1日100億通以上!数字で見る2023年のブラックフライデーとサイバーマンデー

1日100億通以上!数字で見る2023年のブラックフライデーとサイバーマンデー

この記事は Black Friday & Cyber Monday 2023 By The Numbers の抄訳です。

感謝祭は家族や友人との団らんを楽しむ時間であると同時に、受信トレイに届いた割引やプロモーションを利用する絶好の機会でもあります。逆に、そういったメールを送る側にとっては、ブラックフライデーやサイバーマンデーは1年の売上を大きく左右するとても緊張感のある期間であると言えます。Twilio SendGridにとってもそれは同じで、お客様のニーズと要求に合わせてスケールできるよう年間を通して準備を進め、プラットフォームを強化してきました。

その結果、無事に今年も何の問題もなくメール送信をやり遂げ、なんと今年は、ブラックフライデーに処理したメールが106億通、サイバーマンデーが103億通と両日ともに100億通の大台を超えました。

全体像

上述の通り、凄まじい送信通数を記録した訳ですが、その裏にはSendGrid全体のパフォーマンスやユーザが実施していた戦略が潜んでいます。2023年11月20日(月)から27日(月)までのサイバーウィークで処理したメールは640億通以上。メールの処理数は前年比で2桁成長を続けており、商取引における主要チャネルとしてのメールの重要性を裏付けています。

ブラックフライデーとサイバーマンデーでは、メールの量がそれぞれ20.69%と15.72%増加しました。よく聞かれるのですが、これほどの成長の原動力は何でしょうか?SendGridを導入する企業が増えているのでしょうか?それとも既存顧客の配信量が増えているのでしょうか?端的に言えば、両方です!メールは大きなROIをもたらし続けており、企業からの連絡を受けるチャネルとして最も好まれています。

メールの量

送信量が最も多かったのは11月24日(金)午前6時(※太平洋時間)からの1時間で、8億550万通のメールが処理されました。これは2022年の数値から21.3%の増加です。その後、最も多くのメールが開封されたのは11月27日(月)午前7時から午前8時でした。この時間帯に開封されたメールは7,330万通で、2022年の数値から32.8%の増加です。送信量のピークと開封(つまりエンゲージメント)のピークの間の、この小さいながらも大きな差異は、サイバーマンデーという名称が実に適切であることを示唆しています。

1日ごとの通数

超高速配信

サイバーウィーク期間中のメール配信のエンドツーエンド時間の中央値は3秒でした。これはブラックフライデーとサイバーマンデーのピーク時でも同様です。
しかし、一部のメールボックスプロバイダにおいてピーク時に一時的な中断が発生したことは注目すべきです。ブラックフライデーにはApple、Comcast、Orange.frドメインに送信したメッセージのエンドツーエンド時間が3倍以上に増加し、また、サイバーマンデーにはComcast側の技術的問題によりエンドツーエンド時間が大幅に増加しました。

メールボックスプロバイダの反応

メールボックスプロバイダがメールをブロックする理由は様々です。技術的な問題があった、受信者のメールボックスが一杯だった、送信者レピュテーションやメールの内容に問題があったということもあるでしょう。重要なのは、メールボックスプロバイダがブロックなどの応答コードを返したら、その情報を元に業務フローやキャンペーンをきちんと改善するということです。これこそが高い送信者レピュテーションを構築するために必要不可欠なことなのです。

SendGridでは、バウンスの理由をカテゴリ分けすることで、お客様がメール不達の理由を特定し改善できるようにしています。また、必要に応じて自動的に送信調整するようにプラットフォームを更新しています。

メール配信量の急増に対するメールボックスプロバイダの反応を分析したところ、全体的なブロック率は10%減少していることがわかりました。サイバーウィーク期間中、メールコンテンツに関連するブロックは通常の週と比較して14.7%減少しました。しかし、送信者のレピュテーションに関連するブロックは36%増加していました。迷惑メール報告が26.4%増加したことについては、無理もありませんね。また、SendGridが ”technical failure” と呼んでいるタイプの拒否は20%増加していました。これはメールボックスプロバイダ側の技術的な問題により配信が失敗したものであり、この時期のメールの急増はどんなに大規模なシステムでも問題が発生する可能性があるということを示唆しています。

メールのエンゲージメント

次は、受信者がどのようにメールにエンゲージメントしたかについて見ていきましょう。ホリデーシーズンに送信されたメールの件名は、99%は20単語以下、90%は1~11単語で、最も多かったのは6単語でした。

6単語の件名の例:

  • ⚡️ CYBER MONDAY STARTS NOW ⚡️
  • 🎁 Cyber Monday bonus deal inside!
  • Shop local this Small Business Saturday
  • 🖤 Black Friday has arrived!
  • Our biggest sale of the year

6単語の件名はとても簡潔でインパクトがありますが、最も開封率が高かったのは極限まで短いものでした。エンゲージメントについては2〜4単語の件名で大差はなく、6単語のものよりも効果的でした。完璧な件名になる法則、といったものはありません。件名で最も重要なのは、読み手を知り、自身のブランドがどう思われているかを知り、両者の架け橋となるメールを作成することです。

次は絵文字 😀🎃🎄🎆🎇🧨✨🎈 についてです。これらの現代象形文字が件名でどのように使用されたかを分析しました。データ量がとてつもなく多かったので、100万回以上使用された絵文字に絞っています。最もよく使われた絵文字TOP10はこちらです。

よく使われた絵文字TOP10
  1. 火 🔥 – 1,013,311,036
  2. プレゼント 🎁 – 975,682,513
  3. キラキラ ✨ – 862,490,787
  4. 目覚まし時計 ⏰ – 797,254,705
  5. クラッカー 🎉 – 772,935,690
  6. 目が星の笑顔 🤩 – 465,295,866
  7. 爆発 💥 – 457,705,610
  8. 目 👀 – 427,480,857
  9. 稲妻 ⚡ – 388,343,694
  10. 目がハートの笑顔 😍 – 381,831,928

今年はさらに一歩踏み込んで、開封率に影響を与える絵文字があるかも確認しました。興味深いことに、開封率が高い件名ランキングの中に「よく使われた絵文字TOP10」のものはありませんでした。

絵文字 配信数 ユニーク開封数
(MPPを除く)
ユニーク開封率
📅 カレンダー 71,046,300 13,510,031 19.02%
🚚 配送車 32,059,967 5,176,994 16.15%
溶ける顔 溶ける顔 1,116,643 156,839 14.05%
📝 紙とペン 9,557,166 1,341,886 14.04%
カナダの国旗 カナダの国旗 1,192,080 158,553 13.30%

絵文字とクリック率の相関関係も調べてみました。やはり、クリック率が高い件名ランキングの中に「よく使われた絵文字TOP10」のものはありませんでした。

絵文字 配信数 ユニーククリック数 ユニーク開封率
🚚 配送車 32,059,967 1,403,228 4.38%
💋 キスマーク 70,605,080 2,410,753 3.41%
💬 吹き出し 9,189,520 306,997 3.34%
🏠 家 30,388,248 808,964 2.66%
のぞき見する顔 のぞき見する顔 8,994,518 183,711 2.04%

これは興味深いデータではありますが、統計データにも目を向けてみましょう。サイバーウィーク期間中の開封率を抜き打ちチェックし、今年10月のある週の開封率と比較した結果、サイバーウィーク期間中の平均開封率は3.2%低下していることが分かりました。つまり、受信者のメール疲れが現実に起こっていて、それによって開封が減り、未開封のまま削除されるメールも増えていた可能性があるということです。メールがゴミか宝物かは、件名だけで判断されているのかもしれませんね。

もちろん件名は重要です。しかし、好まれるコミュニケーションの基準や頻度を理解することもとても大切です。これには、テスト、観察、調整、再テスト…を繰り返す他ありません。

SendGrid Engagement Qualityスコア(SEQ)

SendGrid Engagement Qualityは、5つの指標でお客様のメール配信の質を測定したものです。年間を通してSendGridの全トラフィックのSEQスコアは驚くほど一貫しており、10%以上変動することは滅多にありません。しかし、サイバーウィーク期間中にお客様の平均SEQスコアが2.5%低下したことがありました。これは開封率の低下によるものです。 開封率が低いと、SEQスコアの2つの指標が下がります。「Unique open rate(開封率の高さ)」と「Engagement recency(エンゲージメントの新しさ)」です。

メールの量が多すぎると受信者の心は離れていき、その結果、メールのエンゲージメントにも悪影響が出てきます。渾身のメールに気づいてもらいたいところではありますが、彼らは迷惑メール報告をしたり、メールを削除したり、配信停止をしたり、あるいは、過剰なコンテンツや多すぎるメールを無視したりすることもできるのです。ホリデーシーズンだからといって、無制限にメールを送れるとは思わないでください。リターンには限度があるのです。

さいごに

サイバーウィークが一段落した今、メール業界に変化が起きていることを認識する必要があります。Gmailが新しい送信者要件を発表し、Yahoo!などのメールボックスプロバイダもそれを採用しています。また、Appleのメールプライバシー保護(MPP)により、正確な開封情報が取得できない状況も続いています。サイバーウィーク期間中、MPPによる開封は全体の70%近くを占めました。かつてはメールのエンゲージメントを測るための絶対的基準であった開封率も、今では重要指標ではありません。

次のホリデーシーズンに向けて、次の2点を検討しましょう。

  1. エンゲージメントを判断する際は、クリックを重視しましょう。クリックは信頼できる指標であるだけでなく、コンバージョンを促進するための重要なアクションでもあります。
  2. SendGridを使用されている場合は、sg_machine_openパラメータの使用を強くお勧めします。MPPやキャッシュシステムなどによって引き起こされる、人間以外のエンゲージメントを識別することができます。

より良い意思決定をするためには優れたデータが必要であり、それは、誰がメールを開封しているのか(機械なのか人間なのか)を理解することから始まります。

2023年のSendGridのホリデーシーズンを振り返ると、飛躍的な成長と、極めて高い配信到達性と、1年の大事な時期にお客様の期待に応えることができたという点で、結果は大成功だったと言えるでしょう。

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