効果的な再エンゲージメントキャンペーンとは?
- 2024年2月13日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス メールマーケティング
この記事は How to Create Effective Re-Engagement Email Campaigns の抄訳です。
エンゲージメント関連の指標を確認していると、メールを開封しない人たちがリスト内にある程度いることに気づくでしょう。なぜ開封しないのかとやきもきするかもしれませんが、どんなにエンゲージメントが高いリストであっても開封しない人は存在するものです。
メールが開かれないからといって迷惑メールだと思われているとは限りません。送信タイミングが悪かっただけかもしれませんし、メールにあまり価値を感じてもらえていないといったより深刻な理由も考えられます。
開封されない理由が何であったとしても、高いレピュテーションを維持してメールをきちんと届けるためには、エンゲージメントの低い受信者への送信はやめなければなりません。宛先リストから外す前にできる施策が、再エンゲージメントキャンペーンです。
再エンゲージメントキャンペーンとは?
再エンゲージメントキャンペーンでは受信者に「今後もメールを受信したいですか?」と問いかけます。
大抵の場合はただ問いかけるのではなく、購読者や顧客に対して、もう一度ブランドに興味関心を持ってもらいエンゲージメントを高めることを目的に様々なメールを送ります。例えば、価値あるコンテンツ、オファー、またはインセンティブを提供して受信者の行動を促すといったことです。何かを売ろうとするのではなく、受信者にもう一度ブランドと関わってもらうことだけを目指しましょう。
旧友と久しぶりに連絡を取ろうとする場面を想像してみてください。パーティーの計画や特別な目的は必要ありませんよね。おそらく、ただ単に返事がほしいだけのはずです。一度返事を貰えれば、あとは自然に関係が続くことでしょう。
再エンゲージメントキャンペーンを素早く、効果的に、円滑に実施するために、本記事でご紹介するTipsと事例をお役立てください。
再エンゲージメントキャンペーンのベストプラクティス
1. リストを適切にセグメント化する
宛先リストをセグメント化する方法はたくさんありますが、再エンゲージメントのためのセグメント化はかなりシンプルです。一定の期間(理想的には1〜2ヶ月)のあいだに、エンゲージメントのあった受信者と、1通もメールを開封していない受信者とに分けます。
そうすることで、エンゲージメントの高い受信者に向けた新しいコンテンツづくりに注力できると同時に、エンゲージメントの低い受信者にターゲットを絞って適切なコンテンツを配信できます。
2. 引き続き購読を希望するか(丁寧に)尋ねる
非アクティブな受信者にメールが多すぎて不快ではないかと尋ねる際、保守的になりすぎてはいけません。フレンドリーさと謙虚さを保ちつつ、文章を考えましょう。また、簡潔に要点を絞るよう意識しましょう。
良い例としてマーケティングオートメーションプラットフォームのAutopilot(現Ortto)のメールを紹介します。
件名: 実のところ… 本文: 私たちがしばらくご連絡差し上げなかったことにお気づきかもしれません。 実のところ、2018年は素晴らしいコンテンツを用意しています。とはいえ、私たちからのメールに興味が無くなった方にメールを送り続けることはしません。 新しい記事、業界レポート、ウェビナーに関する情報を受け取りたい方は、希望する連絡方法と併せてお知らせください。 コンテンツの購読を継続するには、下のボタンをクリックしてください。 【はい、引き続きコンテンツを受け取ります】 製品アップデートにのみ興味がある場合もご心配はいりません。 マーケティングディレクター ちなみに…いかなる場合でもお知らせを受け取りたくない場合は、リンクから購読解除してください。 |
ユーモアも有利にはたらく可能性がありますが、感性は人それぞれなので不快にさせないように気を付けることが重要です。A/Bテストはアプローチの効果を確認するのに非常に適した方法です。
3. 件名を目立たせる
普段メールを開かない人に再エンゲージメントメールを開封してもらうことは簡単ではありません。件名で受信者の気を引く必要があります。
日頃送っているメールの件名がパターン化しているのであれば、変化を加えることで「このメールは他のメールとは違うな」と気づかせることができます。
メンズアパレルブランドを展開するProper Clothでは、受信者の興味を引き思わず開封したくなるような件名 「Is this the end?」(これでお別れですか?) をつけています。本文の見出しも同様です。
こちらがProper Clothの再エンゲージメントメールです。
このメールの受信者は、「受信する」をクリックしない限り宛先リストから外されることになります。しかし、再エンゲージメントキャンペーンは受信者の考えを変えるチャンスでもあるので、Proper Clothでは配信頻度を調整するオプションも提示しています。
近い将来エンゲージメントが高くなる可能性のある受信者との関係を維持しつつ、非アクティブもしくは興味が薄れた宛先をクリーニングすることにもつながるため非常に重要な施策といえるでしょう。
4. 購読管理ページに誘導する
受信者が引き続きメール購読を望むなら、メールの頻度を調整できる購読管理ページ(Preference Center)に誘導しましょう。Preference Centerの設定項目が充実していれば、受信者はメールの頻度を細かく調整し、特定の種類のメールのみを受け取るようにすることができます。
どんなPreference Centerを用意すれば良いのか、こちらのブログも参考にしてください。
より多くのフィードバックを得るには、購読解除ページに「解除の理由」の記入欄を設けましょう。再エンゲージメントキャンペーンに限らず、メールマーケティング戦略全体に対する貴重な情報を収集できます。
5. インセンティブとオファーを活用する
魅力的なインセンティブなどを設けて、再びブランドと関わるように促しましょう。以下のアイデアを参考にしてください。
- 限定割引
割引は緊急で貴重な機会だと感じさせるので、受信者が行動を起こしやすくなります。 - 無償提供やサンプル
無料の電子書籍、新製品のサンプル、または期間限定でのプレミアム機能へのアクセスなど、無料のオファーは関心を引き、エンゲージメントを増加させる可能性があります。 - 唯一無二のコンテンツ
ウェビナー、ダウンロード資料の案内やコンテンツの先行公開などです。他では得られないものを提供することで、差別化と価値の創出を図れます。 - パーソナライズに基づくおすすめ
過去の行動や好みに基づいてインセンティブをカスタマイズすることで、より関連性があって魅力的なオファーになります。例えば、特定の製品カテゴリに興味を示していた受信者には、関連アイテムの割引を行うなどです。 - 節目を祝う報酬
ブランドと顧客にとっての記念日や一定の累計購入額といったマイルストーンの達成を祝って特別な報酬を提供することで、ロイヤルティを育み、ブランドとの関係を再び強化することができます。 - ゲーム要素
ルーレットを回して割引や報酬がもらえるチャンスを提供することで、再エンゲージメントメールにわくわくする要素を加えることができます。 - メンバーシップやロイヤルティプログラム
非アクティブな顧客をロイヤルティプログラムに招待することで、継続的にエンゲージメントしてもらうためのインセンティブを提供できます。 - パーソナライズされた感謝のメッセージ
個々の受信者に合わせた感謝のメッセージを送ることで、ポジティブな感情を生み、再エンゲージメントを促すことができます。
実際の再エンゲージメントキャンペーンの例
1. Famebit
インフルエンサーマーケティング企業のFamebitは、“Were You Eaten By a T-Rex?”(ティラノサウルスに食べられましたか?)というユニークな見出しで受信者の注意を引いています。これはブランドの声とユーモアセンスを表現したおもしろいメールで、無料でFamebitを体験できることを伝えています。
2. CloudApp
画面キャプチャツールのCloudApp(現Zight)の再エンゲージメントキャンペーンは、フィードバック収集の一例として参考になります。このメールでは非アクティブユーザとコミュニケーションをとろうとしており、貴重なインサイトを集め、顧客に再度興味を持ってもらうための良い起点となっています。
また、CloudAppはユーザに戻ってきてもらうため、プロプラン1ヶ月間無料というインセンティブを提供しています。顧客に製品の価値を再認識してもらうための施策です。
3. Ugmonk
こちらはインテリア雑貨を扱うUgmonkの事例です。この再エンゲージメントメールは、ECサイトでカートに商品を入れたまま離脱した顧客に送るカゴ落ちメールとの組み合わせです。顧客に購入が完了していないことを思い出させ、さらに、意見や不満を送れる担当者のメールアドレスを記載しています。
4. Eventbrite
イベントプラットフォームのEventbriteは古くからの顧客が再びサービスに興味を持つように促しています。画期的な新機能についてのブログに誘導し、お問い合わせ先も提示しています。これによって、顧客はスムーズにサービスの利用を再開することができます。
最良の再エンゲージメントキャンペーンを実施しましょう
ブランドの価値を示し、メールを開封してもらえるだけの信頼を受信者から得ることは、簡単なことではありません。たとえ一部の受信者がメールを開封しなかったからといって自分を厳しく責める必要はありません。
メールを見てもらえないのは必ずしもコンテンツの質が低いからではなく、受信者の期待と実際のメールに乖離があっただけかもしれません。メールマーケティング改善の手がかりを得るため、受信者がPreference Centerでどのような選択をするのかを計測し、フィードバックを集めましょう。
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