数字で見る2024年のブラックフライデーとサイバーマンデー

この記事は Black Friday & Cyber Monday 2024 by the Numbers の抄訳です。

Twilio SendGridがブラックフライデーとサイバーマンデーの振り返りを初めて公開したのは8年前のことです。公開に踏み切ったのには2つの理由がありました。1つはホリデーシーズン中に増加した通数をSendGridがどのように処理したかを評価すること、もう1つは送信者の収益に影響を与えるであろうホリデーシーズンの傾向とパターンを調査することです。

2016年、SendGridはブラックフライデーに16億通ものメールを処理しました。記録的な量のメールを処理できたこと、大きなトラブルがなかったことを祝った後は、すぐに翌年の送信に向けた計画を立て始めました。
ホリデーシーズンのメール送信量がそれ以外の期間とは一線を画すことがわかって以来、これがサイバーウィーク後の恒例行事となっています。

そして8年後、ホリデーシーズンの1日あたりの送信量は100億以上に達しました。

全体像

サイバーウィークは年々盛大になっています。米国でホリデーセールとして始まったものが、国際的なイベントとなりました。世界中の小売業者が利益を上げるために、大幅な値引きや超特価品、数量限定、期間限定セールなどを実施しています。

今年、SendGridは、11月26日（火）の朝から12月2日（月）の夜までの間に655億通を超えるメールを処理しました。 サイバーウィーク全体の処理数は前年比で15.6%増加したといえます。
内訳を見ると、ブラックフライデーでは1日で120億通超のメール（前年比13.5%増）、サイバーマンデーでは117億通のメール（前年比14.2%増）を処理し、いずれも2桁成長を記録しました。

グラフ（下図）によると、ブラックフライデーとサイバーマンデーの通数は依然として拮抗していますが、今年はブラックフライデーのほうが多くメール送信されたことが分かりました。
ここ数年でブラックフライデーの通数が増加しているのには、二つの要因が関係していると考えられます。一つは、ブラックフライデーの店舗営業時間を短縮しオンラインセールを実施する小売業者が増えていること、もう一つはコロナ禍の影響で実店舗を持つ小売業者が少なくなっていることです。

さらに今後は、近年マーケティング活動が行われるようになったギビングチューズデーにも注目すべきでしょう。

ブラックフライデーの期間中、SendGridは、ピーク時に1時間あたり約10億通のメールを送信しました。ブラックフライデーで最も送信通数が多かったのはEST（米国東部標準時）の午前9時、サイバーマンデーではESTの昼12時でした。

ほとんどの場合、開封のピークは送信後1時間以内に発生しますが、送信時刻と開封時刻のピークは必ずしも相関関係にあるわけではありません。
ブラックフライデーとサイバーマンデーの開封のピークは、それぞれ午前10時（EST）と午前11時（EST）でした。

スケーラビリティと到達性

SendGridの提供開始時、ホリデーシーズンに大量のメールを送るという考えはまだ浸透していませんでした。そのため、当初は成長率が平坦でしたが、APIベースのメール転送エージェント（MTA）がトランザクションメール以外にも活用できるという認識が広まるにつれて、ホリデーシーズンに通数が変動するようになりました。そして、SendGridのスケーラブルなアーキテクチャの真価が示されたのです。

11月全体を振り返ると、サイバーウィークと通年の送信量の両方が継続的に増加していることがわかります。送信量は急増し、年々どころか、日々更新されています。

しかし、たくさん送れるだけでは十分ではありません。通数は高速な処理と密接に関係しています。SendGridは、大量のメールをできるだけ早く処理できるようにプラットフォームを構築し、滞留することなく受信者に届くようにしています。

ホリデーシーズン中、メール送信時間の中央値はエンドツーエンドで2.935秒でした。注文確認やパスワードリセットといったあらゆるメールが、時間どおりに配信されると言って良いでしょう。

受信トレイはいつも通り

ブラックフライデーやサイバーマンデーの期間中、ISPは通常よりもメールの受信制限を厳しくしていると思われがちですが、そのようなことはありません。受信トレイもフィルタも普段と同じであり、ベストプラクティスを理解した上でメールを送信すべきという要件も変わりません。

いつもと違うのは送信者側の行動です。送信者はこのホリデーシーズンを「なんでもあり」だと捉え、誰もがタイムセールのプロモーションメールを1時間に複数受け取りたいだろうという前提で、過剰なマーケティング活動を行ってしまいます。
繰り返しになりますが、受信側の挙動は変わっていません。送信側がメール送信のベストプラクティスに則っているか、エンゲージメントを高めるための合理的なアプローチを取っているかによって配信結果が変わります。

SendGridのパートナーであるInbox Monsterは、到達性を測定するのに役立つツールを提供しています。同社は11月27日から12月3日までの業界全体における受信トレイへの到達率が平均91.09%であったと発表しました。
これは一般的に想定される受信トレイへの到達率80〜85%を上回る数値です。サイバーウィークの受信トレイへの到達率をそれ以前の90日間と比較したところ、平均3%増加していることがわかりました。

中でも顕著だったのはOutlookで、サイバーウィーク以前の90日間で80%だったのに対し、サイバーウィーク中は89%に向上しました。Microsoftは、メールを定常的に受信トレイに届けるのが難しいISPと考えられていたため、到達率が上がったことは多くの人にとって喜ばしいことでした。
この時期の受信者のエンゲージメントが高いことと、到達率向上のためのベストプラクティスが普及したことが影響していると考えられます。

メールボックスプロバイダのインサイト

次に、期間中どのISP宛に多くメールが送られたのか調べてみましょう。
SendGridのデータによると、処理したメールのほとんどはGoogle宛で、Yahoo!とMicrosoftが続いています。

Gmailは長年、メールのエコシステムを牽引する役割を担ってきました。最近ではすべての送信ドメインにDMARCの設定を必須要件とすることで、業界の進歩を後押ししました。Gmailは、標準的な送信者認証を使用することで、メールがより安全になることを望んでいます。実際、送信ドメイン認証が適切に行われるほど、なりすましが減ってブランドへの信頼が高まり、送信者と受信者の両方にとってより良い結果をもたらすことができます。

件名について

件名は、メールの第一印象を決める重要な要素です。受信トレイで最初に受信者の目に入るのは、メールの送信者と件名です。文字、数字、絵文字を使って、送信者を明らかにし、受信者にとっての重要性や緊急性を示すことで、メールの開封を促す必要があります。

件名の文字数を調べると、39文字が最も多いという結果でした。30〜39文字の件名が多く、20文字台や40文字台の件名は少ない傾向がありました。
そこで、件名の長さと開封率の相関関係を調べましたが、相関は少ししかありませんでした。

件名の単語数に関しても同様に見てみましょう。

単語数では、7がトップに輝きました。
続いて、単語数と開封率の関係性を分析すると、文字数の時とはかなり違う結果になりました。

3単語の件名の開封率が最も高く、簡潔な件名が再びトレンドになっているようです。これは、件名は短いほど良いというよく言われるルールと一致します。
そうはいっても、本当に重要なのは「興味を引く内容」と「関連性」です。この2つを3単語で表現できたら素晴らしいですね！

人気の絵文字

件名に関して分析するのであれば、絵文字についても深掘りするべきです。
絵文字は件名で頻繁に利用されており、単語より絵文字の数が多い件名もあったほどです。
それでは、今年よく使われた人気の絵文字トップ10を発表します。

1. 🔥 火
2. 🎁 プレゼント
3. ✨ キラキラ
4. 🕰️ 時計
5. 🎉 クラッカー
6. 💥 爆発
7. 👀 目
8. 🤑 お金を表す顔
9. 🤩 目が星の笑顔
10. 🎄クリスマスツリー

まとめ

8年前に初めてブラックフライデーとサイバーマンデーの振り返りをまとめて以来、SendGridは長い道のりを歩んできました。当時は1日あたり16億通のメールを処理するだけでも大きな成果だと感じていましたが、時が進み、現在では1日あたり100億通以上のメールを送信するという記録を更新し続けています。

より多くのメールをただ送信するのではなく、共感を呼び、関心を引き、コンバージョンにつながるようなより良いメールを送ることが重要です。

ホリデーショッピングシーズンはますます盛況になっています。SendGridは、送信者の皆さまが受信者とつながるお手伝いをし続けられることにわくわくしながら、来年さらに華々しいホリデーシーズンを迎えるために準備を整えています。

素晴らしいメールの力と、メールがもたらす成功に乾杯🥂