パーミッションマーケティング~顧客との信頼を築くメール施策~

パーミッションマーケティング~顧客との信頼を築くメール施策~

この記事は Permission Marketing: Build Valuable Trust, Not Vanity Listsの抄訳です。

従来のメールマーケティング手法に則って送られたメールは、ほとんどの人に歓迎されません。受信者はメールを必要としておらず、スパムフィルターを通過して受信トレイまで届いたメールもきっと削除されてしまうことでしょう。

ですが、そうした状況を一変させることはできます。
もし受信者があなたのブランドからのメールを楽しみにしていたらどうでしょう?これは決して空想ではなく、パーミッションマーケティングがもたらす現実なのです。

パーミッション(=同意)マーケティングは、スパムのようなメールで受信者の邪魔をするのではなく、明確に「話を聞きたい」と回答した受信者とのつながりをつくることを重視したメールマーケティング手法です。
これは、受信者との関係性に対する考え方を根本的に変えるものです。

では、どのようにして実現するのでしょうか。
今回は、パーミッションマーケティングの導入から拡張まで、実践的な方法を解説します。

なぜパーミッションマーケティングが重要なのか?

やみくもに大量配信を行うメールマーケティングは、もはや過去のものです。いまだに宛先リストを購入し、スパムのようなメールを送り続けている競合他社を傍目に、賢明なマーケターたちは「いつでも量より質が勝る」というシンプルな真実に気づき始めています。

その理由として次のようなことが挙げられます。

  • 受信トレイでの競争の激化
    平均的なビジネスパーソンは、1日に120通ものメールを受け取るとされ、その中で目立つのはますます難しくなってきています。大多数の疎ましいメッセージの一つになるのではなく、受信者に「話を聞きたい」と思わせる必要があります。
  • 受信者の期待の変化
    今日の受信者は、同意に基づくコミュニケーションを好むだけでなく、それを当然のこととして求めています。個人情報への意識は高まっており、受信メールを厳しく選別して、不快に感じたらすぐに迷惑メールだと判断する傾向にあります。
  • 到達可能性の実情
    GoogleやYahoo!といった大手プロバイダは、同意を取らずに送信されたメールに対してこれまで以上に厳しく対応しています。これは“no permission, no inbox.”(同意がなければ受信トレイには届かない)という明確なメッセージです。

実際のところ、同意を得ずに行うマーケティングには、得られる価値を上回る多くのデメリットがあります。

  • コストの無駄遣い
    受信者の同意を得ないで送ったメールは平均的にコンバージョン率が低く、効率的な投資とはいえません。
  • レピュテーションへのダメージ
    迷惑メール報告は送信者のレピュテーションに悪影響を及ぼします。メール1,000通に対して3件の迷惑メール報告があればそのドメインはブラックリストに掲載されるリスクがあります。
  • 機会損失
    望まれていないメールを送りつけることでメールアドレスを一つ無駄にしてしまうと、潜在顧客を一人失うだけでなく、その人の顧客生涯価値を丸々失うことになります。

パーミッションマーケティングは、単に指標の改善を目指すものではありません。時間とともに強化されていく持続可能なメールマーケティング戦略を築くためのアプローチです。そして、情報発信を望んでいる受信者との確かな関係づくりでもあります。

パーミッションマーケティングの真の意味

個人間のコミュニケーションと同じように、パーミッションマーケティングにおける同意も、「メールしてもOK」といった軽い気持ちから「ご連絡を心待ちにしています!」といった強い期待まで様々です。

同意のレベルは以下の3段階に分けて考えられます。

  • 標準レベル
    購読を開始するときはたいていこのレベルから始まります。メールを受け取ると答えたものの、まだ本気でメールを望んでいるわけではありません。初デートと同じで、相手の関心は掴めたものの、信頼は得られていない状態です。
  • 上位レベル
    コンテンツに高い関心を示している受信者がここに分類されます。定期的にメールを開いており、楽しみにしてくれていると考えられます。我慢してメールを受け取っているわけではなく、実際に興味を持っているのです。
  • 最高レベル
    ブランドのことを信頼して好みを詳細に共有し、応援しながら、次のキャンペーンを心待ちにしている状態です。ただの受信者というよりは、まさしくファンだと言えるでしょう。

ここで、よく耳にするパーミッションマーケティングに関する誤解も解いておきましょう。

誤解その1:パーミッションマーケティングとは、小さい宛先リストに対するマーケティングのこと
そうではなく、質の高いリストを用いたマーケティング手法です。関心のない10万人の受信者より、熱心なファン1万人のリストのほうが良いと思いませんか?

誤解その2:同意の取得には多くの時間を要するので、コストがかかる
たしかに、リストを購入するほうが早くメール配信をはじめられるでしょう。しかしながら、得られる成果を考えれば、時間がかかっても事前に同意を得るほどの価値があると言えます。

誤解その3:「同意をとる」とは、オプトインのチェックボックスを設けること
本来のパーミッションマーケティングは、最初に形式的な同意を得ることではなく、継続的な信頼と価値を築くことを意味します。

5つのパーミッションマーケティング戦略

1. 不快にさせない「プログレッシブプロファイリング」

プログレッシブプロファイリングとは、受信者の情報を一度に集めるのではなく、段階的に収集するプロセスのことです。新規購読者を質問攻めにするのではなく、数通のメールにつき一つずつ、新しいことを尋ねましょう。

情報提供を依頼する際は文脈に注意する必要があります。たとえば、誕生日特典プログラムを開始する直前に、理由を添えて生年月日を尋ねましょう。なぜデータが必要なのかわかれば、回答してもらえる可能性が高くなります。

また、常に受信者にとってプラスの条件になるよう意識しましょう。自分が何を提供して、代わりにどんな情報を要求したのかを記録し、常に受信者からの情報よりも多くの価値を提供していることを確認しましょう。

2. 同意に基づくセグメント

基本的なデモグラフィックだけに頼るセグメンテーションは終わりにしましょう。パーミッションマーケティングでは、より効果的に受信者をセグメンテーションすることができます。

興味関心の対象が明らかなグループは、高い成果につながりやすい傾向にあります。受信者から得られた情報を信じて、興味に沿った内容を届けましょう。

さらに、受信者の行動履歴と先述した同意のレベルに基づいて、エンゲージメントを段階分けするのも有効です。

たとえば、特定のトピックに関するメールを3通連続でクリックした人は、類似のコンテンツをもっと求めていると考えられます。このように行動履歴から傾向がつかめれば、エンゲージメントをさらに深めるきっかけとなります。

また、「最高レベル」の受信者には「標準レベル」の受信者とは異なるコンテンツを提供すべきです。各セグメントにおけるブランドとの関係性に合わせて、コミュニケーションの取り方を変えましょう。

3. 同意の維持

同意は大切に育てなければ薄れていきます。定期的に、受信者自身で配信内容の希望を更新してもらいしょう。関連性のないメールを減らすことで、受信者の意思を尊重する姿勢を示すこともできます。

また、ライトな受信者を強い関心を持った読者、そしてブランドのファンへと導く、明確な道筋をつくりましょう。各ステップで提供価値を高め、関係を深めていくことが大切です。

シンプルなメッセージを加えて、受信者自身がオプトインしたことを明示するのも効果的です。
「このメールは〇〇にご登録いただいた方にお送りしております」という文言を添えることでオプトインしたことを思い出してもらえると、迷惑メール報告を減らすことができます。メールを送る頻度が低い場合は特に有効です。

4. 効果的な同意の再取得

時には反応のなくなった受信者に再度アプローチする必要に迫られることもあります。
「最近メールを開いていないようですが、今後も引き続きご連絡してもよろしいでしょうか?」と率直に質問すると、押しつけがましさを感じさせずに高い再エンゲージメント率を達成することができます。

もう一つの効果的な施策は、価値の再確認です。一番価値の高い最新のコンテンツを送ることで、これまでどのようなメールを見逃していたのかをお知らせしましょう。そもそもなぜそのメールを購読していたのかを思い出してもらうことにつながります。

それでも反応がない受信者は、リストから外すことも検討しましょう

5. 同意の拡張

究極的には、メール配信に同意してくれた受信者をブランドを推奨するファンへと育てることが目的です。
メールを共有してもらうための具体的なきっかけを本文に盛り込みましょう。たとえば、「メールの到達性に悩んでいる同僚に共有してください」といった呼びかけは、汎用的なシェアボタンよりも効果的です。

また、受信者をファンへとステップアップさせるには、フィードバックや紹介をしてもらうのと引き換えに、特集やコンテンツ、イベントへの優先案内を行うのが有効です。エンゲージメントの高い受信者に向けて、特別感のある対応を検討すると良いでしょう。

また、ソーシャルプルーフも効果的です。
「あなたのようなマーケターの87%がこのTipsを有益だと感じています」といったデータを提供することで、受信者がコミュニティの一員だと感じられるようにしましょう。帰属意識が生まれ、同意のレベルが高まります。

パーミッションマーケティングをはじめましょう

受信トレイは毎日多くのメールであふれています。その中で目立つために必要なことは、大きな声をあげることではなく、本当に聞きたいと思われる声であり続けることです。

ばらまき型のメールマーケティングの時代は終わりました。
優れたマーケターたちは、「同意」が単なるフォーム上のチェックボックスではなく、真の成果を生む有意義な顧客関係の土台であることを理解しています。

とはいえ、パーミッションマーケティングの価値を理解することと、それを実際に成功させることは別問題です。だからこそ、適切なツールを使うことで結果に大きな差が生まれます。

Twilio SendGridには、パーミッションマーケティングを開始し、拡張するために必要なものがすべてそろっています。業界を牽引する高い到達率や柔軟なセグメント機能で、「同意」を成果につなげるマーケティングを支援します。
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