メールが受信トレイに届くまで

メールが受信トレイに届くまで

この記事は How Email Delivery Works: Understanding the Email Journey の抄訳です。

メールが送信されてから受信トレイに届くまでには複雑なステップが存在し、配信を成功させるためにはこのプロセスを理解しておく必要があります。Twilio SendGridを例に、特に重要なポイントを見ていきましょう。

メールが宛先に届くまでの流れ

メールの作成

まずはメール文面の作成です。プロモーションの案内であれ、ニュースレターであれ、重要なお知らせであれ、コンテンツは送信者と受信者とのコミュニケーションの起点となります。メールを作成した後は、SendGridにメール送信リクエストを送りましょう。

認証情報のチェック

メール送信リクエストを受け取ったSendGridサーバは、認証情報として渡されたAPIキーを確認し、そのユーザがメールを送信する権限を持っているかチェックします。
次に、Domain Authenticationの設定状況をチェックし、SPFDKIM認証に必要な情報をメールに付与します。

なお、この記事ではメールの一般的な送信経路のみについて述べていますが、実際には他の処理も行っています。例えば、SendGridの配信停止機能が使用されている場合は本文内に配信停止リンクを設置し、宛先メールアドレスがサプレッションリストに登録されている場合はこのタイミングでメールを破棄(Drop)します。

宛先メールサーバへの接続

チェックを終えたら、SendGridは次のようなステップで宛先メールサーバとの接続を確立します。

  1. 宛先メールサーバへの接続を試み、応答を待ちます。
  2. 接続に成功すると、宛先サーバから接続を受け入れた旨の応答が返されます。
    送信元のIPアドレスやドメインのレピュテーションが低い、同時接続コネクション数が多すぎる等の場合には、この段階で接続が拒否されることもあります。
  3. 接続が受理された場合は、逆引きDNS(rDNS)と接続元のIPアドレスによって、送信者の身元を証明する必要があります。
  4. その後宛先サーバは、メッセージの詳細や宛先メールアドレスの有効性を確認します。

受信側におけるフィルタリング

上記のチェックを通過すると、次はスパムフィルタによるチェックが行われます。ここでは、送信者のレピュテーションやメールコンテンツ、送信ドメイン認証の結果など、さまざまな観点で精査されます。コンテンツが不審だと判断された、送信元がブラックリストに掲載されている、送信ドメイン認証に失敗したといった場合には、受信拒否される可能性があります。
例えば、送信元ドメインのDMARCレコードに設定しているポリシーが「reject(拒否)」の場合、DMARC認証に失敗するとメールは必ず受信拒否されます。

また、送信元ドメインやIPアドレスがSpamhausやSpamCopといったブラックリストに掲載されている場合も、メールの到達率に影響を与えます。ただし、ブラックリストは何百もあり、影響力やリストに掲載される基準はそれぞれ異なります。ブラックリストについてはこちらの記事でも紹介しています。

ほとんどの場合、宛先サーバからの応答に判断理由も含まれますが、その文言や詳細度は宛先サーバそれぞれで異なります。

ここまでのチェックを通過した場合でも、その後メールをどう扱うか(受信トレイに届ける、迷惑メールフォルダに届ける、メールを破棄するなど)の判断は宛先サーバに委ねられます。通常、メールがどのように処理されたかは送信側では確認できないため、メールの行方を調査する必要がある場合は宛先サーバに問い合わせる必要があります。

拒否されたメールの処理

メールが拒否(バウンスまたはブロック)された際、SendGridは宛先サーバの応答に基づいて対処します。
メールアドレスが無効または存在しないといった恒久的なエラー(バウンス)の場合、SendGridはそのメールアドレスをバウンスリストに登録し、以降送信しないよう自動的に制御します。バウンスリストに登録されたメールアドレスは宛先リストから削除しましょう。
一方、短時間に大量のメールを送信した、サーバへの接続に失敗したといった一時的なエラー(ブロック)の場合は、SendGridは状況に応じて再送を試みます。再送の結果、メールが宛先に届くか様子を見ましょう。

SendGridではブロックやバウンスの理由を7つのカテゴリに分類して管理しています。

  • Invalid address(宛先メールアドレスが無効)
  • Technical failure(技術的要因によるエラー)
  • Content(コンテンツ)
  • Reputation(レピュテーション)
  • Frequency or volume too high(大量/高頻度のメール送信)
  • Mailbox unavailable(メールボックスが利用不可)
  • その他

詳しくはこちらをご覧ください。

メールが受信トレイに届くまでに様々なプロセスを経ていることをおわかりいただけましたか?
SendGridでは、メールの到達状況、開封率やクリック率、バウンス/ブロックの理由など、メール運用の改善に役立つ様々な指標をトラッキングし、分析することができます。
これらを活用し、メールを確実に受信者まで届けましょう。

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