急成長中の企業で検討すべき顧客へのメール送信プロセス

急成長中の企業で検討すべき顧客へのメール送信プロセス

この記事は Balancing Customer Email Requests at a Scaling Company の抄訳です。

メール配信を生業とする会社に勤めていると、多くの知見が得られます。「医者の不養生」という言葉があるように、SendGridでも長年の間にいくつかのミスを犯しましたが、 顧客へメールを送信する際の仕組みを最高の状態に保つために最善を尽くしています。

顧客へのメール送信においては、完璧なキャンペーンメールを作成するだけでなく、他にも取り組まなければならない課題があります。

SendGridの企業規模が拡大するにつれて、顧客に送るメールの優先順位付けが重要になってきました。

最初のステップでは、顧客へのメール送信に関わる社内のステークホルダーに、メール送信について求めることの意識合わせをしました。ステークホルダーは同僚ではあるものの、我々の「顧客」の立場であるため、コミュニケーションを密にとりながら、合意した内容を実現する必要があります。そのためには、妥協案を考える、プロセスや要望を明確にするといったことも必要になります。

全てのメールを希望通り送信できるわけではないと伝えると、必ず以下の2つのパラメータをどうするのか?という課題が出てきます。

1) 送信者が希望するメールの量
2) 宛先が希望するメールの量

そこでSendGridでこれらの課題に対応するために導入している方法をご紹介します。

メール送信依頼を受け付ける仕組みの構築

SendGridでは、メールの送信依頼を2週間単位で受け付けるためのGoogleフォームを用意し、社内イントラネットで使い方を共有しています。こうすることで、メール送信を担当するチームは時間の余裕をもってメール配信の計画を立てることができ、何週間も前から要望を取りまとめる必要がなくなりました。

送信依頼を受け付けるフォームには、配信スケジュールや、対象者、目的などについての5つの入力項目があり、メールの内容や件名、その他必要事項を提供してもらう内容になっています。また、技術的な項目もあり、例えばトランザクションメールの送信ではアカウントについての重要な通知である場合があるため、「このメールは配信停止希望者にも強制的に送信する必要がありますか?」といった質問をしています。

メール送信希望者がフォームに入力すると、メール送信を担当するチームのメンバーが内容を確認してドキュメントにまとめ、カレンダーにスケジュールを投入します(カレンダーについての詳細は後述)。ほとんどの場合、メール送信を担当するチームは送信希望者と更にやり取りを重ねて、共同作業を行います。こうすることでメール送信を希望するチームとの親睦を深められるという効果もあります。

Googleカレンダーによる送信スケジュールの共有

SendGridではGoogleカレンダーを利用してメール送信スケジュールを社内で共有しています。Googleカレンダーは社内の全員が既に利用しているため、メール送信スケジュールのカレンダーを簡単に追加することができます。カスタマイズの必要がある場合は、AsanaやTrelloなどのツールを使用してもよいでしょう。

Googleカレンダーを使うと、表示オン/オフを切り替えることで、送信予定のメールの種類を簡単に確認することができます。また、予定の見やすさだけでなく、特定の顧客に対して短期間に集中してメールを送り過ぎていないかを確認することもできます。

さらに、メール送信希望者との交渉が難航した場合に、相手を納得させるための材料にもなります。例えば「私たちは既にそのセグメントに対して、同じくらい重要なメールを来週3回送信する予定が入っています」などと予定を提示して交渉することができます。

メール送信スケジュールの管理方法について参考情報をご希望の場合は、 2019 Email Planning Calendarをご覧ください。

宛先のセグメンテーション化

特定のセグメントに対して過剰にメールを送ったり、宛先が望む以上のメールを送ってしまったりすることを防ぐ方法の1つが、メールのセグメント化の達人になることです。 結局のところ、キャンペーンメールのターゲットを絞り込めば絞り込むほど、エンゲージメントは向上します。

その上で、セグメンテーションを慎重に検討することで、より多くのメール送信に対応できることに気が付くでしょう。 セグメンテーションデータには様々な種類がありますが、通常は2つのカテゴリに分類されます。

  • 顧客のアクティビティに基づいたデータ
  • 顧客から提供されたデータ

後者の例は、Preference Centerです。宛先で購読希望を簡単に変更できるようにしておくと、よりよい関係を築くことができます。アクティビティに基づいたデータと、人口統計学的な属性や会社に関係する属性を組み合わせると、スマートでセグメント化されたメール配信の仕組みを作ることができます。

以上が、SendGridがスタートアップからの成長過程で長年採用してきたメール送信方法の概略です。こういったプロセスはいずれ必要となるものなので、導入が早すぎるということはありません。

メール送信に関する様々な側面について、さらに情報が必要な場合は、2019 A-Z Email Marketing Guideをご覧ください。

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