顧客ロイヤルティを高める17種類の購入後メール

この記事は 17 types of post-purchase emails to build brand loyalty の抄訳です。

新規顧客の獲得には、既存顧客との関係を維持する場合の5倍ものコストがかかるといわれています。にも関わらず、大多数の企業が、最も購買意欲の高い顧客層であるつい最近お金を使ってくれた顧客ではなく、新規購読者の獲得にメール予算の大部分を費やしています。

そこで、ぜひ取り入れたい施策が「購入後メール」です。

購入後メールは、一度限りの購入者を忠実なリピーターへと変えてくれるかもしれません。購入直後は顧客も連絡を待ってくれているので、購入後メールは開封率が非常に高いのです。

本記事では、17種類の購入後メールとその役割、そして、それらを活用して持続的なロイヤルティを獲得する方法をご紹介します。

購入後メール(post-purchase email)とは?

購入後メールとは、取引完了後に送信されるメール全般のことです。購入後メールは、トランザクションメールとエンゲージメントメールの2種類に分けられます。

  • トランザクションメールは、購入が契機となって送信されるメールです。例えば、注文確認、発送通知、配達完了通知などが挙げられます。顧客はこれらのメールが来ることを期待しているため、省略すべきではありません。
  • エンゲージメントメールは必須ではありませんが、非常に効果的です。例えば、お礼メール、レビュー依頼、プレミアム会員への招待、製品情報の提供、再エンゲージメントキャンペーンなどです。こうした取り組みを通じて、ブランドは「単なる販売者」から「顧客が本当に大切に思う存在」になっていきます。

購入後メールは、両方を組み合わせて使うのが効果的です。トランザクションメールは信頼を築き、エンゲージメントメールは顧客ロイヤルティを高めます。

トランザクション系の購入後メール

基本となるのが以下の4つです。これらのメールは顧客に期待されていて、良い顧客体験に必須であり、他社と差別化するための重要なポイントです。

1. 注文確認メール

注文直後に送信される注文確認メールは、購入プロセス全体の中で最も開封率の高いメールです。注文番号、商品詳細、価格、配送予定日といった基本情報を記載するのが一般的です。

しかし、それだけではありません。

注文確認メールを使って、自社の強み(返品無料、優れたサポート、即日配送など)を強調することで、商品の発送前から好印象を与えることができます。

送信タイミング:購入から数分以内

2. 発送通知メール

"ご注文の商品が発送されました" のようなメールのことです。これは顧客の不安を軽減し、サポートへの問い合わせ(注文した商品はいつ届きますか?)を減らし、商品の到着を待っている間のブランド想起に寄与するでしょう。

商品の追跡リンクを目立つように入れると、何度もクリックされるはずです。意図的に作り出さなくても、自然にエンゲージメントを高めることができます。

送信タイミング:購入された商品の発送時

3. 配達完了通知メール

商品が無事に配達された時にも、改めて通知を出しましょう。購入に関する連絡はこれが最後で、この先はレビュー依頼、アップセル、ロイヤルティプログラムへの招待などに進んでいきます。

このメールをうまく足がかりにできたブランドは、続くエンゲージメントキャンペーンの成果がより高くなることがわかっています。

送信タイミング:配送業者が配送状況を「配達完了」に変更した時

4. 返品・返金メール

返品処理は誰にとっても面倒なものですが、その対応の仕方によっては顧客を呼び戻せるかもしれません。分かりやすくて親切な返品確認(期限が分かりやすく、問い合わせもしやすい)は、それまでの不満を、ロイヤルティを高める機会へと変えてくれます。

このステップを疎かにしてはいけません。返品時の対応の悪さは、顧客が二度と利用しなくなる大きな要因です。

送信タイミング:返品手続きの開始時、または返金処理時

顧客との関係を構築する購入後メール

トランザクションメールが自動化される一方で、顧客との関係構築を目的としたエンゲージメントメールはないがしろにされがちです。

これは大きな機会損失です。結局のところ、購入後の体験が良いものであれば、顧客はより多くのお金を使ってくれるのですから。

5. お礼メール

心からのお礼メールはとても効果的です。注文確認メールに「購入ありがとうございます」と付け加えただけのメールのことではなく、お客様への感謝が伝わるような、独立したお礼メールのことです。

ブランドに温かみを与えるような内容にするのが理想的です。あなたがどのような人物で、どのような理念を持ち、顧客の購入がそれをどのように支えてくれているのかを伝えます。直販ブランドなら、ブランドの雰囲気に合うプレイリストを共有しても良いですし、価値観を重視するブランドなら今回の購入がどのような活動に貢献しているかを伝えても良いでしょう。

送信タイミング:商品到着後1~2日

6. 製品の使い方・活用促進メール

習得に時間がかかる製品(ソフトウェア、電化製品、フィットネス機器、スキンケア製品など)の場合、特におすすめです。

このようなメールは、購入後の後悔を減らし、製品の定着率を高め、問い合わせの数を減らします。そしてもちろん、購入した製品の使い方を知っている顧客ほど、満足度も高くなります。

送信タイミング:目新しさが薄れる前、商品到着後2~3日

7. レビュー依頼メール

Eコマースにおいて、顧客レビューは非常に貴重な資産です。将来の購入者からの信頼を高め、検索エンジンに品質を示すとともに、顧客には「何かに貢献している」という実感を与えます。

重要なのはタイミングと質問の仕方です。早すぎるとまだ製品を使っていませんし、遅すぎると機会を逃してしまいます。質問は具体的にしましょう。「レビューを書いてください」ではなく、「[製品名]の使い心地はいかがでしたか?」といった具合です。

送信タイミング:商品の種類に応じて、商品到着後7~21日

8. 顧客満足度調査・NPS調査

公開レビューの依頼とは異なり、満足度調査は非公開のフィードバックを収集するものです。これは、製品の問題や配送トラブル、顧客体験の悪さなどを早期に察知するためのシステムです。不満を抱えた顧客がレビューを投稿してしまう前に、こうした情報を入手しておくことが重要です。

質問は短く1〜5問程度におさえ、割引などの特典を付けると良いでしょう。

送信タイミング:商品到着後7~14日

9. コミュニティやSNSへの招待メール

メール以外でもつながりを持ちましょう。非公開コミュニティへの参加、SNSのフォロー、写真へのタグ付け、オンラインフォーラムへの参加などを促し、顧客をコミュニティメンバーへと変えていきます。

コミュニティメンバーは離脱率が低くなります。また、彼らにとっては、次に購入する際に直接ブランドと連絡を取ることができるというメリットもあります。

送信タイミング:良い使用体験ができた頃、商品到着後5~10日

10. 社会貢献系のマーケティングメール

顧客(特に若い世代)は、どこから商品やサービスを購入するのかを重視します。もし、何らかの社会貢献活動を支援していたり​​、収益の一部を寄付していたり​​、サステナビリティに関するミッションを掲げていたりするのであれば、購入直後のタイミングこそ、それを伝える絶好の機会です。

二重の意味で「購入して良かった」と感じてもらうのです。そうすれば、その好印象をあなたのブランドと結びつけてくれるかもしれません。

送信タイミング:商品到着後2~5日

売上アップを促進する購入後メール

これからご紹介するメールは、ロイヤルティを売上につなげるための鍵となるでしょう。成功すれば、まるでパーソナライズされたサービスのように感じられますが、失敗すれば、単なる一斉配信の営業メールのように感じられてしまいます。

明暗を分けるのは、「関連性」と「タイミング」です。

11. クロスセル・おすすめ商品

購入された商品と相性が良さそうなものをおすすめしましょう。カメラを購入された方はレンズを必要としているかもしれませんし、コーヒーを購入された方ならペーパーフィルターやドリッパーが喜ばれるかもしれません。

送信タイミング:商品到着後3~7日

12. アップセル

関連商品を提案するクロスセルに対し、より上位のバージョンへと促すのがアップセルです。

例)

  • サブスクリプションのアップグレード
  • プレミアムへの移行
  • 保証期間の延長

アップセルを促すメールは、アップグレードの説明が具体的で、そのメリットが明白だと効果的です。「現在[製品]をご利用中ですね、[プレミアム]プランなら次のような機能も使えます」のようなアプローチは、単なる割引より効果があります。

送信タイミング:商品への理解が深まる頃、購入後7~14日

13. ロイヤルティプログラムへの招待

ロイヤルティプログラムに招待するなら購入直後が理想的です。関心が高まっていて、今後もお金を使う意思があるということだからです。繰り返し利用したくなるような理由を作りましょう。

まず、すぐに得られるメリットを提示します。「Xポイント貯まっています」は「ポイント制度をご利用ください」よりもはるかに魅力的です。

送信タイミング:初回購入後1~3日

14. 紹介キャンペーン

満足度の高い顧客は知り合いにも勧めてくれますが、そのためには簡単に紹介できる仕組みが必要です。紹介キャンペーンメールで、紹介のメリット(割引、クレジット、ポイント)と手段(共有リンク、コード)を提供しましょう。

このメールを送るのが早すぎると、まだ使ったことのない商品についての紹介をお願いすることになってしまいます。まずはしっかり使ってもらえるだけの時間を置きましょう。

送信タイミング:商品に満足した頃、購入後10〜21日

15. 再注文のリマインダー

消耗品(スキンケア用品、サプリメント、コーヒー、日用品など)の場合、そろそろなくなりそうなタイミングで補充を促すメールを送信すると非常に効果的です。

商品カテゴリごとに平均的な再注文タイミングを計算し、その数日前にリマインドメールを送信します。その際、できるだけ簡単に再注文できるようにしておきましょう。あらかじめ商品がカートに入った状態のリンクを送るのが理想的です。

送信タイミング:商品の消費サイクルに合わせて、通常は前回の購入後30〜90日

価値の高いリテンションメール

最後の2つは、失われつつある顧客との関係を再構築するためのメールと、最も価値のある顧客との関係を維持するためのメールです。

16. 再エンゲージメントメール

購入後にメールを数回開封すると、そのまま去ってしまう人もいます。完全に離れてしまう前に再活性化を図るには、再エンゲージメントキャンペーンが効果的です。ポイントは、単なる割引メールにしないことです。顧客の離脱を受け入れた上で、初回購入のきっかけを思い出してもらうようにしましょう。

送信タイミング:購入サイクルに応じて、最後の購入またはエンゲージメントから60〜90日後

17. VIPメール

最高の顧客には、それにふさわしい待遇を。VIPメール(新商品の先行公開、セールへの早期アクセス、会員限定コンテンツ、特別な特典など)は、優良顧客に感謝の気持ちを伝えるとともに、ブランドとの感情的なつながりを深めます。

これこそがロイヤルティ・エコノミクスです。大切にされていると感じた顧客は、より多くのお金を使い、周りに紹介し、なおかつ解約しにくいでしょう。

送信タイミング:購入頻度や購入金額によって、継続的に

購入後メールの送信スケジュール

上記の17種類のメールは、購入のたびにすべてが送信されるわけではありません。顧客の行動に基づいて、適切なメールを適切なタイミングで送信しましょう。

基本的には次のような流れになります。

  • 0日目(即時):注文確認メール
  • 1日目(発送完了時):発送通知メール
  • 3日目(配達完了時):配達完了通知メール、お礼メール
  • 5日目:製品の使い方・活用促進メール
  • 7日目:ロイヤルティプログラムへの招待(初回購入者向け)
  • 10日目:クロスセル・おすすめ商品
  • 14日目:レビュー依頼メール
  • 21日目:紹介キャンペーン(満足度が高い場合)
  • 60日目:再注文のリマインダー(消耗品の場合)
  • 90日目:再エンゲージメントメール(2回目の購入がない場合)

これらは顧客セグメントに応じて調整しましょう。リピーターにはロイヤルティプログラムへの招待は不要です。否定的なレビューをした人に紹介依頼をする必要もありません。自動化とセグメンテーションの使いどころです。

購入後メールの送信をはじめましょう

「購入」は終わりではなく、始まりです。購入後の期間を顧客ロイヤルティを高める機会と捉えているブランドは、より多くのお金を使い、より長く利用し、より頻繁に人に勧めてくれる顧客を育てることができます。

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よくある質問

Q:トランザクションメールと購入後メールの違いは何ですか?

「トランザクションメール」は、購入などのアクションをきっかけに送信されるメールで、購入内容や配送状況などの重要な情報を届けるものです。
「購入後メール」は、トランザクションメールに加えて、顧客ロイヤルティや売上の向上を目的としたキャンペーンも含みます。

Q:購入後メールは何通送るべきですか?

商品やサイクルによって異なります。まずは最初の30日間で4〜6通ほど送り、その後は顧客の反応を見て調整していくと良いでしょう。

Q:購入後メールはどのタイミングで送るべきですか?

注文確認や発送通知などのトランザクションメールは、すぐに送りましょう。
エンゲージメントメールについては、商品到着後3日以内にロイヤルティプログラムへの招待メールを、7〜14日でレビュー依頼を、非アクティブになってから60〜90日後に再エンゲージメントメールを送ることを目安にしましょう。

Q:購入後メールを自動化するにはどうしたら良いですか?

イベント(購入、発送、到着、前回の注文からの経過時間など)と連動できるメール配信プラットフォームを利用しましょう。メール配信サービス(ESP)なら、大抵はそのような機能を有しています。
Twilio SendGridにはAPIが豊富に用意されており、送信タイミングやパーソナライゼーションを制御できます。また、配信規模に合わせた柔軟なスケールアップが可能です。

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