携帯キャリアにメールを届けるための設定 ~なりすまし規制編~

携帯キャリアにメールを届けるための設定

はじめに

以前の記事「携帯キャリアの迷惑メール対策について」では、各キャリアメールでさまざまな迷惑メール対策があることをご紹介しましたが、今回はより具体的な内容に踏み込んでメールを届けるための設定をご紹介します。

前提条件

本記事では、独自ドメインの利用設定(Sender Authentication)が設定済みであることを前提としています。Sender Authentication設定は、到達率を上げるための設定として携帯キャリアに限らずすべての一般的な宛先に対して有効です。

ドコモのなりすまし規制に対応する

iモードメールやspモードメールなどドコモのメールでは、「受信するメールの選択」内の「なりすましメールの拒否設定(パソコンなど)」の設定が「存在しないドメインからは拒否する」になっている場合、送信元ドメインの存在確認を行い、存在しないドメインから送られたメールは受信拒否するようです。具体的には、ヘッダFromドメインのMXレコードの存在チェックをしていると考えられます。

このため、この設定がなされている宛先にメールを届ける場合、ヘッダFromドメインのMXレコードを作成しておく必要があります。これは、受信者からの返信メールを送信側で受け取れるようにしておくことを意味します。例えば、ヘッダFromドメインが「example.com」のメールを送る場合、example.comドメインのMXレコードを作成して返信メールを受信できるようにします。なお、MXレコードには必ず実在するホスト名を指定するようにしてください。実在しないホスト名を指定すると、受信者からの返信メールが届かなくなり、受信者体験に悪影響を与えます。

;QUESTION
example.com. IN MX
;ANSWER
example.com. 299 IN MX 10 smtp.example.com.

返信メールを受信するには、メールボックス機能をもった送信元アドレスを利用するのが一般的ですが、Parse Webhook(Inbound Parse)というSendGridの機能を利用して受信する方法もあります。

auのなりすまし規制に対応する

SendGridのDomain Authentication設定は、SPFとDKIMの設定を行うものです。SPFの仕様では、エンベロープFromドメインを対象としてDNSレコードのチェックを行いますが、ezwebなどauのメールでは、エンベロープFromドメインのSPFレコードのチェックに加えて、受信者が「なりすまし規制(高)」の設定を利用している場合、ヘッダFromドメインのSPFレコードもチェックするようです。

このため、この設定がなされている宛先にメールを届ける場合、Domain Authentication設定に加えて、ヘッダFromドメインに対してSPFレコードを作成しておく必要があります(この方式はSender IDと呼ばれる認証方式です)。

例えば、CNAMEレコードでDomain Authentication設定を行っている場合、SPF用レコードの値を参照すると次のような値が返ります(エンベロープFromドメインが「em.example.com」のケース)。

;QUESTION
em.example.com. IN TXT
;ANSWER
em.example.com. 81 IN CNAME u??????.wl???.sendgrid.net.
u??????.wl???.sendgrid.net. 1581 IN TXT "v=spf1 ip4:xx.xx.xx.xx -all"

「u??????.wl???.sendgrid.net」の部分がSendGrid側で自動的に作成するSPFレコードのホストになるため、「include:u??????.wl.???.sendgrid.net」(アカウントによって異なります)をヘッダFromドメインのSPFレコードに登録します。既にSPFレコードが登録済みの場合は適宜編集するようにしてください。

対応後に再送する

今回ご紹介したケースで受信拒否されると、SendGrid上ではハードバウンスが発生して、宛先アドレスがバウンスリストに登録されてしまいます。バウンスリストに登録された状態ではメールの送信が行えない(REASON: Bounced AddressでDropされる)ため、バウンスリストから該当の宛先アドレスを削除後に再送するようにしてください。

さいごに

携帯キャリアメールの迷惑メール対策の内容は複雑ですが、正しく対策を取ればメールを届けることができます。もちろん、オプトインをとること、配信停止依頼およびバウンスへの対応宛先リストクリーニングなど、基本的なメール運用も忘れないでください。望まれるメールを送るよう心がけましょう。