑メール対策があることをご紹介しましたが、今回はより具体的な内容に踏み込んでメールを届けるための設定をご紹介します。

なりすまし規制への対応ステップ

携帯キャリア宛のメールが届かない場合は、以下のステップで原因の切り分けと対処を行うことをおすすめします。

1. 独自ドメインの利用設定(Sender Authentication)を行う

Sender Authentication設定は、到達率を上げるための設定として携帯キャリアに限らずすべての一般的な宛先に対して有効です。

2. 受信者へ迷惑メールフィルタの設定変更を依頼する

なりすまし規制への対応をどれだけ行っても、「拒否リスト」や「ケータイメールのみ受信」などを設定している受信者にはメールは届きません。設定の緩和や受信許可リストへの登録を受信者に依頼しましょう。

3. それでも届かなければ、キャリアメールのサポートに原因を問い合わせる

送信したメールがなりすましメールだと判定されている可能性があります。判定の基準は宛先キャリアごとに異なるので、正確な原因を把握するためには各キャリアにお問い合わせいただくのが最善です。

各キャリアの判定基準を知るには、各社が公開しているドキュメントの情報も参考になります。

4. 原因を取り除く

判明した原因に応じた対処を行い、メールが届くか再度確認しましょう。

おすすめのステップは上述の通りですが、弊社での調査やこれまでのサポート事例などから、キャリアにお問い合わせいただく前に送信側で確認しておくと良い項目をご紹介します。

MXレコードの登録

NTTドコモのメールでは、「受信するメールの選択」内の「なりすましメールの拒否設定(パソコンなど)」の設定が「存在しないドメインからは拒否する」になっている場合、送信元ドメインの存在確認を行い、存在しないドメインから送られたメールは受信拒否するようです。具体的には、ヘッダFromドメインのMXレコードの存在チェックをしていると考えられます。
また、auのメールでも、MXレコードが存在しないドメインからのメール送信を禁止しています。

このため、ヘッダFromドメインのMXレコードを作成しておきましょう。これは、受信者からの返信メールを送信側で受け取れるようにしておくことを意味します。例えば、ヘッダFromドメインが「example.com」のメールを送る場合、example.comドメインのMXレコードを作成して返信メールを受信できるようにします。なお、MXレコードには必ず実在するホスト名を指定してください。実在しないホスト名を指定すると、受信者からの返信メールが届かなくなり、受信者体験に悪影響を与えます。

;QUESTION
example.com. IN MX
;ANSWER
example.com. 299 IN MX 10 smtp.example.com.

返信メールを受信するには、メールボックス機能をもった送信元アドレスを利用するのが一般的ですが、Parse Webhook(Inbound Parse)というSendGridの機能を利用して受信する方法もあります。

Sender IDへの対応

SendGridのDomain Authentication設定は、SPFとDKIMの設定を支援する機能です。SPFの仕様では、エンベロープFromドメインを対象としてDNSレコードのチェックを行いますが、以下の設定がされている場合は、さらにヘッダFromドメインのSPFレコードもチェックするようです。

このため、この設定がなされている宛先にメールを届ける場合、Domain Authentication設定に加えて、ヘッダFromドメインに対してSPFレコードを作成しておく必要があります(この方式はSender IDと呼ばれる認証方式です)。

例えば、CNAMEレコードでDomain Authentication設定を行っている場合、SPF用レコードの値を参照すると次のような値が返ります(エンベロープFromドメインが「em.example.com」のケース)。

;QUESTION
em.example.com. IN TXT
;ANSWER
em.example.com. 81 IN CNAME u??????.wl???.sendgrid.net.
u??????.wl???.sendgrid.net. 1581 IN TXT "v=spf1 ip4:xx.xx.xx.xx -all"

「u??????.wl???.sendgrid.net」の部分がSendGrid側で自動的に作成するSPFレコードのホストになるため、「include:u??????.wl.???.sendgrid.net」(アカウントによって異なります)をヘッダFromドメインのSPFレコードに登録します。既にSPFレコードが登録済みの場合は適宜編集するようにしてください。

再送前の注意事項

メールが届かない原因への対処が完了したら、メールが届くか、再送して確認しましょう。
今回ご紹介したケースで受信拒否されると、SendGrid上ではハードバウンスが発生して、宛先アドレスがバウンスリストに登録されてしまいます。バウンスリストに登録された状態ではメールの送信が行えない(REASON: Bounced AddressでDropされる)ため、バウンスリストから該当の宛先アドレスを削除後に再送してください。

さいごに

携帯キャリアメールの迷惑メール対策の内容は複雑ですが、正しく対策を取ればメールを届けることができます。もちろん、オプトインをとること、配信停止依頼およびバウンスへの対応宛先リストクリーニングなど、基本的なメール運用も忘れないでください。望まれるメールを送るよう心がけましょう。

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