SendGrid Night #10 開催レポート

SendGridNight#10開催レポート

2025年1月31日、池尻大橋にあるBPMにて「SendGrid Night #10」を開催いたしました!
日頃Twilio SendGridをご利用いただいているユーザ様をお招きし、LTや交流会を通じて親睦を深める貴重な機会となりました。この記事では、LTの概要や、大盛況だった交流会の様子をお伝えします。

乾杯

乾杯

弊社田中による軽い挨拶の後、さっそくですが乾杯!
各テーブルでの自己紹介や挙手アンケートなどのアイスブレイクを挟むと、アルコールの力も相まって一気に皆さんが打ち解けた印象です。

オープニングトーク:Welcome & Industry Updates

メール業界の最新動向

まずは、弊社SendGridエバンジェリストの中井より、最近のメール業界のアップデートに関する話です。
昨年何よりも話題を集めたのは、Gmailが発表した送信者ガイドラインの更新でした。Googleが求めている要件は複数ありますが、いずれも「”受信者にとって快適な受信トレイ”を実現するために送信者がすべきこと」を具体的に示したものです。

ガイドラインの更新をきっかけに日本ではDMARCを設定する企業が大幅に増えましたが、その大半はポリシーが「監視のみ(p=none)」に設定されており、DMARCの目的である「認証を通過できなかったメールは拒否して受け取らない」という理想にはまだ遠い状況だといえます。

ガイドライン適用後の日米の比較

SendGridの今

次は、弊社経由で契約したSendGridアカウントで昨年利用できるようになった機能についてのお話です。

  • New Email Activity
    UIが刷新され、複雑な条件での検索が可能になった他、長らくご要望いただいていたCSV出力や保存期間の延長が可能になりました!
  • Email Address Validation API
    実際に送信することなくメールアドレスの有効性を検証できるAPIです。宛先リストのクリーニングや、登録フォームにおける事前検証にご利用ください。
  • Email Testing
    様々な受信環境におけるHTMLメールの見た目や、ISPごとの迷惑メール判定リスクを事前に確認することができます。

代表的なものだけ紹介しましたが、使えるようになった機能は他にもあります。利用開始には申し込みが必要なものもあるので、気になる方はぜひこちらをご一読いただければと思います!

SendGridエバンジェリストの中井

続いて、SendGridで処理しているメールの通数について。
2024年のブラックフライデーには、なんとたった1日で120億通のメールを処理したそうです!実績の詳細についてはこちらでも紹介しています。

また、日本におけるデータも紹介されました。
メールを読むのに使われたOSは、Android(41.5%)とiOS(28.3%)が特に多く、多くの受信者はモバイル端末でメールを読んでいることがわかります。送信前にモバイル端末で表示チェックをすることはとても重要だといえますね。

その他、年末年始に日本固有のドメイン宛に送られたメールにおける到達率や開封/クリック率、ドメインの分布についても紹介されました。

LT1:Email Activityの活用法

続いては、弊社サポートエンジニア青木のLTです。
先ほど中井からも紹介があった新機能の1つ「New Email Activity」を使って、不達となったメールを特定し、それらが届かなかった経緯や理由を調査する方法を紹介しました。

SendGridサポートエンジニア青木

この方法を使えば送信メールの状況は概ね把握できますが、

  • ダッシュボードで確認できる不達理由は宛先サーバから返却された生のメッセージであるため、原因を特定できない場合は宛先サーバの管理者に問い合わせる必要があること
  • Delivered(宛先サーバへの到達)というステータスになっているにもかかわらず受信トレイにメールが存在しない場合は、迷惑メールフォルダを確認してほしいこと

が注意事項として挙げられました。

LT2:ワンクリック配信停止の最新情報

弊社LTの最後は、サポートエンジニア吉田によるGmailガイドライン関連のお話です。

SendGridサポートエンジニア吉田

要件の1つである「ワンクリック配信停止」は、専門的な実装が求められるため難易度が高く、弊社サポートにも問い合わせが多く寄せられます。その中から特に多い質問が紹介されました。

  • SendGridではどうやって対応するの?
    SendGridの配信停止機能を利用していれば、送信方法にかかわらず自動的に対応可能です。
  • 設定が完了したことはどうやって確認すればいい?
    Postmaster Tools(v2)で対応状況が確認できます。必要なヘッダを含めていても配信停止リンクが表示されないケースがあるため、実際の受信メールから確認できるとは限らない点に注意しましょう。
  • 対応しないと罰則がある?
    ありません。しかし、トラブルに直面した時にGoogleのサポートが受けられなくなります。

ワンクリック配信停止に対応しておけば、迷惑メール報告される可能性が下がるのは間違いありません。
Apple MailやOutlookもワンクリック配信停止に対応しているので、今後あらゆるISPで必須化されるかもしれません。これを機にぜひ設定しておきましょう!

LT3:ガイドライン変更に対応するためにサポート対応を強化した話

休憩を挟み、ここからはユーザ様によるLTの時間です。
まずはSansan株式会社でテクニカルサポートをご担当されている尾崎様に登壇いただきました。

Sansan株式会社 尾崎拓真様

Sansan株式会社 尾崎拓真様

デジタル名刺管理で知られるSansanには、名刺をグルーピングしてメールを送る機能があり、その際のSPF/DKIM認証を独自ドメインに変更することができます。Gmailがガイドラインを変更すると発表して以降、このドメイン設定関連のお問い合わせ件数が前年平均の約3倍にまで急増し、サポート体制を強化することが急務となったそうです。

まずはチームリーダーである尾崎様自身がガイドラインやDNSレコードに関する知識を蓄え、その後オペレーターに知識を共有したりヘルプページを整備したりと広げていくことで、お問い合わせに対応することができたというお話でした。知識を蓄えるフェーズでは、弊社のウェビナーやブログも活用してくださったとのこと。少しでもお力になれたなら嬉しいです。

ガイドライン更新の発表後は弊社サポートでもお問い合わせ件数が急増しました。共感できる点や参考になる点が多くある内容でした!

LT4:WordPressとSendGridでユーザーコミュニケーション

続いては、株式会社破滅派の高橋様より、WordPressで作成したWebフォームに、ちょっと変わった方法でSendGridを組み込んでいるというお話をいただきました。

株式会社破滅派 高橋文樹様

株式会社破滅派 高橋文樹様

なんと高橋様の本業は小説家!その傍らで小説投稿サイトと出版社を運営されているそうです。
WordPressにはメール送信ができるプラグインがいくつも存在しますが、高橋様はプラグイン「Hamail」を自作しています。このプラグインの驚くべき点は、WordPressのエディタで書いたものをそのままメールとして送信できるということ!SendGridの宛先リストをToとして指定することや、定期送信、WordPressのデータの差し込みも可能なんだそうです。想像以上に多機能ですね!

それでもまだやりたいことは尽きないそうで、今後はパーソナル・リマインダー機能やAI連携などを実装していきたいとのことでした。終始あちこちで笑いが起こる、とても面白い発表をありがとうございました!

LT5:公共系SaaS屋として確実にメールを届けるために日々実施していること

LTラストは、ふるさとチョイスで知られる株式会社トラストバンクの武田様です。武田様は自治体向けのDX系SaaSである「LoGoチャット」等を運用する部署に在籍されています。

株式会社トラストバンク 武田可帆里様

株式会社トラストバンク 武田可帆里様

Google Apps ScriptとSendGridのWeb API、そしてChatGPT APIを組み合わせて、スプレッドシートでバウンスの管理をする方法をご紹介いただきました。宛先サーバから返されたバウンス理由を、ChatGPTを介することでわかりやすい表現に変更したり、スプレッドシート上でバウンスリストのデータを削除できるようにしたりするなど、日々の運用を楽にするための工夫がなされていました。

また、SendGridの障害などが原因でメールの到達率が低下した場合にすぐに検知できるよう、監視サービスであるDatadogと連携し、異常時にはSlackに通知する運用をされているとのことでした。

「私たちにとっては数十万件分の1であっても、受信者にとっては一分の1。大切なメールが当たり前に届く運用設計を心がけている」という言葉に感銘を受けました。

交流会&お悩み相談

LTの後は立食形式の交流会です!今回は、DEAN & DELUCAのケータリングを注文しました。クラフトビールとおいしい食事で会話がはずみます。

交流会

そして今回は初の試みとして、交流会の傍らでSendGridビギナー向けの「お悩み相談会」を実施しました。弊社のサポートエンジニアがお客様の疑問に直接回答するという企画です。
ブースに相談に来てくださった方たちは、実際の画面を見たりメモを取ったりしながら真剣に話を聞いてくださいました。ここでの会話がお客様のお役に立てば良いなと思います。

お悩み相談会

さいごに

今回はSendGrid Night #10の様子をお伝えしました。
皆さん到着するなり他の参加者と会話を積極的にされていて、とても盛り上がった印象のある会でした。
普段お客様と直接会話する機会が少ないので、私たちも生の声を聞くことができ非常に刺激の多い1日となりました。またこのようなユーザ会を企画していこうと思います!

最後になりますが、ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!またお会いしましょう。

交流会の様子

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