バウンスメールとその対策
この記事は Email Bounce Management: Soft Bounces vs. Hard Bounces の抄訳です。
メール配信にとって非常に重要な「バウンス(Bounces)」。特にハードバウンス、ソフトバウンスについて本記事では取上げます。
SendGridでは、ソフトバウンスをブロック(Blocks)に近い短期的な問題とみなしており、一般的な定義とは少し異なった位置づけをしています。不正なメールアドレスや、配信不能なアドレスのハードバウンスは、サプレッションリストに追加すべきですが、ブロックされたアドレスはそうではありません。何故かを考えてみましょう。
バウンスの定義
バウンスは、メールを配信できなかったことを意味します。バウンスが発生すると(その原因は受信側のメールサーバにあります)、メーラーは配信失敗を示す通知を受け取ります。
その原因を以降で説明します。
バウンスメッセージの構成
- バウンスした日時
- バウンスしたメールサーバ情報
- エラーコードとバウンスした理由
※RFC規約によると、ハードバウンスは500番台、ソフトバウンスは400番台と定められていますが、全てのISPがこれに従っているわけではないので、一部例外もあります。
バウンスメッセージは配信に失敗した理由を特定するための情報を含み、一般的に以下のような構成になっています。
ソフトバウンス(ブロック)とハードバウンス
SendGridでは、バウンスを2種類に分けて考えています。ソフトバウンス(もしくはブロック)とハードバウンスです。
- メールボックスが一杯だった
- サーバがダウンしていた
- メッセージサイズが大きすぎた
ソフトバウンスは、メールアドレスが正しく、受信者のサーバに到達したが、以下の様な理由で返されたということを意味します。
ソフトバウンスが発生した時、SendGridは72時間、メッセージが配信されるまで再送し続けます。72時間を超えても配信できなかった場合、そのアドレスをブロック/遅延(deferral)リストに登録します。(そのリストはサプレッションリストとは異なり、以降リクエストが有った場合でも送信可能です)
- メールアドレスが無効/不正
- メールアドレスが存在しない
ハードバウンスは、以下の様な理由で受信を恒久的に拒否された場合に発生します。
SendGridでは、ハードバウンスが発生した場合は、そのアドレスをサプレッションリストに登録します。サプレッションリストに登録されている宛先への送信リクエストがあった場合、SendGridはそのメッセージを破棄(Drop)し、受信者のサーバーへの送信処理を行いません。無効なアドレスに対し送信し続けることはレピュテーションを下げる原因となってしまうからです。
このように、ソフトバウンスは短期的な問題のため、宛先リストから削除する必要はありませんが、ハードバウンスの場合は、即時リストから削除する必要があります。
バウンスを減らすために
- 宛先リストをクリーンに保つ。不正なメールアドレスや、反応の一切ない受信者は定期的に宛先リストから削除しましょう。バウンス率はレピュテーションに影響があるため、リストをクリーンに保つことで高い到達率が期待できます。SendGridでは、バウンスリストの管理をダッシュボードで容易に行うことができ、一定期間が経過したアドレスを自動削除したり、エラーメッセージを転送するなどの設定も可能です。
- ダブルオプトインを採用する。宛先リストへの追加時に、確認のメールを送信します。それにより、メールアドレスが有効であることに加え、メールを受取る意思があるかの確認にもなります。
- 配信状況をモニタリングする。返信率だけでなく、バウンス率にも注意を払います。常時モニタリングを行うことにより、潜在的な問題を未然に防いだり、大きな問題に発展する前に気づくことが可能になります。
バウンスを減らすためには、以下の様なことに気をつけましょう。
高い到達率を実現することは簡単なことではありません。が、それはコツを知らない時の話です。本ブログでも高い到達率実現のポイントを紹介しておりますので、ぜひご覧ください。