すべてのメール送信者が知っておくべき10のこと
- 2020年10月13日
- by SendGrid
- Category: ベストプラクティス メールマーケティング
この記事は 10 Things Every Sender Should Know About Email Delivery [Twilio SIGNAL recap] の抄訳です。
メールマーケティングを行っていて、それなりに上手くいっている場合にどんな改善を行えばいいのか?これは非常に重要で難しい問題です。
メールは1ドルの投資で38ドルのリターンが期待でき、多くの企業は1度に何千通もメールを送っています。たとえ小さな改善でも大きな効果が得られることは容易に想像できるでしょう。
先日開催されたTwilio SIGNALでは、メール配信のエキスパートチームがメールプログラムに関する知見を共有しました。今回の記事では、メール送信者が効果を最大化するための10のトピックをご紹介します。実際のやりとりについては、こちらの動画をご覧ください。
1.メールは受信者全員(100%)には届いていない
到達率が高く、迷惑メール報告がないように見えても、すべてのメールが受信者に届いているとは限りません。一部のメールは裏で迷惑メールフィルタリングされ、受信者はあなたからのメールが届いていないことにすら気付かないでしょう。
これは、いくらベストプラクティスに従っていても起こり得ることです。専門家によると、メールボックスプロバイダ(Gmail、AOL、Yahoo!、Microsoftなど)は受信者それぞれにどのメールを表示するかをケースバイケースで判断しているからだそうです。
2.メールボックスプロバイダによって基準が異なる
メールボックスプロバイダは、それぞれ異なる基準でメールを処理しています。各プロバイダへの到達率を監視し、それぞれで高い値になるよう調整しないと最適な配信結果は得られません。
SendGridの配信エキスパートがお客さまのサポートをする際は、すべてのメールボックスプロバイダのパフォーマンスを監視します(※エキスパートサービスは米国SendGridのみで提供しています)。あるプロバイダでは到達率が低下していて、他では低下していないことが分かった場合、何が到達率やパフォーマンスに影響しているのかを分析し、修正します。
メールボックスプロバイダ間の違いや到達率への影響をより深く知りたい場合には、 Deliverability Guideをダウンロードしてください。
3.メールの種類によってレピュテーションは異なる
トランザクションメールとマーケティングメールではレピュテーションが異なるため、分けて考える必要があります。
トランザクションメールは、パスワードリセットや購入など特定のアクションに応じて送信されます。受信者はこれらのメッセージを受け取りたいと思っているため、通常開封率とエンゲージメントが高くなります。メールボックスプロバイダは、これらをレピュテーションへのポジティブなサインだと捉え、メールを受信ボックスに届けます。
マーケティングメールはプロモーションのために送られるものです。いくら価値があるメッセージにしようと最大限努力していても、誰もが受け取りたいわけではありません。その結果、エンゲージメントが下がり、レピュテーションも低下する可能性があります。
そのためSendGridでは、パフォーマンス向上のために、まずはメールのストリームを分けることを推奨しています。具体的には、トランザクションメールとマーケティングメールを別のIPアドレスから送信することで、レピュテーションを分けます。
メールストリームを分離すれば、マーケティングメールのレピュテーションがそれほど高くない場合でも、アカウントのアラートや請求書のような重要なメールが届かなくなる可能性を減らせます。また、それぞれのストリームへの受信者の反応に応じて、全体のメールプログラムの改善方法を探すことができます。
マーケティングメールとトランザクションメールの違いについては、こちらの記事を参考にしてください。
4.ホリデーシーズンの配信には数か月前から準備する
年末年始の売上が大きい場合、春か夏から計画しはじめることをオススメします。秋では遅すぎます。
この計画というのは、大規模キャンペーンに備えて高いレピュテーションを維持するというだけではありません。キャンペーンの際にはウェルカムメール、パスワードのリセットメール、購入確認など大量のトランザクションメールのやり取りが発生する可能性も考慮しておきましょう。
普段より多くの人に大量のプロモーションメールを送り始めると、メールボックスプロバイダはそれをネガティブなサインだと読み取るかもしれません。
そして、トランザクションメールとマーケティングメール両方に悪い影響を与える可能性があります。
送信ボリュームを徐々に増やすことで、このネガティブなサインに対抗しましょう。大量送信する際には、一度に送るのではなく時間を掛けて送るのです。
エンゲージメントを維持しながら徐々にメール配信量を増やせば、ホリデーシーズンにボリュームを増やしてもきちんとメッセージが届けられるようになります。
5.世界レベルの送信者と比較される
メールボックスプロバイダは、他のすべての送信者とあなたを比較してメールを処理しています。これには、あらゆる受信者に細かくパーソナライズされたメールを送っている、洗練されたメールプログラムを持つグローバル企業も含まれます。
最高クラスのメールと比較されているなんて、気が重いですよね。One to Oneターゲティングや動的コンテンツに対応して世界クラスのメール戦略をすぐに構築するのは無理かもしれませんが、別に問題ありません。
重要なのは送信しているメールが受信者に望まれているかどうかです。この基本的な原則を正しく理解すれば、受信ボックスで大手ブランドに並ぶ存在になることができます。
受信者がどんなメールを望んでいるかについては、2019 Email Benchmark and Engagement Studyをご覧ください。
6.Sunset policyの設定は必須
Sunset policyとは、あなたのメールに興味がない人を宛先リストから除外するための方法で、これにより不要なメールを送らないようにすることができます。
多くの企業で、例えば受信者が過去6週間メールを開封していない場合に宛先リストから削除するなどのSunset policyを設定しています。
しかし、これだけでは不十分です。他にも誤ったメールアドレスや使われていないアドレス、ハニーポットから守るためにfirst-interaction policyの設定をオススメします。これは、オプトイン後に送るメール数通(確認メールやウェルカムメールなど)に相手が興味を示さない場合に、そのメールアドレスを最初からリストに入れないという方法です。
メールプログラムにSunset policyを導入する方法については、こちらの記事をお読みください。
7.送信ドメイン認証は必須
メールの到達率向上のために1つだけ行うとしたら、送信ドメイン認証を設定してください。SPF(Sender Policy Framework)、DKIM(DomainKeys Identified Mail)、DMARC(Domain Message Authentication Reporting & Conformance)を設定して、メールボックスプロバイダにあなたが誰なのか伝えましょう。
- SPFは、メールが正規のサーバ(IPアドレス)から送信されているのかチェックすることで、送信者の身元を認証します。
- DKIMは送信者の身元に加えて、メッセージの内容が改ざんされていないことを確認します。
- DMARCは、SPFとDKIMの認証に失敗した際に受信サーバがどうすべきか指示します。
最低限のメールプログラムでよければ、レピュテーション向上のためにまずこれらの送信ドメイン認証を設定してください。各プロトコルの設定が到達率を大きく左右する理由を知りたい場合は、この記事を参照してください。
8.レピュテーションは送信者に付いて来る
レピュテーションが低く到達率が低迷している場合、新しいIPアドレスを取得するのは簡単な解決策に見えます。
しかし、これではその場しのぎにしかなりません。新しいIPアドレスには以前のレピュテーションは影響しませんが、これまで通りのやり方を続けてしまうとまた同じようなレピュテーションになってしまいます。解決には、メールプログラムの全面的な見直しが必要なのです。
ただし、新しいIPアドレスの取得が有効な場合もあります。詳細はこちらの記事を参照してください。
9.オプトインのプロセスを明確に
新しい受信者に対して、これから送るメールをどう紹介していますか?オプトインのプロセスが明確であれば、受信者は自分が何のためにサインアップし、何を提供されるのか分かります。また、どのくらいの頻度でメールを受信するか選択する機会にもなります。
オプトインのプロセスが不透明だと、宛先リストに入りたくない人を追加してしまうことになりかねません。メールを受け取りたくない人を宛先リストには入れたくないですよね?
興味を持っていない受信者にメールを送りつけ、未読のまま放置されたり迷惑メールに振り分けられたりし続けると、迷惑メールを送っているように見えてしまいます。
10.あなたが送るメールは試されている
メールボックスプロバイダは、メールを試しに迷惑メールフォルダに入れてしまうことがあります。受信者がメールを探して受信ボックスに戻してくれればいいのですが、迷惑メールフォルダに放置してしまった場合、次からも迷惑メールフォルダに送られ続けることになってしまうかもしれません。しかも、私たちはそんなことが起きているという警告を受け取ることもできません。
高い到達率を実現するのは簡単なことではありません。受信者にメールを届けるためには、すばらしいコンテンツや興味を惹く件名を作成するだけではなく、ご紹介したような多くの作業を積み重ねていかなくてはいけません。
この記事でTwilio SIGNALのハイライトをお楽しみいただけたなら、ぜひYouTubeで当日のさまざまなセッションもご覧ください。