SendGridはどうやって開封やクリックを検知している?その仕組みをご紹介します!

SendGridはどうやって開封やクリックを検知している?その仕組みをご紹介します!

SendGridサポートチームの青木です。

皆さん、Activity機能はお使いになったことはあるでしょうか?Activityは、SendGridダッシュボードの中でおそらく最も利用頻度の高い機能の一つで、メールの到達や開封、リンクのクリック(Delivered, Open, Click)などどんなイベントが発生したか確認可能です。なぜSendGridでは、受信者に確認しなくてもメールが届いた(Delivered)ことや開封された(Open)ことがわかるのでしょうか?それらの仕組みを理解することで、各イベントの発生原因や問題への対処方法がよりわかりやすくなります。今回は、SendGridでこれらのイベントをどのように記録しているか、その仕組みをご紹介します!

イベント発生の仕組み

SendGridを使ってメール送信を行うと、以下の流れを辿って受信者のもとに届けられます。

イベント発生の仕組み

ここでは、SendGridと宛先サーバ、受信者の、3人の登場人物に注目します。そのうちの誰がトリガーになっているかで、イベントを3つのタイプに分類することができます。ここからは、それぞれのタイプごとに仕組みを解説します。

1. SendGridがトリガーとなるイベント

SendGridは送信リクエストを受け付けた後、送信処理を実行するかどうかを判断します。その後の処理に進む場合は「Processed」イベントとして記録を残し、送るべきでないと判断した場合は「Drop」イベントを記録し、リクエストを破棄します。

SendGridがトリガーとなるイベント

よくある質問:Dropが発生した理由

Dropが発生する条件の例として以下が挙げられます。

  • サプレッションリストに登録されている宛先に送信を試みた
  • 明らかに間違った宛先(メールアドレスのフォーマットではない宛先)に送信を試みた

これらは、Activity右側の i マークからREASON(理由)で確認可能です。

2. 宛先サーバからの応答がトリガーとなるイベント

メール送信のために、SendGridは宛先サーバに対して送信リクエストを出します。その応答に応じたイベントを後述のように記録します。

宛先サーバからの応答がトリガーとなるイベント

送信リクエストが受理された場合は、「250 OK」の正常応答を受け取り、「Delivered」イベントとして記録します。送信リクエストを拒否された場合は、そのエラー番号に応じて「Bounce」もしくは「Block」イベントとして記録します。

よくある質問:BounceやBlockへの対応方法

BounceやBlockイベントの発生原因や対応方法について多くのお問い合わせをいただきます。宛先サーバからの応答の内容はREASONに格納されているため、まずはそちらを確認してみてください。REASONだけでは原因がわからない場合は、宛先サーバの管理者に問い合わせる必要があります。

3. 受信者の行動がトリガーとなるイベント

SendGridでは受信者の様々な行動をイベントとして検知することが可能です。それらのイベントはエンゲージメントの指標として活用できるため継続してモニタリングしておくことが重要です。ここでは、例として「Open」と「Click」イベントについて取り上げます。

受信者の行動がトリガーとなるイベント

Open(メール開封)
Open Tracking機能が有効な場合、SendGridは自動的にメール末尾に非常に小さな画像を埋め込みます。受信者がメールを開封すると、その画像へのアクセスがあるため、それをOpenイベントとして検知します。

Click(リンククリック)
Click Tracking機能が有効な場合は、メール送信時に、本文内のURLをSendGridが検知可能なURLに置き換えます。受信者が本文中のリンクをクリックすると、Clickイベントとして検知され、アクセスした時間やURLなどと合わせて記録します。

これらのイベントは受信者の行動によって発生するので、メール開封やリンククリックが複数回行われた場合は、該当するイベントも複数回記録されます。

よくある質問:OpenおよびClickイベントの発生条件

OpenおよびClickイベントが期待通りに発生しない場合は、以下の観点で確認してみてください。

Openイベント発生に必要な条件

  • Open Tracking機能を有効にすること
  • HTMLパートをメールに含めること
    (トラッキング画像の仕組み上、テキストメールでは開封を検知できないため)
  • 受信者がHTMLパートを参照していること
  • 受信者の環境で画像の表示が許可されていること

Clickイベント発生に必要な条件

また、OpenおよびClickイベントが予期せず発生するというお問い合わせをいただくことがあります。その場合は、以下に該当しないか確認してみましょう。

  • マーケティングキャンペーンを利用している
    マーケティングキャンペーンでは、OpenおよびClickトラッキングは常時有効化されており、送信者側で設定を変更することはできません。
  • 受信側のセキュリティソフトによるチェック
    ウイルスチェックなどによって機械的にトラッキング画像が開かれたり、リンクがクリックされた場合、受信者の行動に関係なくイベントが発生します。送った通数に対してOpenやClickイベントが異常に多く発生している場合は、このようなケースを疑ってみてください。

さいごに

今回は、イベントがどのように発生するか、その仕組みを紹介しました。仕組みを理解することで、問題発生時の原因切り分けがより簡単になると思います!ここでは取り上げきれなかったイベントもあります。全イベントの詳細についてはドキュメントをご覧ください。

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