Send With Confidence Tour Tokyo 2018 開催レポート
- 2018年6月12日
- by 関口 敬子
- Category: イベント・セミナー
SendGridサポート&マーケティング担当の関口です。
2018年5月29日(火) TECH PLAY SHIBUYAにて、第2回 Send With Confidence Tokyo を開催したのでレポートします。
まずは、ご参加いただいた皆様ありがとうございました!少し席数を増やしたのですが、おかげさまでほぼ満席となりました。
今回の見所はなんといっても、VP of Tech OpsによるSendGridのインフラやアーキテクチャに関するセッション!月間400億通ものメールを一体どうやって捌ききってるの??と気になっていた方も多いかと思いますが、実はSendGrid社がこういった話をするのは世界初だとか!弊社中井の熱烈なアプローチと根回しによって今回実現することができました。SendGrid社の発表資料については残念ながら非公開とのことですが、同様のイベントを定期的に企画してまいりますので、ぜひ今後もDoorkeeperをチェックしていただければと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、今回のイベントの様子を以下簡単にご紹介します。
株式会社構造計画研究所 SendGridエバンジェリスト / 中井 勘介
チャット等のコミュニケーションツールの台頭により「メールは終わった」なんて言われることもありますが、メールを全くチェックしないという日はないのではないでしょうか?
「他のチャネルに比べ、メールのROIは飛び抜けて高い」「実は正当なメールの20%が宛先に届かずに消えている」等、ビジネスにおいてメールを確実に届けることがどれほど価値があることなのか、および、弊社(構造計画研究所)がSendGrid日本代理店として何を提供しているのかについて解説しました。
また、「eBay」での活用事例の紹介もありました。元々オンプレでメール配信していたeBayですが、SendGridに移行してからは機械学習を利用したリアルタイムパーソナライゼーションメールを送信しており、その通数は月10億通以上にものぼるそうです。すごい量ですね!興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください。
SendGrid社 Sr. Email Delivery Consultant / Seth Charles氏
12ヶ月で「全世界に存在するすべてのユニークメールアドレス」のうちの約半分にリーチしていたというSendGrid。この圧倒的な量のメールの配信データから得られた興味深い知見について、Sethがまとめてくれました。以下、トピックを一部ご紹介します。
- 日本では特にモバイルでの使用率が高く、58%にもなる
- Gmailの使用率も増加傾向
- 携帯キャリアの中でも特にドコモではブロック率が2%を超えており、これはレピュテーションに影響するレベル(原因はドメイン指定フィルタ)
- 大量のメールを深夜や朝方に送りつけてはいけない
- 送信元IPアドレスは適切な数で
- Gmailモバイルアプリにおける企業ロゴの表示条件
- 調査した結果、意外なことにDMARCは必須条件ではなかったそうです
- レピュテーションの算出方法は今後ますます複雑化していく
- パーソナライゼーションとスマートセグメンテーションが鍵
また、「 ”これをやればOK” という抜け道はない」ということも強調されていました。受信者のことを第一に考えた、地道で誠実なアプローチこそが成功への近道となりそうです。
SendGrid社 VP of Tech Ops / Jamie Tischart氏
メール業界20年のJamie。SendGrid内部の取り組みやシステムについて、カイゼン、カンバン、ムダ・ムラ・ムリの排除など、トヨタ生産方式になぞらえて解説してくれました。
個人的に最も興味深かったのはやはりシステム周りの構成で、
- 世界中に分散配置されたインバウンドサーバ(=Geopod)
- 実は、東京Geopodもすでに追加されています!
- 各Geopodのトラフィック監視と世界規模での負荷分散
- ネットワークの冗長化
- 複数のインフラベンダーの併用
- AWSとはテクノロジーパートナーシップも結んでいます
- 大きく余裕を持たせたキャパシティ
- 30秒単位での配信状況モニタリング+自動アラート
など、何か問題が起きても全体としての可用性・信頼性を担保するための設計や、状況の見える化、および即座に対応するためのエスカレーションの仕組みについて、予想以上に具体的な説明があって非常に面白かったです!
その他、前向きで真摯な改善活動からはSendGridの文化 (4H = Humble, Honest, Hungry, Happy) が透けて見えるようでした。また登壇して欲しい!
【ユーザ事例】株式会社一休 / しばやん様
ホテルやレストランの予約サービス 一休.com では、オンプレからAWSへの移行を機に、SMTPサーバもSendGridへ移行されたとのこと。
ISO-2022-JPから解放され、コストは下がり、ログやリトライ処理もバッチリ。移行後はすこぶる順調だったとのことですが、2017年に発生してしまったSendGridの障害で状況は一変します…。
実体験から得られた教訓と改善策は、非常に参考になりました。メール再送時の細かいケアは、予約サイトならではですね。こちらは資料が公開されているのでぜひチェックしてみてください!
しばやん様のレポートブログはこちら。
Happy Hour(懇親会)
軽食は前回同様ハミングバードテーブルさんに用意していただきました。今回も大変かわいらしくて美味しかったです。
懇親会ではお酒も入り、会話もはずんでいた様子でした。普段はなかなか接することのない他のSendGridユーザさんやスタッフとのざっくばらんな情報交換の場としてご活用いただけていれば幸いです。ご参加いただいた皆様、改めてありがとうございました!
Special Thanks :山下 智晃(写真提供)