2019年ホリデーシーズンのメール送信動向
- 2020年5月26日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス
この記事は 2019 Holiday Email Sending Metrics の抄訳です。
昨年のクリスマス商戦は既に遠い昔の出来事ですが、中には今年の作戦を練り始める人もいるでしょう。どんな戦略を取るにせよ、新規顧客を獲得し、既存顧客へと変えていくための恰好の試行錯誤の場であることに間違いはありません。
全体像
メールはいろいろな種類のデータが取れるチャネルであり、無数のデータを使って効果測定ができることが利点です。Twilio SendGridでは2019年のブラックフライデーとサイバーマンデーにそれぞれ42億通、43億通のメールを処理しています。下の棒グラフは両日にSendGridで送られたメール総数を年ごとに表したものです。設立当時からのSendGridのサービス基盤と、ホリデーシーズンのショッピング市場規模が毎年拡大を続けていることがわかります。
次に、過去4年間のホリデーウィークだけを見てみましょう。金曜日と月曜日だけでなく、週全体で送信数が年々顕著に増加していることがわかります。
モバイル端末でのクリック
近頃は多くのメールがモバイル端末で見られていることがわかっています。転換点は数年前で、モバイル端末経由の購買が年々勢いを増していることをウェブ分析企業が発表しています。では、メールの開封よりもずっと重要な指標—メール文中のリンクのクリックは、どれぐらいモバイル端末経由でされているのでしょうか。
ブラックフライデー・サイバーマンデーの週におけるクリックイベントの65%はモバイル端末からでした!人々はモバイル端末をメールを閲覧するためだけに使っているわけではなく、ちゃんとリンクをクリックしていることもわかりました。
当たり前の事実は件名に書かない
メールの件名に休暇に関する言葉を含めることは、受信者の反応(エンゲージメント)にどんな影響を与えるでしょうか。過去の調査と同様、今がホリデーシーズンだという当たり前のことについては言及しない方が、言及する場合よりも反応は良いとわかりました。またこれまで通り、件名に休暇に関する言葉が入っているメールは、サイバーマンデーよりブラックフライデーの方が良い反応を得られています。ここでの結論は、受信者みなが知っていることをあえて言う必要はないということです。祝日の連絡のような件名にはせず、メールの価値をよりよく伝えられるように心掛けましょう。
切迫性のある言葉
休暇の文言と同様に、緊急性・切迫性のある言葉は悪影響を与えかねません。感謝祭からサイバーマンデーまでの期間(Thanksgiving-Cyber Monday)、クリスマスの週(Week of Christmas)、サイバーマンデーとクリスマス週の間(Between Holidays)の3つの期間に分けて調べた結果、件名にはあまり緊急性を持たせない方が安全です。ただし、以下の棒グラフにあるように、感謝祭からサイバーマンデーの間の“tomorrow”だけは多少良い反応が得られているようです。つまるところ、あと何日で休みが来るかなんて周知の事実なのです。そんなことよりもブランドやプロダクトの周知をしましょう。その方が皆さんの仕事もシンプルになりますよね?
件名の長さ
良い件名のつけ方については、これまでにも多くの記事が書かれてきました。マーケティングにまつわるイベントの講演はことごとく、受信者の心を掴む件名のあり方を心理学の観点から説明してきました。私たちの分析によれば、34文字が最も広く使われている件名の長さだということがわかりました(英語の場合)。
割引すべきかどうか
より効果的な件名の書き方においては文字数が一番の関心事ですが、次に重要で活発に議論されているのが割引についてです。私たちの調べでは、件名で割引について言及したメールの割合は、感謝祭からサイバーマンデーの間の期間に一番高くなりました。
クリスマス週における割引への言及は2つの休暇の合間よりも少ないという結果でした。しかし、エンゲージメントという観点で重要なのは、割引への言及にどれほど効果があるかです。下のグラフからわかるように、結果は逆相関でした。すなわち、件名に割引について言わないメールの方が全般的にエンゲージメントが高いのです。
割引率に着目すると、50%と20%が最も件名に多く記載されていました。
しかしながら、20%と50%は必ずしもエンゲージメントが最も良い数字という訳ではありませんでした。60%の場合を除いて、全般的に割引率が高いと顧客からの反応が悪い結果となっています。
割引するかどうかは、メールやその件名の範疇を超えた膨大なデータを必要とする複雑な問題です。しかし、自信を持って言えることは、割引を件名に盛り込むだけでマーケターが期待するようなエンゲージメントの改善は見込めないということです。むしろブランドの価値や強みに目を向け、メールが受信者の目にどう映るかを理解して、競合他社との差別化を図るべきです。
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タイトルにあるように、感嘆符(!)や絵文字を件名に用いるかも避けては通れない問題です。しかし、答えは年々明確になっています。
感嘆符を件名に用いることは開封率の上昇に寄与しません。絵文字にも同じことが言えます。
どちらも緊急性・切迫性や休暇への言及と似ています。もちろん、感嘆符や絵文字を巧みに使って適切なターゲットに送れば効果はあるでしょう。しかし、差別化を図りたいという理由だけで安直にこのようなメールを送ることは避け、事前にしっかりとテストを行うべきです。
おわりに
膨大なデータを調べる中で、毎年同じ傾向があるとわかってきました。受信者は、既にわかっている当たり前のことに興味はありません。彼らが本当に欲しいものや必要としていることが何なのかを理解してはじめて、高いエンゲージメントが得られるのです。
どんな目的であれ、祝日のリマインダーはうんざりだし、顧客を急かす言葉も感嘆符や絵文字も効果は見込めません。とはいえ、これらは大まかに見た特徴であり、あらゆる宛先・セグメントに全く効果がないという意味ではありません。
したがって、送信者は宛先をセグメントに分けて最大限パーソナライゼーションを図るべきです。「パーソナライズ」すると言うと野心的で大袈裟に聞こえるかもしれませんが、宛先一人一人に別々のメールをこしらえることが最良のセグメントです。例えそこまでできなくても、絶妙なセグメントの切り方をできるだけ多く探し、試行錯誤を通して心を掴む件名や割引の方法を見つけましょう。
クリスマス商戦は一部の人にはただの過去の出来事ですが、12月26日から新たな計画立案のサイクルが始まると考え、行動に移す人もいます。どんな戦略を取るにせよ、メールのデータには、次の休暇のみならず今後一年間のたくさんのキャンペーンに役立つ教訓が多く隠されています。より詳細なエンゲージメントのデータを知りたい方は、2019 Email Benchmark Engagement Studyをチェックしてみてください。それでは、Happy Sending!