【2018年版】数字で見るブラックフライデーとサイバーマンデー

【2018年版】数字で見るブラックフライデーとサイバーマンデー

この記事は Black Friday & Cyber Monday 2018 By The Numbers の抄訳です。

2018年末、SendGridは一年でもっともメールの送信通数が多くなるブラックフライデーとサイバーマンデーを無事乗り越えました。今回は、この期間にSendGridが送信したメールから得られたデータを見ていきたいと思います。次のホリデーシーズンがより良いものになるよう参考になれば幸いです。

参考:ブラックフライデーとサイバーマンデーのデータ (2017年版)

送信通数の概要

今年のブラックフライデーとサイバーマンデーに送信したメールの通数は前年比でそれぞれ43%と37%増加していました。これらの期間にメール送信が集中するのは、ホリデーシーズンのショッピングイベントを盛り上げるブランド側と、それに価値を感じる消費者側双方にとって重要な時期であることを物語っています。

送信通数の概要

ビックリマーク(!!!)の使用動向

今年のブラックフライデーの期間中、マーケターはビックリマークを件名で使用する回数を減らしました(昨年比12%減)。一方、2018年全体では2017年よりわずかに使用回数が増えていました。
2017年は件名にビックリマークを含んだメールのエンゲージメントは平均より低かったのですが、2018年もその傾向は続いているようです(ビックリマークなしのエンゲージメント率25%に対して、ありの場合20%)。このことから、消費者はその時期が1年の中でどういう時期かを認識しているので、消費者の行動を促すのに視覚的な強調は不要、ということが読み取れます。

ビックリマークの使用動向

明白なことをわざわざ記載すること

昨年は、件名に「ブラックフライデー」と書くとエンゲージメントが低くなる傾向が見られました。各件名の平均的なユニーク開封率は次のとおりです。

  • 件名に「ブラックフライデー」を含む:14%
  • 件名に「サイバーマンデー」を含む:12.5%
  • 件名にこれらの記載なし:25%

開封率を向上させるにはどうすれば良いのでしょうか?巧妙で説得力のある価値提案でないにしても、件名をセグメント固有の興味をひくものにしたり、過去の購入行動を考慮したり、今までと異なる独創的なものにしたりするなど、よりクリエイティブな件名をテストすることが重要になるでしょう。

単に件名でショッピングシーズンを思い出させるだけでは不十分なのです

あらゆるWebサイトやTVコマーシャルが「ホリデーシーズンはすぐそこ」というわかりきったメッセージを発信しています。マーケターはこれらのメッセージとの違いを出すようさらなる努力をする必要があります。2018年は、マーケターはこのことを学習し、件名に「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」と記載する割合は2017年と比較して減りました(昨年の18%に対して今年は13%)。

信じるかどうかは別として、消費者はメールを欲している!

ブラックフライデーの期間中に注視し続けている傾向のうち面白いものの一つに「送信から開封までの時間差」があります。通常の金曜日には、この時間差は約4.5時間です。一方、ブラックフライデーには、この時間差が約42分間短くなります。休日であり、、さらにセールもあるということがエンゲージメント向上に強く影響していると考えられます。
また、驚くべきことではありませんが、この時間差はデスクトップ環境と比較してモバイル環境ではわずかに短くなっています。

ブラックフライデーの期間中の「送信から開封までの時間差」

*2017年のデータ

件名での割引きへの言及

毎年マーケターは利益の確保と販売促進のための活動(割引き)のバランスを取らなくていはいけません。一方、消費者は本当にお買い得なものはどれか?稼いだお金をどこで使うか?といったことを吟味する必要があります。2018年にメールの件名で割引きに言及した割合は、2017年の水準15%を大幅に下回る6%に留まりました。これは2016年の水準をも下回ります。2017年に見られた傾向では、割引きに言及している件名がエンゲージメントを低下させていました。
大きな差ではありませんが、割引きに言及した件名がそれほど高いエンゲージメントを示していないのは驚きでした。

ちなみに、もっとも人気の高い割引率は「二割引き」で、その次に「五割引き(半額)」や「三割引き」が続く結果となりました。

二割引き

割引きに言及した件名

緊急性の演出

メールの件名で割引きに言及することは、興奮と緊急性を演出する手法の一つに過ぎません。お客様にショッピングイベントのタイミングが重要であることを伝える方法は他にもあります。件名に「まもなく」という行動を喚起する単語を含めるのは、「今」という表現よりも良いエンゲージメントを示していました(ユニーク開封率で16%に対して25%)

2017年と比較して2018年は、緊急度を煽る件名のメールはユニーク開封率が約1.5倍程度良い結果となりました

2017年と同じく、件名には「今日」より「明日」を使う方が良いエンゲージメントを示していました(ユニーク開封率で16%対して17%)。将来のリマインダの方が、今すぐすることを言われるより受信者への「アタリ」が良いのではないかと考えられます。

緊急度を煽る件名

緊急度を煽る件名

言葉数は増える傾向に

件名は、受信者の注意を引くもっとも重要な要素です。多くのメールクライアントでは限られた表示領域しかないため、件名が長すぎると問題が生じます。また、モバイル画面を考慮すると、その領域はさらに貴重なものになります。

2018年は、件名が7~8単語(英語)のメールがもっとも多かった

2017年は、件名が7単語の割合が最大でしたが、その次は5単語や6単語と短いほうが好まれるようでした。2018年には8単語が使用される傾向がありました。

言葉数は増える傾向

正しい決定を

今年確認した驚くべき観察結果の一つに、リンクのクリックのされ方がありました。ブラックフライデーに送信されたメールのリンクをクリックした受信者のうち、26%がメール内の同じリンクを複数回クリックしていました。この割合は昨年の22%から上昇しています。

人間の行動パターンを考えてみましょう。昼食を購入するために列に並んでいる最中にメールを受信すると、リンクをクリックしてもコンバージョンには至りにくいと考えられますが、その後、時間に余裕ができた時にリンクをクリックするとコンバージョンに至るかもしれません。この挙動の背景が何であれ、明確なことが一つあります。それは、受信者は同じメールに戻ってくるということです(そして、かなりの数になります)。

また、クリック回数全体のうち2/3はそれぞれ異なるリンクのクリックによるものでした。残りの1/3は同じリンクの複数回クリックによるものでした。

我々は過去の分析から、メール疲れが事実であることを学んでいます。メールの送りすぎは到達率とエンゲージメントを悪化させます。一つのメールに複数のCTAを入れることはできるかもしれませんが、多すぎるCTAは受信者の興味を失わせることも肝に銘じておいてください。ABテストを行い、適正なCTA数と送信頻度を決定しましょう。

バランスが重要

コンテンツとは別に、送信者が決定できるもっとも重要な要素の1つが、メールの送信頻度です。2017年9月から11月までの1週間あたりの送信頻度とエンゲージメント率(ユニークエンゲージメント数をユニーク宛先数で割ったもの)を分析したところ、送りすぎは良くない傾向があることがわかりました。送信頻度が増えるにつれて、すべてのエンゲージメントの増加率が下がったのです。

1週間あたりの送信通数を1通から2通に増やすと、通常その週に25%以上がエンゲージしました

さらに3通に増やすと、エンゲージメント率は9%しか増えず、4通に増やすとエンゲージメント率はたったの3%しか増えませんでした。

このデータからたくさん送ればいいというものではないことが推測できます。そして、エンゲージメントの欠如したメールは、Gmailのようにエンゲージメントを重視するメールボックスプロバイダにおいて、確実に送信者のレピュテーションを下げます。

送信通数を増やすことによるエンゲージメントの獲得と、送信者のレピュテーションへの悪影響を避けることのバランスを取ることが重要になります。

まとめ

ブラックフライデーとサイバーマンデーの大混乱と興奮は過ぎ去りましたが、本当の仕事と課題はこの先にあります。ホリデーシーズンは、スーパーボウルの他に、特別なイベントや半年ごとの売上高のレビューなどもあり、送信者はさまざまなことを経験します。次のホリデーシーズンまでに、ビジネスをうまく回すためのROIを達成するために、コンテンツ、送信頻度、タイミング、そして割引きなどの適切な組み合わせを見つけることが、年間を通じた大きな仕事(と課題)になります。

メールは永久に実験することのできる素晴らしいチャネルです。将来のために、結果だけでなく、その結果に至る試行錯誤も含め時間を割いて学習するようにしてください。
メールマーケティングの実験とテストについては「Your Guide to Email A/B Testing and Optimizing Your Call to Action」も参考になると思います。

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