今、Allowlistについて知っておくべきこと
- 2025年3月21日
- by SendGrid
- Category: メールマーケティング
この記事は What Is an Allowlist? Everything You Need to Know in 2024 の抄訳です。
あなたの迷惑メールフォルダにはどんなメールが入っていますか?不要な広告メールや偽のログイン通知の中に、大事なメールが紛れ込んでいませんか?
取引先からのミーティングの招待や、購読している業界ニュースレターが迷惑メール扱いされているかもしれません。
Allowlistを使えば、必要なメールが迷惑メールフォルダではなく、受信トレイに送られるようになります。この記事では、Allowlistとは何か、なぜ重要なのか、そしてAllowlistに関するベストプラクティスについて詳しく説明します。
Allowlistとは?
メールにおけるAllowlist(以前は「ホワイトリスト」とも呼ばれていました)とは、信頼できる送信者やドメイン、IPアドレスを事前にリスト化し、それに基づいてメールのフィルタリングを行う仕組みです。Allowlistに登録されていない送信者からのメールは、スパム扱いされたり、受信トレイに届いても「不審な送信者」として警告が表示されたりすることがあります。
なお、Allowlistという概念は、ネットワークセキュリティやシステム管理にも登場します。例えば、Twilio SendGridのIP Access Management機能では、「Allow List」に登録した特定のIPアドレスからのみアカウントにアクセスできるように設定できます。
本記事では、「メールのAllowlist」に焦点を当てて解説します。
Allowlistの活用シーン
Allowlistは、受信トレイに届くメールを制御することでメールによる詐欺やハッキングのリスクを減らし、受信トレイを安全に保つのに役立ちます。
個人での利用
受信トレイのセキュリティフィルタを強化することでスパムを減らし、受け取るメールを細かく指定するためにAllowlistが使われます。
Allowlistにまだ追加していない家族や友人からのメールは、受信トレイに届かない可能性があるため注意が必要です。
企業のセキュリティ対策
企業では、フィッシング詐欺をはじめとするスパムメールを防ぐためにAllowlistを活用するのが一般的です。信頼できる送信者からのメールのみを許可することで、悪意のあるメールが従業員の受信トレイに届くリスクを低減することができます。
ただし、Allowlistだけで100%の安全性が担保されるわけではなく、メールの開封やリンク、添付ファイルの扱いには依然として注意を払うことが大切です。
メールマーケティングへの影響
ニュースレターなどの購読開始時に、配信元の企業がメールアドレスやドメインをAllowlistに追加するよう受信者に求めることがあります。Allowlistに追加してもらうことで、メールサービスプロバイダ(ESP)にその企業からのメールは怪しくないことを伝えることができ、結果的に到達率やレピュテーションの向上につながります。
近年のメールマーケティングにおけるAllowlist活用状況
企業が受信者に対してAllowlistへの追加を求める上述の方法は、以前は一般的でしたが、近年ではその流れが変わりつつあります。
ほとんどの受信者がAllowlistを利用していない
「Allowlistに追加してください」とお願いするのではなく、以下の画像のように「メールアドレスをアドレス帳に登録してください」と伝えることが一般的になっています。
ほとんどの人はプライベートのメールでAllowlistを利用していないため、アドレス帳への登録をお願いするほうがスムーズです。
アドレス帳にメールアドレスを追加してもらえればメールはその宛先に届きやすくなります。しかしながら、アドレス帳への追加は単に連絡先を整理しているだけだとみなされるため、Allowlistとは異なり受信トレイへの到達を保証するものではありません。
他の指標がより重要視されている
受信者にAllowlistの設定をお願いするよりも、メールで共有した記事やサービス情報へのリンクをクリックしてもらうほうがはるかに簡単です。
メールが受信トレイに届くかどうかを決める要素として、エンゲージメント指標やレピュテーションがより重要視されています。開封率とクリック率が高ければ正当で価値のあるメールであることをESPに示すことができます。
メールマーケティングにおいてAllowlistが活用される機会はますます減少しているため、Allowlistのことに時間を割くよりも、質の高いコンテンツを作成し、メールマーケティングのベストプラクティスを実践することが効果的です。
セキュリティ対策としてAllowlistを活用するためのベストプラクティス
マーケティング施策としてのAllowlistの重要性は低下しているものの、セキュリティ対策としては依然として有効な手段です。適切に利用することで、セキュリティを大幅に強化し、従業員や企業データを有害なメールから守ることができます。
Allowlistを効果的に運用するためのベストプラクティスを紹介します。
- 定期的な更新
Allowlistの管理で最も重要なのは、常に最新の状態を保つことです。新しい送信元は追加し、無効になった送信元は削除して、不正なアクセスがないか定期的に確認しましょう。 - 不審なメールに対するトレーニング
Allowlistによって悪意あるメールがすべてブロックされるわけではありません。従業員が怪しいメールを見分けられるようにトレーニングを行いましょう。また、不審なメールの報告窓口を設け、報告されたメールアドレスとIPアドレスをブロックリストに追加する仕組みをつくると良いでしょう。 - 認証の強化
Allowlistの管理に多要素認証(MFA)などの強固な認証手段を導入することで、セキュリティをさらに強化できます。
Allowlistはメールセキュリティのためのツール
Allowlistは企業の受信トレイを保護するための有効な手段です。なりすましメールやフィッシング攻撃を防ぐために適切に管理しましょう。
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