メールマーケティング指標に関する6つの誤り

メールマーケティング指標に関する6つの誤り

この記事は 6 Mistakes to Avoid with Your Email Marketing Metrics の抄訳です。

メールマーケティングは多くの企業にとって大きな収益源となっており、1ドルの投資に対して36~45ドルもの利益が得られると言われています。メールマーケティングが効果的である理由の一つは、指標を詳細に追跡できる点にあります。これにより、メールがどのように受け手に響いているのか、何が効果的で何がそうでないかを把握し、得られたデータを元に改善することが可能になります。

追跡すべき指標を全て列挙することもできますが、今回は、メールキャンペーンを分析する際にマーケターが犯してしまいがちな失敗を紹介します。他人が犯してきた失敗から学び、代わりにどこに時間を注ぐべきかを見極めていきましょう。

1. 開封率を過信する

開封率は、配信したメールのうち開封されたメールの割合を示す指標です。件名や差出人名、送信タイミングなどを工夫することで開封率が向上する可能性がありますが、開封率にこだわりすぎるのは良くありません。メールを開封したからといってコンテンツに興味を持っているとは限りませんし、関心がなければ最終目標であるコンバージョンは達成されません。

また、開封率の向上ばかりに気を取られると、コンテンツやブランドに見合わないクリックベイト(クリックを誘引する手法)を使ってしまう可能性があります。そうなると迷惑メールと見なされる確率が上がるため、過度に誇張した件名やコンテンツにならないよう注意しましょう。

2. クリック率に固執する

クリック率(CTR)は、正常に配信されたメールのうち、リンクがクリックされたメールの割合です。リンクは受信者が実際にコンテンツに関心を持っている場合にクリックされるため、開封率よりもクリック率のほうがメールプログラムの健全性を評価するのに適しています。
また、最近では、メールを開封した受信者のうちリンクをクリックした受信者の割合(CTOR)を重視するマーケターもいます。

上述のとおり、クリック率は重要なエンゲージメント指標ですが、あくまでメールマーケティング指標の一つに過ぎません。開封率や到達率、配信停止など他の指標と組み合わせて総合的に判断しましょう。

3. 到達率を軽視する

メールの到達率とは、送信メールの何%が受信トレイに届いたかを表す指標です。到達率が低い場合、多くのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられている可能性があります。メールが読まれないまま放置されると送信者のレピュテーション低下につながり、レピュテーションが低下すると受信側のフィルタリングが強化されてますます受信トレイにメールが届かなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

到達率を向上させるための施策を実践し、レピュテーションも向上させましょう。

4. 配信停止されたことを気にしすぎる

配信停止率はメールマーケティングにおいて注視すべき指標ではありますが、配信停止されても過度に気にする必要はありません。

配信停止はコンテンツに興味がなくなったという受信者からの意思表示です。ほとんど読まれないメールを送り続けるより、エンゲージメントが高い宛先リストを維持するほうがはるかに重要です。

迷惑メール報告ではなく配信停止が選択されたということは、健全なメールプログラムを維持できている証だと捉えましょう。
配信停止のベストプラクティスについてはこちらをご覧ください。

5. 迷惑メール報告を放置する

一方で、迷惑メール報告は真摯に受け止め、優先的に対処すべきです。受信者による迷惑メール報告はレピュテーションに悪影響を及ぼすため、他の受信者宛のメールまで迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性が高くなります。

迷惑メール報告が多い場合、次のような理由が考えられます。

  • 配信停止の手続きが煩雑
    配信停止リンクを設置していない、または見つけにくいことはありませんか?意に反するかもしれませんが、できるだけ簡単に配信停止できるようにしましょう。手続きが明確であれば、配信停止の代わりに迷惑メール報告されるリスクを避けることができます。
  • 受信者に響かないコンテンツ
    普段は靴やシューケアに関するニュースレターを送っている靴屋が、例えばいきなりバーベキューのキャンペーンメールを送るとします。受信者はこれを怪しいコンテンツだと思い、スパムとしてマークするでしょう。購読者が予想していない内容のメールを送ることは避けましょう。
  • オプトインしていない宛先
    購入したリストや明示的にオプトインを取っていない宛先にマーケティングメールを送信していませんか?購入したリストには無効なメールアドレスやスパムトラップが含まれている可能性が高く、メール配信に悪影響を及ぼします。メールアドレスを収集する際はダブルオプトインを採用しましょう。

6. コンバージョン指標やROIを測定しない

メールマーケティングの目的は、コンバージョンを増やしビジネスの収益を上げることです。熱心な読者の獲得に注力することも大切ですが、メールマーケティングを成功させるにはコンバージョン率やROIを測定し、メールマーケティングにかける労力や費用が見合っているかを確認する必要があります。

まずは何をコンバージョン指標として定義するかを決めましょう。例えば、ガイドのダウンロード、商品の購入、無料トライアルの申し込みなどです。クリック率(CTR)を確認したり、Google Analyticsで顧客がどのページに遷移したかを調査したりして、ユーザの行動を分析しましょう。

次に、メールマーケティングにかかる費用と得られた収益をそれぞれ集計して、ROIを算出しましょう。
費用には、メール配信サービスの利用料だけでなく、キャンペーンの準備や配信にかかった工数も含まれます。
収益は、キャンペーン専用のUTMパラメータやクーポンコードから売上やリードを算定します。

ROIは(メールマーケティングからの総収益 - 総費用)/ 総費用 × 100で算出できますが、より簡単に算出するには、Twilio SendGridのROI Calculatorをご利用ください。

メールマーケティング指標の全体像を把握しましょう

メールマーケティングの効果を分析する際に起こしがちなミスは、個別の指標を掘り下げすぎて重要な情報を見落とすことです。指標一つ一つに注目することは大切ですが、必要以上に気にしすぎると全体の状況を見誤る恐れがあります。

メールプログラムの健全性を評価するには、いくつかの重要な指標を総合的に捉える視点が欠かせません。これにより、どの部分に改善の余地があるのか、どこを最適化すべきかを見極めることができます。
メールマーケティングの指標について詳しく知りたい方は、こちらのガイドをご覧ください。

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