メールのエンゲージメントを強化するための計測トレーニングプログラム(完全版)
- 2019年11月1日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス メールマーケティング
この記事は Your Complete Measurement Training Program for Strengthening Your Email Engagement の抄訳です。
エンゲージメントをチェックしていれば、そのメールが読者に響いているかが分かります。
ではもし、エンゲージメントが増えない、あるいは減り始めるといった事態になったらどうすれば良いのでしょうか?そんな時は、メール配信の管理方法や計測方法について、より高度かつ計画的なアプローチを検討しましょう。
本記事は、中級〜上級向けのトレーニングプログラムです。(初級編をお探しの方は Beginners Guide to Email Marketing in 2019 をご覧ください)
メールのバイタルチェック
初心者も専門家も、定期的にメールのバイタル(=メールや宛先リストを高いレベルで運用できているかを把握するための主な指標)を確認すべきです。しかし、メール配信コンサルタントのWill Boydによれば、人は時に全体把握には不十分な指標に固執してしまうことがあるそうです。
例えば、開封率です。
Will曰く、「開封率は気になる指標ではありますが、過大評価されることがあります。この指標から確実に言えることは、メールが宛先の受信ボックスに届いたかどうかということぐらいです。誰かがそれを開封したとしても、その人が本当の意味でエンゲージしたかということは分かりません。本当はそのメールを開こうとしてすらいなかった、ということだってあるのです。」
では、送信者はどの指標に注目すべきなのでしょうか?まずはユニーク開封率と迷惑メール報告率を調べるところからはじめましょう。これは、メールを開封するほど興味を持ってくれた人や、迷惑メール報告をした人がどれぐらいの割合かを示しています。
ユニーク開封率が5%以下の場合は、送信したメールが迷惑メールフォルダに振り分けられ始めていると考えられます。また、バウンス率が高い(5%以上)場合はリストが危機的状況に瀕している可能性があります。
Will曰く、「迷惑メール報告率は受信者からの直接的なフィードバックであり、エンゲージメントの状況が如実に分かります。しかし残念なことに、迷惑メール報告率は最も無視されやすい指標でもあります。」
送信したメール1,000通につき1件以上の苦情があれば、ISPと送信者の双方にとって赤信号です。この値に達してしまった場合は、宛先リストのクリーニングとコンテンツの見直しを検討しましょう。「そんなに小さな値で?と思われるかもしれませんが、まさにこれぐらいが見直すべき数値なのです。」とWillは言います。
迷惑メール報告率を減らす方法や迷惑メール報告を受け入れるべき理由については、「迷惑メールの苦情を褒め称えよ」をご参照ください。
開封率は一切チェックしなくて良いということではありません。状況を正確に把握するため、迷惑メール報告、ユニーク開封率、クリック数といった指標とあわせて考えるようにしましょう。
一段上の計測習慣で着実な成長を
バイタルチェックの準備ができたら、さらなるレベルアップのためにできることがいくつかあります。
複数のレポートをあわせて評価する
メール配信の結果を評価する際は、前回送信分と比較していますか?あるいは、月別で評価しているでしょうか?可能であれば複数の期間で結果を比較しましょう。
時間がなくて1つの期間しか評価できないということであれば、月ごとのチェックで構いません。インボックスプロバイダは、30〜45日周期でメールをチェックしているからです。
インボックスプロバイダごとに評価する
GmailやYahooといったインボックスプロバイダごとに評価することで、エンゲージメントの状況を把握しやすくなります。さらに、プロバイダ特有の問題も見つけられるかもしれません。
例えば、SendGridのマーケティングチームで実際にあったことですが、特定のISPがメールを適切にレンダリングしておらず、特定のセグメントでのエンゲージメント低下を招いていました。この時は、主なインボックスプロバイダごとにテストを行い、エンゲージメントを確認することでその問題を特定することができました。
プロレベルになるために
宛先リストのバイタルを定期的にチェックし、健全なメール配信習慣がすでに根付いている、という場合は、さらなる改善のためにこんな方法もあります。
メールアドレスを検証する
メールアドレスの有効性を検証することは、サプリメントのようなものです。ジムに通うこと(=正しいメール習慣と良好な衛生状態を保つこと)の代わりにはなりませんが、メールアドレスの登録時点でその有効性を検証することによって、送信元のレピュテーションを保護し、不適切なメール送信を未然に防ぐことに繋がります(後から発覚するよりもはるかに良いです)。
まとめ
メールの各指標は宛先リストが健全かどうかを把握するのに効果的です。しかし、メールを開封した人を確認すれば良い、といった単純なものではありません。
エンゲージメントの実態を掴むために、開封率だけではなく、迷惑メール報告率やユニーク開封率も考慮してください。バイタルチェックに慣れたら、月ごとやキャンペーンごとのパフォーマンスを確認し、計測戦略に本腰を入れましょう。
メールの計測戦略はダイエットやエクササイズに良く似ていて、必ずしも最後までやりきる必要はないということを覚えておいてください。健全なメール配信のためには正しい習慣と継続的な気配りが必要であり、これは長い旅のようなものです。簡単なことではありませんが、長い旅路の果てに利益をもたらすでしょう。
メールマーケティングについてより詳しく知りたい方は、2019 A-Z Email Marketing Best Practice Guide も参考にしてみてください。